副ブログ記事一覧 (社会・科学・その他)

サイディング・スプリング彗星と地球と人類と

2014年10月19日の晩(世界標準時)、サイディング・スプリング彗星 (C/2013 A1)が火星に最接近しました。彗星の核は直径わずか 700メートル、彗星としては極めて小さいものです。しかし、これが特異だったのは、火星に衝突しそうなほどのごく近いところを通ったことです。火星中心からの距離わずか 11万キロメートル、宇宙的にはニアミスもいいところです。人類が知る限りにおいて、火星と彗星の抜群に最接近記録です。

ノーベル物理学賞と青色発光ダイオード(LED)

今年のノーベル物理学賞が発表になりました。 日本人三人(正確には、中村修二さんは米国籍ですが)による受賞です。

近い将来、中村さんのノーベル物理学賞は確実だと 15年前に 僕は思っていたもので、むしろ遅過ぎるくらいでしょう。

今回の受賞理由は、(実用的)青色発光ダイオード(LED)の開発成功でした。 過去三十年間以上で、人類の日常生活にまで 直接の多大な影響を与えた物理学上の成果という意味で、 青色発光ダイオードの開発成功に勝るものはないと思います。 ノーベル物理学賞は確実だと、僕も含めて多くの物理学者や 半導体業界の人々が信じていた所以です。

念のため、「物理学上」が鍵です。たとえば、インターネットの隆盛は 間違いなくそれ以上の影響を与えていましょうが、それは明らかに 「物理学」ではありません。GPSも、あるいは計算機(コンピューター)の進化も、 工学の成果であって、物理学ではありません。 もっとも、青色発光ダイオードの開発が物理学と言えるかどうか、 という疑問の声は聞きました。 確かに化学や工学と重なる部分なので、それは一理あると思います。

以下、背景と僕の聞き知るところをちょっと解説します。

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独立が住民投票で否決されたスコットランド

予定通り、スコットランド独立を問う住民投票が行われました。 そこで、現地、蘇格蘭から続報です。

報道の通り、僅差ながら現状維持派(=[独立に]No)が独立派(Yes)を上回る 結果となりました。

投票率 85%! 先進国の全国選挙としては驚異的です。 英国の全国投票としては 1928年に女性へ選挙権を与えるかどうかが 争点になった選挙以来の高投票率だったそうです。 日本の特に参議院だと 50% を切ることもあることに比べれば、 大変高い投票率です。

スコットランドの人口は日本の十分の一未満だから単純比較は 不公平とは言え。

今回、半年前の時点では、現状維持派がずっと多かったところ、 選挙日が近づくにつれて独立派が猛烈な追い上げをかけて、結果は 蓋を開けてみるまで分からない、と言われました。実際、世論調査に よっては、独立派が現状維持派を僅かに上回る、という結果が報道された こともありました(選挙日の 10日前)。

世論調査の推移は、例えば以下

スコットランドの歴史

スコットランド独立問題に関係して、スコットランドが世界中で話題になっています。 そこで、背景となるスコットランドの歴史をまとめてみました。

ローマ時代からノルマン征服まで

ブリテン島が歴史の表舞台に登場するのは、 紀元一世紀(43年)にローマ人が侵略開始して統治してからです。 それ以前はケルト人の土地でした。ちなみに、有名な世界遺産 ストーンヘンジは、欧州本土からケルト人がやってくる以前、 先住民によって建設されたもの、というのが定説のようです。

当時、ローマ人がバース(Bath)村に建設した温泉が、現在の英語の bath (風呂)の語源です。あるいは、英国の地名で、"c(h)ester"が 語尾につくもの、たとえば、マンチェスター(Manchester)、 ウスター(Worcester)、レスター(Leicester)は、当時由来です。

スコットランド独立を問う住民投票を間近にして

今、 スコットランドで、イギリス国からの独立を問う住民投票が 間近に迫っています(投票日は 2014/9/18)。 スコットランドにいると、当然、その雰囲気をひしひしと感じます。

以下、解説と浅見を書いてみました。
半ば旅行ガイドの雰囲気になっています。お気軽にお読み下さいな。 そして、よろしかったら美しきスコットランドに是非お越しあれ!


英国の中のスコットランド

英国(イギリス国)の正式名称は 「グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国 (The United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)」 です。グレートブリテン島の北部全体、面積にして島の三分の一ほどが スコットランドです。一方、(コーンウォール地方から海峡を隔てた 北側の)同島南西部の面積にして十分の一ほどがウェールズで、 残りがイングランドです。

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