2005/04/23 Roaches および Hen Cloud 登山記録/感想文 (by まさ)



総括

山域
Peak District/Roaches & Hen Cloud
参加者
アダム、まさ
期間
2005/04/23 (日帰り)
Roaches/Lower Tier
  1. Thin Air/Sifta's Quid (10m HS 4b); Leader アダム→まさ
  2. Thin Air/Captain Lethargy (8m HVD); Leader アダム
  3. Thin Air/Rocking Stone Gully (8m HVD); Leader まさ
Hen Cloud
  1. Central Climb Area/Central Climb (34m VS (14m 4b, 14m 4c, 10m 3c); Leader まさ
天候

登山編

アダムの奥さんが朝から仕事ということで、ノンイートンまで奥さんを車で送っ て、その足でそのままピーク地方西部へ向かう。Roaches、そしてその隣の Hen Cloud が目的地だ。雨が降る、という予報だったので、ウォーキング靴も持って きたのだが…、結果的には、日が暮れるまで一滴も降ることなく、むしろ陽が射 す素晴らしい天気の中での岩登りとなった。

まずは、Roaches の中でも道に近い Lower Tier で腕慣らし。スカウトか何かのグループが集団で登っている。便利な 場所だからなぁ。さて、アダムのリードで開始。Sifta's Quid (10m HS 4b) または、そのバリエーションの Sifta's Quid Inside Route (10m S 3a)。アダムは、最初のフェース部の核心では、 左に逃げて、つまり、バリエーションの方に行った。そして、核心部。バリエー ションの方は、かなり窮屈なチムニーで気乗りしない様子。クラックを攻める が…、どうも難しいようだ。結局、降りてきて、リードを交替。確かに、核心部 は難しい。支点がいいのは救いだが。クラックに右手でハンドジャムを極めよう とするも…、いまいちうまくいかない。あと、20cm リーチがあれば、よさげな ホールドに手が届く、つまり標準的な英国人なら問題なさそうだが…、僕には 無理な話。下から確保しながら見ていた時は、フェイスの方を登れば…、と 思ったものだが、そのスラブはスラブで難しく、自信が持てない。かなり時間を 使った後、最後、テープを手に巻いて、右手でなく左手でフィストジャムを試み ると、これがばっちりだった。全身の体重を預けることができて、クリアできた。 あと 20cm リーチがあれば、4b かも知れないが…、僕は 5b のように感じた。

その後は、その隣の Captain LethargyRocking Stone Gully とを軽く交替でリード。これ、簡単すぎるよ、とアダム。前の ルートが HS でこれが HVD? それは冗談っぽい。

ついで、Hen Cloud まで歩いて場所を移す。ピーク地方には珍しく、マルチ・ピッチが楽 しめる場所だ。なかなか楽しそう。僕の希望で、目玉のひとつ Central Climb を僕のリードで登ることに。相対的に易しい 三ピッチ目をアダムがリードということにする。人気 ルートだけあって、同ルートには先客がいたが、 Hen Cloud 全体 では人の数は数えるほどしかいない。こんなにいい天気なのに。

一ピッチ目、ジャミングとフェイスとグルーブとの組み合わせ。体をクラックに 入れ込んだ後、その体を抜いてフェイスに移るところで少し苦労したが、まぁ、 そんなものだろう。確保点はしっかりと安定している。二ピッチ目、核心。 2度降りたが、ムーブを確認して3度目で越える。広いオフ・ウイドゥスのクラック とフェイスの組み合わせ。悪くない。ここで後続が追い付いてきたが、追い立て られるというわけでもなく、アダムがフォローしてくる。

さて、三ピッチ目、アダムのリード。レッジからすぐ右斜め上に走るクラックの ルートを登るが…、どうもクラックに入ってすぐが難しそう。だいぶん苦労した 後、結局、降りてきて、リードを交替した。確かに 3c とは思えない、4b くら いに感じる。とは言え、特に問題なく越えて、上までフィニッシュ。すばらしい 景観を愉しむ。Hen Cloud の取り付き自体、ちょっと高度があるので、上からの 眺望は最高だ。

下に降りた後、疑問に思ったか、アダムがトポを確認すると…、三ピッチ目に僕 らが登ったルートは、本来の 3c でもその右横の 4b でもなく、そのさらに右横 だということが分かった。しびれを切らした後続が登っていった左隣のルートが ガイドにある 4b だった。レッジから 2, 3m 直登した後、斜めにいくべきだった のだ。どおりで難しかったわけだ。申し訳ない、アダム。

今日の Hen Cloud の岩登りは、今までのピーク地方の岩登りの中で、僕にとっては最高 のものとなった。景観、高度感がすばらしい。アダムも大いに気に入ったようで、 また来たいね、と話し合ったものだった。今日は、岩登り的には、アダムには不 本意な結果だっただろうから、それでも楽しめた、ということで、ほっとしたの だった。


情報編

Roaches (Lower Tier) から Hen Cloud へは(あるいはその逆)、直接歩いて行け る。ガイドには、一旦公道に出るような記述があったが、その必要はなく、 Public Footpath と思われる道がある。

Roaches/Lower Tier の方は、多少、風に当たったのだが、 Hen Cloud は、見事 なくらい、風がなかった。無論、崖の最上部は別だが。うまく陰になっているよ うだ。ただし、Hen Cloud には遮るものがないので、風の方向が悪ければ、まと もに当たることになりそうだ。


この文書の先頭へ戻る
「英国での登山的生活」へ戻る
トップへ戻る


まさ