[Japanese / English]
Summary
- 山域
- North Wales/Snowdonia/Ogwen/Glyders
- 参加者
- ジョン・S、ベン・H、ベン・W、トム・M、ニック・R、エルスペス、スティーブ・E、スティーブン、ジェマー、ジョン・M、ライナス、キーナ、ニール、グレイアム、アダム、サイモン、ダニエル、まさ
- 期間
- 2005/10/28--30 (二泊三日)
- 2005/10/28 Leicester ...(車)... Dol-Gam campsite (幕営)
- 2005/10/29 天場 ... (車) ... Gwern Gof Uchaf
... Tryfan Fach ... 往路帰る
At Tryfan Fach
- Little Tryfan Arête (240f D); Leader まさ, 2nd ニール、キーナ
- Crack 1 (240f D); Leader まさ, 2nd ニール (move together)
- 2005/10/30 天場 ... (車) ... Idwal Cottage 駐車場 ... Y Garn ... Devil's Kitchen ... 駐車場 ...(車)... Beacon 人口壁 ... Leicester
- 宿泊
- 幕営 (@Dol-Gam campsite)
- 天候
-
- 2005/10/28 曇時々雨
- 2005/10/29 雨後曇後雨
- 2005/10/30 雨後曇
登山編
山岳部の今期の山行に初参加する。 北ウェールズはグリデール。昨年の 12月にも来たし、ついこの 8月にも来た ところ。ちょっと「グリデール」づいているこの頃? 今回、ちょっと天候が 思わしくなさそうなのが残念。なんとかもってくれるといいのだけど……。
10/28
Capel Curig のそばの Dol-Gam天場着。天幕を張ってからパブへ。
10/29
例によって、皆、起きるのは遅い。天場を発つのは 10:30。
「もうお昼前やない?! なんて遅いの、もうっ。」
とキーナがぼそっとつぶやく。いたく同感。
必然的に行ける場所も限られる。多勢は、Tryfan Fach (Little Tryfan; トレヴァン・ヴァッホ)でのマルチピッチの岩登りへ。一部はトレヴァン へのスクランブリングへ。Tryfan Fach は易しい(最難のルートで Severe)マルチピッチ(最大 3ピッチ)の岩登りで、山岳部の定番。たとえば ライナスとかは何度も来たことあるはずで、ちょっと物足りないところ だろう。だから、歩登攀へ行きたくなる気持ちはよく分かる。 ちなみに、ジョン・M は、カルネーズ(Carnedd)に一人で山歩きに行った そうだ。カルネーズは、北ウェールズ(とイングランド)で四座だけある 1000m峰。ジョン・M としては、この機会に登っておきたかったようだ。 僕自身は、一昨日に人口壁のボルダリングで足首を少し捻ったので、 今日は大事をとって、岩登りの方にする。僕自身は、Tryfan Fach を登った ことはないし。
三々五々とペアを組んで岩登りへ。僕はキーナとニールとをリードすることに。 キーナは、1年前の湖水地方で僕がマルチピッチをリードして、それが彼女の マルチピッチ初体験だった。今日はニールがマルチピッチ初体験だ。キーナは セカンドなら E3 くらいまでは行けそうだし、ニールも Severe までなら全然 問題ないだろう。今にも雨が降りそうな天気の今日、岩登りそのものよりも、 ロープワークの練習を主体に置くことにする。
一番左手のアレットを登ることにする。3ピッチの Diff。 濡れて苔むした取り付き。ニールに言われた 「前もそうだったけど、 岩場の中で一番緑ぃ(green)なルートに行くんですね(笑)」。
ここの苔むし方はちょっと厳しくて、摩擦に自信が持てない。結局、 中間支点を一つは取ったものの、それを外して降りて、右横からアレットまで 登り、そのままアレットを少し登って後続を確保した(マジックプレートで もって、後続二人同時に確保できるのが嬉しい)。キーナは、ニールが 中間支点を外した後、トップロープ状態で最初の「緑ぃ」取付きにつける 状態だったが……、やっぱり滑りやす過ぎるようで、隣から登り直してきた。
この 3ピッチのルート、60m のロープでピッチを切らずに 登ることもできようし、逆に、その気になれば、およそどこでも確保できる。 今回はロープワーク訓練に主眼を置くという意味で、僕は結局、4ピッチ 切った。色々な確保支点の作り方などを教えつつ。
ルート自体は、アレットの方に行けば、高度感あるいいルートだ。ただし、 そうすると、中間支点は取りにくくなる。でも、いつでも右の内側に逃げられる (し、そこで中間支点を取れる)ので、シビアさはない。まぁ、「それなり」の ルートと言おうか。
4ピッチ終えて、上に着く頃には、小雨が降り始めた。キーナ曰く、「なんか マルチピッチって複雑で大変ねぇ。私は、もっと気楽な方が趣味かなぁ」。 うーん、なるほどね。その辺は人それぞれでしょうからねぇ。実際、キーナは ボルダリングが好きで、体を使ったクライミングのムーブ自体をこそ一番 楽しんでいる様子はあるから。
小雨が降り始めたことで、皆のクライミング熱も下がってきている。 無理もないが……、せっかくウェールズなんだから、と、僕はニールを 誘って、二人で岩場の真ん中のクラックを速攻で登ることにする。最初の 登攀は思いっきり時間をかけたので、今回は、コンテでぶっ飛ばすことにして。 ミニバスまで帰り始めた大勢を後目に、登攀開始。「もうすぐ帰るからね(速く 登ってね)。」と言うキャプテンのジョンの目が、本当にそんなに(言うほど)速く 登ってくれるかなぁ、と語っている。まぁ、見ていなさい。
コンテで登るのは、普通のスタカットよりはるかに速いのは道理。 隣でまだしぶとく登っている先発組 2組をあっと言う間に抜き去り、 ほどなくして登り切った。なかなか楽しい、快調な登攀だった。 今回、ロープが伸び切ったあたりで、登高器(Petzl の Croll)を逆に セットする、というコンテの「常道」を初めて試してみた。一度は 失敗したが(上向きの力の強さを見誤った)、セットし直すと、うまく いった。またひとつ勉強できた!
