2005/01/14 Lawrencefield (ピーク地方) 登山記録/感想文 (by まさ)
[Japanese / English]
Summary
- 山域
- Peak District/Lawrencefield
- 参加者
- アダム、まさ
- 期間
- 2006/01/14 (日帰り)
Lawrencefield- The Pool/Great Harry (22m VS 4c); Leader Masa
- Gingerbread Slab/Snail Crack (18m VD); Leader Adam
- 天候
- 曇
登山編
今年の岩登り初め、ローレンスフィールドにやってくる。 天候が必ずしも芳しくなさそう、ということで、アダムの希望で。 アダムは、ここで有名な Three Tree Climb を登れるものなら挑戦したい、 という野望もあるようで。そうこなくちゃ!
実は、今日は雨は(降りそうで)降っていないのだが……、昨日から早朝の雨の 結果、岩がかなり濡れている。そして、ローレンスフィールドは、風から 守られている岩場、つまり……一旦濡れたら乾きにくい。色々見て回った 結果、クラックを登る Great Harry (VS 4c) が一番乾いていて登れそう、という結論になった。
今日は、実は、僕にとって、クリスマス前に入手したクラッシュ・パッド(ボル ダリング・マット)のデビューでもある。ボルダリングにはさして興味ない 僕だが、クラッシュ・パッドは、最初の数メートルを守ってくれるのが大きい。 クライミングで、足首を骨折した人のどれだけの割合がクラッシュ・パッド があったら……と後悔していることか、という記事を読んで以来、 機会を窺っていたもので、ようやく手に入れた。たった 2メートルでも、 変な岩の上に落ちたら、大怪我することはあり得るのだから、理に かなっている。
そして、僕のリード、クラッシュパッドの上でスタート。ブリッジと ジャミングで登るが……、どうも滑りやすい。完全に乾いているわけでもなく。 プロテクションは問題ないが。あろうことか、最初のフレンズを極めた後、 すぐ上で、足を滑らせて落ちてしまった……。がーーん! フレンズがちゃんと 止めてくれたからよかったものだが、もし唯一の中間支点が外れたら……と 思うと、下にクラッシュパッドがあるのが、どれほど心強かったことか! 素晴らしい!
フレンズまで登り返す間にまた足を滑らせたのは御愛敬、あとは、多少苦労 はしながらも特に問題なく、上まで登り切る。少なくともこのコンディションで は、スタートが一番嫌らしかった。乾いていたら、もっと気持ちいいルート だっただろう。
問題は、上で、適当な確保支点が見当たらないこと! 20m ほど向こうに 独立岩が見えるくらいで。5m ほど横、2mほど下ったところの木を主確保支点 とする。しかし、万一それで落ちると、5m 落ちることになるわけで、 それは困る。主確保支点から確保地点までロープを張る真ん中に、 一応、二つ支点を取っておくが……、残念ながら絶対の自信が持てる 代物ではない。確保地点に丸い岩があったので、それに最太のナイロン・テープ スリングを巻いて、実質はそれを主確保支点とする。恐ろしく心もとない ので、荷重をかけたくない……。つまり、自分の足でちゃんと突っ張 って、自分の体で止めるのを第一にしておく、ということだ。 半直接確保(semi-direct belay)などとんでもない。 加えて、その場所に、岩に指をかけられる部分があったので、そこに フック(スカイフック、クリフハンガーの類)をかけて、バックアップと しておく。「極論」すれば、枯木も山の賑わい的ではあるが。とにかく、 動荷重をかけないよう気を配って、確保開始。アダム、待たせた!
(RockFax のデータベースのコメント によれば、昔は、金属棒が適当なところに立っていて、確保に使えたものが、今は それが無くなっている、ということ。確保が難しいわけだ。)
そして、アダム、実は落ちまくってくれた。僕が落ちたところの前後 だけでなく、その上でも。総計、何度落ちたか覚えてないくらい。 いやはや、突っ張る足が疲れた、というものだ。かなり難しかったらしい。 今日は、コンディションが最高にはほど遠いから、それもあるだろう。
そのエリアには、簡単なルートもあるにはあるが、結構、濡れている。 というわけで、場所を移して、こちらはほぼ十分に乾いた VD の Snail Crack をアダムがリード。 僕は、上部は昨年の 5月に登ったことがある。 僕がフレンズの提供を申し出たのだが、VDiff だからいいよ、その方が 面白いから、と断るアダム。 実際、フレンズがなくても、山のように中間支点を取って登っていた。 僕は登山靴で問題なくフォロー。
今日はここでお開き。最高とは言い難いが、こんな日もあるでしょう。
ところで、最後に、アダムが上まで登り切って、確保支点を作った後、確保の僕 が、壁から 2、3メートルほど後ずさった。そこでアダムがロープを張ったところ……、 下部の 5個(!)の中間支点が外れて、ぬんちゃくと共に僕に襲いかかってきた! いや、襲いかかられるのはいいのだが、5個(!)も一気に外れるとは! まさに 教科書通り。確保者はできるだけ崖近くに立つべし、という教訓を実感 できたのだった。
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まさ