▲欧州的登山生活▲
△第95号: エル・エスコリアール盟主アバントス山
- 発行日
- 2009/12/31
- 発行者・筆者
- まさ (坂野正明)
まさです。
御無沙汰しています! 某友人からは、発行が少ないと お叱りのクリスマス・カードを頂いてしまうほど……。
山行が減っているわけではないので、ネタはたくさんあるのですが、
書く方の時間の問題です。来年、もう少し時間を見つけていきたいものです。
さて、報道にある通り、欧州には厳しい寒波が押し寄せたクリスマスでした。 僕自身は、これ幸いと湖水地方まで冬山登攀に行ってきました。 イングランドの湖水地方は、スコットランドより緯度が低く また高度も低いため、なかなか冬山登攀の条件が整わないのですが、 寒波のおかげで 12月の早い時期ながら大いに楽しめたものでした。
一方、スコットランドでは特に 12月としては珍しく、雪崩による
死傷者も発生したのも事実です。昨春、僕が下降に使ったルートでした。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/scotland/highlands_and_islands/8434825.stm
英国では日本に比べて降雪量がずっと少ないだけに、 登山者の雪崩に対する備えは甘いというのが僕の認識です
(一方、公的機関による予報は、英国の方がはるかに充実しています)。 今回のような例外的気象状況では、その差が出てくることが
あるのかも知れません。
さて、今回は、昨年秋に行ったスペインの アバントス山の山歩きの記録を主とします。 また、連載していた「岩登り難易度の感覚」の最終回も書きました。 お楽しみ下さい。そしてよいお年をお迎え下さいね。
目次
登山記録編 〜〜 エル・エスコリアール盟主アバントス山 〜〜
再びスペインはエル・エスコリアール(El Escorial)に来る。 マドリードの(約50km)郊外の町。 1年半前の前回、 行くことかなわなかった盟主アバントス(Abantos)山(1763m)に 今度こそ登ろう!
事前に今度こそ地図を……と探してみるも、エル・エスコリアールの 町ではやっぱり見当たらない! 旅行案内所で観光客用の(無料)ハイキングマップを手に入れたので、 それだけを頼りとする……。幸い、(いつもながら!)天気は いいので、ある意味、最高点を目指せばいいだけだから、 比較的楽ではある。ただし、時間的に余裕がないので、 迷っているわけにはいかない。 ずんずん歩いていかなくては!
登山道らしき踏み跡を辿って、登っていく。 登山道はところによっては、必ずしもはっきりしない。 つまりどこでも歩けてしまう。とはいえ、 右手には険しく美しい南稜がずっと見えているので、 目的地ははっきりしているし、上に登ればいいだけ だからそう心配はない。
静かな山歩きを楽しみ、やがて稜線、そして山頂に到着。 山頂には不粋な円柱塔(三角点?)があり、それ以上に不粋な電波アンテナと それに類するものがあって、ちょっと興醒め。日本の多くの山も 似たようなものではあるが。期待通り眺めはいい。エル・エスコリアル方面には霞がかかっている とは言え、町のシンボル、 世界遺産の王立エル・エスコリアル聖ロレンソ修道院 (Monasterio de San Lorenzo El Real 又は Monasterio de El Escorial) がはっきり見通せる。西側には霞の上に青空が広がり いい気分にさせてくれる。
しばし眺望を楽しんだ後、往路(と同じような経路)を辿って 町に引き返し、気持ち良い朝の山行をしめくくったのだった。
△以上、記録の一部。全文および写真は以下に載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/record/uk/20081015_abantos.jis.html
登山ミニ知識編 〜〜 岩登り難易度の感覚 (その六) 〜〜
(第90号「岩登り難易度の感覚 (その五)」からのつづき。)
第90号で解説したように、 岩登りの難易度においては E1 が大きな壁で、その上は E4くらいまでは 比較的スムーズに上達すると見なされています。もちろん、 クライマーが不断の努力を怠らない、という条件つきで。 逆に言えば、E5 が次の壁という点では相当の意見の一致があるという 印象です。僕自身、2009年現在、E4 のオンサイトを狙って いますが……、E5 はまだ手に負えないと自覚しています。実際、 E5になると、セカンドで登るのでさえ僕には大変ですから。
岩場に出かけても、E5 のルートをリードしている人に お目にかかることは稀です。E5 をオンサイトで登れたら地域のヒーローですね。 女性で E5 をリードできたら一流でしょう。 男性でも、もし E5 を確実にオンサイトでリードできるならば、 それは一流の水準と言っていいでしょう。
E5 は、米国式ならば大雑把に 5.12 に相当します。 スポーツクライミングでもこれは大きな目標でしょうし、 まして伝統登攀(トラッド)ならなおさらです。 実際、「How to climb 5.12」(仮訳: 5.12の登り方)という クライミングの(有名な)教科書(@米国)もあるくらいです。
その次の壁は E8 という印象です。 このレベルになると、英国でオンサイトされたのは、まだ数えるほどしか 例がありません。 もしあなたが E8 をオンサイトできたら、雑誌の表紙を飾るでしょう。
そして、E9 がトップクライマーの証です。 E9 になると、二登どころか四登でも五登でも、記録と人々の記憶に 残ります(五登もされた E9 は片手の指に満たないはず)。 E9 のオンサイトは、(英国で)まだひとつか二つ程度だと思います。
2009年末現在の英国最高難易度は E11 ですが、その難易度のルートは 依然 1本
(Rhapsody
)のみです。 ただし、同ルートを初登した Dave MacLeod は、
それよりずっとハードな ルートを 1本(Echo Wall
)初登した後、難易度を与えていないので、 それは潜在的には
E12 でしょうか。ただし、E11 (もしくはそれ以上)のルートは 同氏の登ったその 2本だけですし、第一、E10 の(確定もしくは
ほぼ確実な)ルートも片手の指で数えられるほどしかないので、 この辺はまだまだ不確定なところです。僕のような定命の人間には
夢のまた夢ですが。
△以上、全6回の記事をまとめて、以下に載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/trivia/climbinggrades.html#gradesrockclimbing_sense
Webページ更新情報
- この記事は、以下にも載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/magazine/backnumber/eu095.html
次回予告
次回は… 「雲の上に聳える五雲」
See you later!
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