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▲欧州的登山生活▲

Submitted by admin on Sun, 2008-11-30 03:21

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△第82号: 徹夜奮闘の雪上岩登り (ピラー・ロックス) (後編)

発行日
2008/10/13
発行者・筆者
まさ (坂野正明)

まさです。
前回に引続き、湖水地方はピラー・ロックスのハイ・マンへクローディアと 登りに行った時の記録を主題に持ってきています。 結果は、タイトルの通り、なかなか大変な山行になったものでした。 クローディアは(前回書いた)墜落の時に負った怪我が思ったより 悪く、(翌日から屋外の仕事に(根性で)出ていたとは言え)全治に数カ月かかる ことになってしまいました(1カ月後にはクライミングを再開していましたが)。 その前にクローディアと一緒に行ったスコットランドの山行 (第77〜79号) も大変でしたし、何か僕らのパートナーシップに問題があるのでしょうか? (苦笑)

後に、 英国で標準となっているクライマーのウェブサイトには、 僕らの登ったまさに 同じルートで、雨に降られて垂壁の真ん中で 一夜を過ごす羽目になったケースが報告されていたのを 見つけました。 そこでクローディアに

「同ルートで epic(=大変な目にあった山行; 第72号参照) を経験したのは僕らだけではないようだよ」
とメイルで伝えると、返事に曰く
「それ『こそ』本当に epic ね! 私らのは(epicでなくて)ちょっと変わった意味で 素晴らしい山行だっただけでなくて?」

畏れ入りました! (Hat off!)

あわせて、僕の愛するピラー山の紹介もしています。 お楽しみあれ。

目次

  • 登山記録編 〜〜 徹夜奮闘の雪上岩登り (ピラー・ロックス) (後編)
  • 英国の山紹介編 〜〜 ピラー (Pillar) 〜〜
  • Webページ更新情報

登山記録編 〜〜 徹夜奮闘の雪上岩登り (ピラー・ロックス) (後編)

(前号からのつづき)

50m のメインザイル 1本に、30m の補助ロープとスリングなどを 足し合わせることで、50m ザイル 1本での懸垂下降。 Jordan Gap へ向けて降りる。 20m 降りたところの巨大なレッジでピッチを切る。

巨石にかけたスリングを支点に、次の懸垂ピッチ。 これで下まで降りられるはずだが……暗くて見えないのでよく 分からない。とにかく降りてみよう。 — 実際、45m で下に到着。よかった。
そしてザイルを引くテスト……引けない?! (順番を待つ)クローディアに少し調節してもらって、何とか動くようになった。ほっ。

クローディアの懸垂後、ザイルを引いて回収……あれっ? だめだ、動かない!? 二人がかりで引っ張るもだめ、びくともしない。ザイルが延びているのが 分かるだけで、もう片側が全然動かない。これは困った……。 もう下まで降りられたから命に関わることは何もないのだが……、 ザイルを残していくのは懐に痛過ぎる。

そこでクローディアの提案で滑車システムを作ることに(最高の タイミングの提案に感心)。
— これが、その後、2時間半にわたる格闘の始まりだった……。 引く側のロープは何本ものロープのつなぎ合わせなので、 そのつなぎ目では、滑車システムを(何度も)再構築する必要があったのが 問題を複雑化していた。システム用の支点も簡単には取れず、 とにかく問題が多かったのだ。とはいえ、少しずつ引っ張ることには成功。

しかし結局、30m のロープが 50m の長さになるまで引っ張ったにも 関わらず、メインザイルの方はびくともしなかった。 滑車システムを根本から二重にしてさらに引っ張る手もなくはないが、 時間がかかり過ぎる。残念至極ながら ここで回収を断念することとあいなった……。

ぎんぎんに張りつめた補助ロープにナイフをあてる……や いなや、一瞬にして切れ、ロープがゴムのように上に飛んでいった。 荷重のかかったロープを切るのは簡単と聞いてはいたが、本当に恐ろしく 易しい……。こうしてザイルの大部分を残置する羽目に。 高くついたものだ。

ツェルトを広げて休憩後、下降開始。午前 1:25。 来た時に比べてさえかなり雪が積もっている。 クローディアは墜落の時に捻った膝が痛む、と言う。 慎重に。

やがて積雪がない場所まで降りてちょっとほっとする。
さらに降りて、登山道にあたりまたほっとする。
さらに降りて、林道にあたり、ほっとする。
長い長い下降となった。
駐車場着、午前 5:30。
ここまで起きていると最早ハイな気分。お茶を飲みながら夜明けを眺める。 天幕張って就寝は 7:42。予期せぬ 24時間山行だった。

△以上、記録の一部。全文は、以下に載せました。
 http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/record/uk/20080411_laked.jis.html


英国の山紹介編 〜〜 ピラー (Pillar) 〜〜

ピラー(Pillar)山は、 エナデイル (Ennerdale)の東(南)、 ワズデイル (Wasdale)の北に 位置する山です。 湖水地方の中で最奥地の山の一つと言っていいでしょう。 山頂(892m)には、三角柱が立っています。

ピラー山のすぐ北側には、ピラー・ロックス(Pillar Rocks)と呼ばれる 岩峰(群)があります。顕著な二つのピークがハイ・マン(High Man)および ロウ・マン(Low Man)と呼ばれ、数々の岩登りのルートがあります。 このうちハイ・マンは、イングランドで唯一、岩登り無しには 登れない山として知られます(山の定義は、 Nuttall に依ります)。

ハイ・マンは、 1826年に John Atkinson によって初めて登られました。 これは、 イングランドで史上初めてのロック・クライミングとされています。 また、1913 年にジョージ・マロリー が初登した "Mallory's Route (North-West by West)" (現在 HVS 5a) は、当時、抜群に難しかったルートとして有名です。 (……以上、縮約版)

△以上、全文は以下に載せました。
 http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/info/laked.html#pillar


Webページ更新情報

  • この記事は、以下にも載せました。
    http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/magazine/backnumber/eu082.html
  • 「欧州山情報」のページに 「インターネット上の情報」の項を加え、また 「湖水地方@イングランドの山情報」のページに 「湖水地方関連リンク」の項を加えました。
    http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/info/mountain.html#uk_info
    http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/info/laked.html#summary_links

次回予告

次回は… 「ジョー・ブラウンの一日 (カーバー・エッジ)」

See you later!


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© Masa Sakano


Source URL (modified on 2008-11-30 03:21):http://www.saferclimbing.org/en/magazine/backnumber/eu082.html#comment-0