2005/05/28 Birchen および Chatsworth 登山記録/感想文 (by まさ)
総括
- 山域
- Peak District/Birchen & Chatsworth
- 参加者
- アダム、まさ
- 期間
- 2005/05/28 (日帰り)
Birchen- Sail Buttress/Monument Chimney Crack (14m VD); Leader アダム
- Nelson's Slab/Porthole Buttress (24m S 4a); Leader まさ
- Sentinal Buttress Area/Mort Wall (10m HVS 5a); Leader まさ
- Sentinal Buttress Area/Strangler's Crack & Throttled Groove (10m VD / S 4a); Leader アダム
- Emperor Buttress/Anarchist's Arete (12m VS 4c); Leader まさ
- 天候
- 晴
登山編
この日、朝7時半には発つ予定が…、私が完璧に寝過ごして、9時過ぎの出発となっ てしまった。もともとピーク地方西部の Castle Naze に行こうか、と話してい たところだが、これだけ遅くなってしまったのでは西部はちと遠い。というわけ で、最も近い東部の Birchen(バーチン)と Chatsworth(チャッツワース) に行く ことにする。Birchen は、一年前にアダ ムと来た ことがある。素晴らしい岩場とは言い難いが、低難度のルートが 揃っていてお手軽、というのが私の印象だった。一方、 Chatsworth は、初めて だ。
ウォーミング・アップはアダムのリードで VDiff の Monument Chimney Crack へ。リード、フォローとも、難なくこなす。続いて、僕が、 Severe の Porthole Buttressへ。横にトラバースが入るため、24m と Birchen としては、相当 に長いルートだ。この日は、僕のダブルロープのデビューだったので、ダブルロー プの恩恵を最大限に享受するべくこんなルートをあえて選んだ次第。ダブルなの で、シングルロープに比べると、ドラッグは減るはずだが、それでも、特に垂直 からトラバースに移るところ辺りの影響で、結構なドラッグがあった。DMM の滑 車付カラビナを装備しているのに、使うのを忘れている、という情けない状態…。 ちなみに、ルート中、アイススレッダー(氷壁登攀でアイススレッドを作る時に スリングを引っ張り出してくる道具)が役立ったのも面白かった。ルート自体は、 特に問題はない。ただ、他の二、三の垂直のルートと軌道が交叉するので、混ん でいる時には、登れないだろう。
ここで昼食として、その後、Chatsworth まで歩いて移動。道路からすぐのお手 軽岩場。HVS 5b のルートにチャレンジしようかと思ったのだが、その前に、HVS 5a の Mort Wall に取り付く。下から見ると簡単そうだったが、登ってみると、意外に そうでもない。特に、中間支点が思ったより取りづらい。最初の中間支点は、 DMM ピーナッツで取ることになった。1m ほど上に次の支点をナッツで取る頃に は、ちょっと筋肉が張ってきている。登りかけるが、ちょっと自信が持てず、か つ筋肉疲労がたまってきているので、クライムダウン…あれっ、あるはずのスタ ンスがない…、「張って!」。というわけで墜落。支点がある場所辺りまで降り てきていたので、墜落距離はゼロに近いが…、ショック。墜落するくらいならば、 支点を握って、静過重だけにとどめておくべきだった。そして、この墜落時、最 初のピーナッツが飛んだ。アダムが岩から少し離れて確保していたのも一因か。
少しロープに体重を預けて休んでから、気を取り直して登り直し。パンプさえな ければ、特に問題あるルートではなく、上まで登りきった。しかし、5a のルー トでこれだけ苦労するなら、5b はだめだな、というわけで、またの課題とする。
次はアダム、隣の Strangler's Crack (VD) から、Throttled Groove (S) をリード。前者は、最上部で木の根の間をくぐるような感じに なるので、それを嫌ったアダムは、中間地点で右隣の後者のルートに移った次第。 アダムのリード、私のフォローともスムーズに。
ここで、私は、アダムのセットを利用させてもらって、懸垂下降を。二日後に懸 垂下降を教えることになるだろうから、その予習をしたかったのが一点、また、 比較的最近、Hill & Johnston の本を読んで、優れたバックアップの方法を 知ったので、それを試したかったのが一点。Hill & Johnston の方法は、非 常に優れていることがよく分かった。
最後、逆の端の Emperor Buttress の方に移動して、Anarchist's Arete (12m VS 4c) をリードすることにする。再びダブルロープの出番。途 中のトラバースがなかなか肝が冷え、トラバースが終わっても安定した足場とい うには程遠く、しかもそこから上はさらに難しい…。結局、そこで、支点を三つ 作った上で、ロープに体重を預けて休む羽目になった。VS ルートなのに…。休 んで筋肉疲労を回復させた後では、特に問題なく登れた。
ここは、最上部の確保支点作りにちょっと困った。直径 4cm くらいの木の根に スリングをかけるも、ちょっと信頼できない。あと一点、フレンズしか効かない クラックがあるのみ。足場はしっかりしているので、確保する自分さえ落ちなけ れば問題はないのだが。
フォローのアダムも、僕が支点を三つ作った理由は、登ってみて理解できた、と いうこと。彼はトラバースは私より簡単にクリアしていた。僕が足場に使った場 所を、むしろ手がかりとして使った様子。そう言えば、Shepherds Crag の Ardus で同じような状況だったなぁ… (2003/11 と 2005/02)。僕は、トラバースでは、 手のホールドを足場をして使う傾向があるのだろうか。要注意だ。
今日のダブルロープのデビューは上々だった。まっすぐなルートならともかく、 特に曲がったルートでは、ダブルロープの使いやすさは素晴らしい。シングルロー プなら、少しでもルートが曲がっていると、その影響が覿面に現れる。今日、両 方を使い分けることで、その効果がよく理解できた気がする。
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まさ