Peak District/Stanage Edge 2001/10/16

山域: Peak District/Stanage Edge
目的: Climbing
日時: 2001/10/16 (日帰り)
参加者(ULMC): ジョン・クラックネル(CL)、ロブ、トム、クレール、ガス、坂野 正明、他 (計14名)
天候: 霧時々霧雨

行ってきました、初めての英国でのクライミング! 実に5カ月ぶりの山行。 場所は有名な Stanage Edge! 高さ 10m〜20m、幅200mくらい(?)の石灰岩壁に 走る横リスと縦クラック --- 写真の光景そのままが広がっていた。そして、 噂通り見事にボルトやピトンがない。実際、この日、一本も見かけなかった。 終了点も、上部の岩に、自分でロープやスリングをかけて、プロテクション。 端の方では、ルーフにチャレンジしているボルダラーも見かけた。

今日は、レスター大学山岳部14人でマイクロバスで乗りつけて、数組に分か れてクライミング。一日中、濃い霧で、時に霧雨に変わる天候だったが、 英国の秋としては、まともに雨が降らなかった分だけ、ましかも知れない。 岩が濡れてておまけにところどころ薄く苔がついてて、チョークが 必需品だった。

私のグループは、トム(リーダー)、クレール、ガス、私の4人。Narrow Buttress area付近で登る。トムは、人口壁では、(トップロープで) ジムナスティックにあっという間に登っていく印象的なクライミングだった。 そんな彼が、このナチュラル・プロテクション・ルートでどんなクライミング をするのか興味津々だった。彼はボルトクライミングはやったことがない、 と言っていたし(さすが!)、十分な経験があるはずだ。そんな彼の装備は、 数々のナッツとヘキセントリックとのみで、フレンズなどの可動式カム・チョック 類がない…。

最初のルートは、下部がクラック、上部がフェイスの15mほど。 リードのトムは、さすがに慎重な(普通の?)クライミング。クラック部の 核心とフェイス部の核心とでちょっと苦労していた。私に登れるだろうか。 クレール、ガスは、クラック部をレイ・バックで苦労して突破。 3mくらいあって、レイ・バックだとかなり消耗のよう。というわけで、 私は、トムの見よう見まねでフット・ジャムからレッグ・ジャムで 登ってみる --- おぉ、あっさり登れたではないか。

2本目は、隣のロブが張ったロープで皆でトップロープクライミング。ルートは、 上部がかぶり気味のフェイス。…登れそうな気がしない。予想通り、かなり ロープにぶら下がる羽目になった。核心の最後、20cmのランジに3回目にして ようやく成功、必死でマントルを返して、何とかクリア。ロープに散々体重を 預けていたので、とても登れたとは言えない2本目だった。リードのロブを 評してクレール曰く「brave(勇敢)ね」と。ロブに感想を尋ねてみると、 「いやぁ、トリッキーだったねぇ」と満足げの様子だった。

3本目は、再びトムのリードでクラックを。トムは、クラックを表壁を自在に 使って、鮮やかに登っていく。私は、クレールに見倣い、手を腕を足を体を クラックに突っ込んで、ジャムジャムと体をせり上げていく。ほとんど 初めての体験。ジャミングが極ると、下手なスタンスに立つよりずっと 安心感があるのは、新鮮な発見だった。楽にレストできるし。最後に フェイスに出て心地よくフィニッシュ。

この時点で、靴紐を結ぶのが辛いくらい腕はパンプしていたのだが…、 無謀にも(?)、4本目、チムニールートにチャレンジ。使う筋肉が違うので、 楽に登れてしまった。うーん、クラックって楽しいねぇ!

今日のルートをトポで見るとどうも判然としない。リードしたトムに 訊いても、うーん、どれかねぇ、という御返事。あんまり気にしていない らしい。ボルトの制約がない分、どこにでも自在にルートが取れるためか。 最難の2本目は、どうやら HVS 5a のようだ。そんなに低いの、とちょっと びっくり。私よりあと30cmリーチがあれば(---英国人にとっては普通)、 そうなるのかも知れない、と自分を納得させることにする。

何はともあれ、クライミングを存分に楽しめた一日であった。満足! 因みに、最も怖かったのは、視界200mの霧の中、時速100kmを優に超える 速度でマイクロバスをかっ飛ばす"brave"ロブの運転だった。

(坂野 正明)