▲欧州的登山生活▲
△第52号: ピーク地方の隠れたお宝岩場(バンフォード・エッジ)
- 発行日
- 2007/06/11
- 発行者・筆者
- まさ (坂野正明)
まさです。
冬山に行く機会がなかった先の冬は、結局、岩登りに興じていたことが 多かったものでした。暖冬ということは、岩登りには悪くないのももの
の道理で。今回は、ピーク地方での岩登りの記録を主体に据えます。 あわせて、フリークライミングの難易度 についての解説も始めました。今まで
2年近く、説明無しに使ってきた 難易度ですが、ようやく解説を始められます。 お楽しみ下さい。
目次
登山記録編 〜〜 ピーク地方の隠れたお宝岩場(バンフォード・エッジ) 〜〜
アダムとピーク地方へ。 今週、大きなひと仕事終えたアダムは、気分も爽快、今週末は登らいでか、 という感じだ。今週は、冷え込みがきつく、かつ雪もそれなりに降ったので、 今回は、陽の当たる、かつ風がよく当たりそうな場所 — ということで、 バンフォード・エッジ(Bamford Edge) を選ぶ。 1年前に、アダムと二人訪れて、二人とも いたく気に入った岩場だった。 この一年、少なくとも他に二人、バンフォード素晴らしきかな、という人に 出会った。そう、他に比べてちょっとマイナーな隠れたお宝スポットという感じだ。
アダムの手始めのリードの後、僕が三つ星の Gargoyle Flake (VS 4c) を登ることにする。アレットを登っていくルート。 下から仰ぎ見るに、またガイド本の写真を見るに、いかにも良さそうだ。 特に、ルートの最後に、ほとんどルーフ的にオーバーハングした箇所を直登する のがなかなかそそる。
取り付き、アレットの 右側から登る。ひとつの理由は、左側からだと風が強くて……。 これぞ、と思ったホールドが実は丸っこくて 期待外れだったが……、他のホールドを組み合わせてそこは越える。 中間地点、大きな水平のすき間で、文字通り腹這いになって、苦闘の後、 奥にエイリアンを極めて、登攀継続。腹這いの超安全姿勢から、 ちょっとかぶった岩に再度取り付く — 精神的にちょっと怖いが、 技術的には楽。
ここから大きなフレークをレイバックとガイド本は言う。中間支点は申し分ない。 パワーで登り越える。そして、最後が、例の強烈な直登。ホールドは最高、ほとんど これ以上望みようがないもの。すばらしき高度感、眼下に広がる景色もまたいい!
Gargoyle Flake、 すばらしかった。大満足。一定の難しさが下部から結構継続する。 休む場所もふんだん。下部の中間支点は一応、十分な程度あり、上部は申し分ない。 そしてなんと言っても、最高の高度感のもとのフィニッシュが素晴らしい。 フォローのアダムともこれは素晴らしいルートだということで意見は一致した。
ここバンフォード・エッジには、まだまだ登りたいルートがたくさんある。 VS/HVS リーダーの天国かも。人もごく少なく、眺めがまた素晴らしい。 また天気のいい時に再訪しよう、とアダムと二人話しつつ、帰路に着いたのだった。
△以上、記録の一部。全文は、以下に載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/record/uk/20070127_bamford.jis.html
登山ミニ知識編 〜〜 フリークライミングの難易度 (その一) 〜〜
登攀の世界においては、色々な難易度が使われます。たとえばアルプ スなら、あるルートがどれくらい難しいかは、季節や天候、アクセス などにも激しく左右されますから、一概に言うのは簡単ではありませ ん。しかし、ある程度の基準で難易度が定義されていると、目安には なります(そもそもそのルートを目指すかどうかの)。
岩登りの場合は、難易度は比較的定義しやすいものです。雪の状態に よって激しく難易度が変わり得る雪稜のルートなどに比べれば。た だ……、世界中、場所によって異なる難易度(grade)の定義が採用さ れているのが悩みの種ではあります。フリークライミングでは、メ ジャーなのは、アメリカ式(日本では、主にこれ)、フランス式(欧州 全般)、オーストラリア式(Ewbank式)、英国式などあります。以下、フリー クライミングの難易度(グレード)について解説します。
多くの難易度は何らかの形で数字を含んでいて、数字が大きいほど 難しいルートを表します。 最も単純なのはオーストラリア式で、単に数字で表します。 グレード 1 ならばごく簡単、10 ならば難しく、30 ならば相当に困難、 というように。フランス式もそうですが、6a などと、a〜c のアルファベット も使って表します(a が一番易しく、cが最難)。 たとえば、F6a, F6b, F6c, F7a ……と難しくなっていきます。 加えて、(F6a 以上の場合)中間の難易度として、F6c+ などと「+」を含めた 表現も使います。F3c ならばかなり簡単、F9a を登れたら有名人です。 一方、米国式は、フランス式と似て数字とアルファベットを使いますが、 (実質上)前に「5.」という数字がつきます。 たとえば 5.7 は比較的簡単、5.15a を登れたらヒーローです。 米国式の場合、a〜d まで 4段階で細分化するのが普通、たとえば、5.11a〜5.11d という感じです。
ここで、米国式の場合、最も難しい 箇所がどれくらい難しいかという基準に純粋に依っている、と聞きます。 たとえば、(例: 中指一本に頼って越えなければいけないような)ある難しさの 場所が 3秒で越えられる長さでそれ以外は歩いて登れるようなルートも、 最難の場所は同じで、かつその後もごくわずか簡単なだけの(例: 中指一本と小指一本 に頼らなくてはいけないような)難しさが 30秒は持続する ようなものも、米国式の難易度は同じです。一方、オーストラリア式やフランス式 ならば、後者の方が前者よりも高い難易度が与えられます。 ただ、最近は米国式でも、オーストラリア式のように、全体の難しさを考慮 する場合が増えてきているようです — つまり、ガイド本や地域(やあるいは 時代?)によって難易度の意味が異なる状況のようです。
一方、英国式は、他とかなり違う独特の難易度方式を採用してい ます。その解説は、次回に譲ります。
(つづく)
Webページ更新情報
- この記事は、以下にも載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/magazine/backnumber/eu052.html - この 1週間前に行った湖水地方の歩登攀他の記録を以下に載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/record/uk/20070120_coniston.jis.html
次回予告
次回は… 「最高の天気と怠惰の北ウェールズ(トレマドッグ他)」
See you later!
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