岩場の下に降りた頃になると、雨足が強くなってきた。そそくさと 荷物をまとめて、ミニバスに着いた頃には、本降りになっていた。 いやぁ、よかった、間に合った。そして、ジョン、「おぉ、本当に 速かったねぇ!」と感心の様子。そう、それがコンテなんですよ、ジョン君。
10/30
今日は、朝から強風と雨。大勢は、街の方の人工壁に行くという。
人工壁? 冗談やない! 北ウェールズくんだりまできて、何が哀しくて 人工壁なんかで時間を潰さなくてはいけない? それくらいなら、俺は一人で 山歩きに行くよ、昨日のジョン・M のように、と言っていたところ、 同志発見、ベン・H が Y Garn に行きたいと言い出した。すばらしい! 彼は自家用車で来ているので、足もできたことになる。グレアムも誘って、 3人で、皆に別れを告げて、山に向かう。
ベン・H は、僕と全く同じことを言って愚痴っていた。何が哀しくて、と。 「Be hardcore! (硬派たれ)」と意気高い。そうこなくちゃ!
Ogwen Cottage の駐車場から Y Garn への山道は、かなりポピュラーな径の はずだが、すぐ人がいなくなり、僕らだけになった。この強風と雨とに おそれをなしたかな? この静寂がいい。「Be hardcore!」「おぉー!」
風は強いとは言え、危険を感じるほどではない。道に危なっかしいところも なく、また、そう遠い道のりでもない(それで「硬派」たり得るのか? — まぁ、「なんちゃって硬派」程度には(笑))。じきに、頂上に着く。 握手を交わして、石積みの中で風を避けてしばし休憩。
下山すべく、石積みの場から出た途端、風に飛ばされて僕は尻餅をついて しまった。あら、油断大敵。でも大したことはない。慎重に下れば。
稜線から離れると途端に風が弱くなった。ルートの違いもあるのだろう(行きとは 違う下山路を選んでいる)。あとは気楽に下まで下るだけ。荒天の中、 なかなかに楽しく、僕としては満足の行く山歩きの一日だった。
ちなみにこの日、昨日初めて購入した噂の魔法の衣「ソフトシェル」の デビュー戦だった。定義通り、ソフトシェルを肌にじかに来る一層だけの着方で。 これだけの風雨だと厳しいかな、と思いきや、案外、大丈夫、濡れることも なかった。そして、強風にも寒くない! 撥水防風加工おそるべし! いたく感心したのだった。魔法の衣の看板はそれなりか?!
タイム・テーブル
時刻 | 行動 | 高度(m) | 温度 (℃) |
歩数 (複歩) |
|
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計器 | 地図 | ||||
10/30 の行動記録のみ、GMT に沿っている (10/30 の早朝に夏時間(BST)から普通の時間に戻ったため) | |||||
表注: 高度の表記で (s) は高度計をその高度にセット。 なお、高度計は、腕時計(Silva/Alta)を使用。温度の in/out は、それぞれ 室内(テント内)気温と外気温(省略時も)。歩数は、その前の項目からの歩数(複歩)。 |
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2005/10/28 (Leicester → Dol-Gam campsite (天場)) |
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19:00 | レスター発 | ||||
24:50 | 就寝 | ||||
2005/10/29 (天場 → Tryfan Fach → 天場) |
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06:45 | 起床 | ||||
08:00 | 天場 | 12 | |||
10:30 | 天場発 | ||||
Tryfan Fach | |||||
17:00 | 駐車場発 | ||||
24:15 | 就寝 | ||||
2005/10/30 (天場 → Idwal Cottage 駐車場 → (北東稜線一般道経由) → Y Garn → Devil's Kitchen → 駐車場 → Llanberith → 帰路) |
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07:30 | 起床 | ||||
09:00 | 天場 | 15(out) | |||
11:20 | Idwal駐車場 | 300(s) | |||
12:00 | 5分休 | ||||
12:36 | 稜線 | 938 | |||
12:45 | Y Garn山頂 (15分休) |
955 | 947 | 8 | |
13:29 | Devil's Kitchen | 720 | |||
14:25 | Idwal駐車場 | 293 | |||
14:40 | 13 |
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