2006/02/11--13 ヨークシャー地方登山記録/感想文 (by まさ)

[Japanese / English]



Summary

山域
Yorkshiredale/Hutton Roof Crags, Yorkshire/Almscliff
参加者
ジョン・S、ドム、ベン・H、ベン・W、ベン・H・S、トム・M、エルスペス、ジョン・M、トビー、アダム・H、ニール、キャサリン・T、ジェームズ、アレン、デビッド、まさ (ULMC)
期間
2006/02/11--2006/02/13 (2泊3日)
  • 2006/02/11 Leicester ...(車)... Hut
  • 2006/02/12 Hut ... (車) ... Hutton Roof Crags ... Hut
  • 2006/02/13 Hut ... (車) ... Almscliff ... (車) ... Leicester
宿泊
Yorkshire Ramblers Club Lowstern Hut
天候
  • 2006/02/11 曇
  • 2006/02/12 曇後雨
  • 2006/02/13 雨

登山編

今回、初めて、ヨークシャーデール(Yorkshiredale)へ来る。 山岳部の山行として。山岳部の毎年の定番山行の中で、僕が なぜか縁がない地域が二つあって、ひとつがペンブローク(Penbroke)、 もうひとつがこのヨークシャーデールだった。というわけで、今回、 楽しみにしていたものだ。

実は、ヨークシャーデールと一口に言ってもかなり広い領域を指す。 今回は、(移動日の後の)初日は、その中の石灰岩地帯で岩登り、 翌日は、ヨークシャーデールから離れて、ヨークシャーのグリット石地帯で 岩登りとなった。

02/11

晩の長距離運転。湖水地方よりは近いが、ピーク地方よりはずっと遠い。 僕は 24時40分就寝。

02/12

どんよりとした天気で、かなり冷える今日、 南カンブリアン石灰岩地帯の岩場のひとつ、ハットン・ルーフ・クラッグズに 行く。10(8?)メートルに満たない高さの石灰岩の岩場が横に広がり、 特に低難度のルートが豊富にある。 ドムらは早速ボルダリング(ハイボルダーを含む)に精を出しているが、 冷えるだけに、僕の動きは爬虫類と化している……。

それでもボルダリング・マットを生かして、実質ハイボルダーの Severe を ひとつソロで登った後、ドムがリードした Belize (VS 5a) をフォロー。 そして、場所を移して、Medusa (VS 5a) をソロ(ハイ・ボルダー)で登った 後、いよいよ今日のメインと決めていた Cyclops (HVS 6a)。3メートル上の 大きなルーフが核心だろう。 ジョン・S は前回来た時に何とか登って、今日はすでにソロで登った という(そう高さはないので、ハイボルダーで登れる。特に核心部の高さは 知れているので、ボルダリング・マットさえあれば比較的安心)。

ギアを背負って登ろうかとしていたら、ジョン・S に、とりあえずボルダリング で様子を見てみたら、と言われる。ごもっとも。マットの上に 落ちるなら、余計な金属が腰の周りにないほうがいい。というわけで 登り始めるも……難しく、そもそも核心の前までも登れない!

ドムも加わって、ジョン・S の見る中、二人で何度も試すが、難しい……。 ジョン・S が、こうやって登るんだよ、と見せてくれたのはいいが、 そんな高いホールド、僕にゃ、どうやっても届かんよ! グリット石なら 誤魔化しようも色々ありそうなものだが、石灰岩の場合、決定的なホールドに 手が届かなければ、工夫の余地が少ない……。

結局、ドムは何とか最後に登り切ったが、僕は諦めることとなった……。 うーむ、無念。次の時への宿題としよう。

気温は相変わらず冷たいが、この頃になると、爬虫類だった僕もようやく 乗ってきた。ニールを供に、あと二つルートをリードして、お開きとした。 そして、残念ながら雨足が強くなってきたので、引き上げとする。 石灰岩で雨に降られたら、どうしようもないし。

石灰岩は、色々ポケットがあって、中間支点の取り用が面白いとか、 特徴はあるが……、背が低くリーチがない僕には、グレードがそのまま 受け取りづらい気がする。

ここ、ハットン・ルーフ・クラッグズに関しては、もうひとつアピール する点がない気がした。ただし、どこからでもすぐ下れるから、初心者の 練習には最適だろう。

02/13

今日は昨日よりは暖かい……が、朝から小雨が断続的に降っている。 こんな状態では石灰岩はだめ、ということで、グリット石地帯へ向かう。 リーズの北にあるアルムズクリフ(Almscliff; GR268490)へ。後で聞いたところでは、 ヨークシャーのグリット石地帯の中では最も有名な岩場のようだ。 実際、僕らの持つガイド本には、その本唯一(!)の四つ星ルートがここにある。 今日も、ある人がそのルートを登ろうとしていたが、濡れた岩に途中、 落ちたようで、そのまま撤退してきていた。今日はそういう日ではない、 ということだろう。

当然(?)、この雨の中では、皆の出足もかなり鈍い。大半はボルダリングへと 向かうが、トビーとアレンとはクライミングに行く、ということなので、 僕も寄せてもらう。トビー曰く、「屋内ならボルダリングもいいんだけどね、 外に来たら、ボルダリングはする気がしなくて。やっぱりクライミングしたくて。」 完全に同感。

トビーには、昨年のトリドン で一緒し、また、昨夏のアルプス山行で は、アルジェンチエールでばったり出会って(お互い)びっくりしたものだった (トビーも僕とは別の日程でアルパイン・クライミング講習会に参加していた)。 ただ、今まで(屋内以外で)ザイルを組んだ経験はなかったと思う。 今日見ていて、さすがに確固たる経験が感じられて頼もしい。 トビーの選んだルートは、Diff、雨の中とは言え、余裕でリードを終える。

次いで、僕がリードする。High Man の端の洞穴からスタートする Diff の ルート、Cup and Saucer。下から見る限り、なかなか高度感があって楽し そうなのだった。こんな日なので、登山靴で、かつ皮手袋で登り始めるが……、 すぐに手袋は捨てることになってしまった。おまけに、洞穴の上部に出るところで 落ちてしまう、というだらしないことに……。(あまり信用していなかった!)ナッツ ひとつで止まった。下にボルダリング・マットがあるのが安心感を高める。

さらに、最上部のスラブがこのコンディション(と登山靴)ではちょっと怖かった。 とは言え、所詮 Diff、多少手こずりながらも登り切った。確保していたトビーは フォローはせず(時間かかったからうんざりしたかなぁ?)、新人アレンが登ってきた。 もちろん、クライミングシューズでだが、相当てこずり、ちょっと怖い思いも して、随分と楽しんだようだ。丁度彼のレベルにあっていたのだろう。何より。

ただ、アレンが途中でスリングを一つ回収し忘れてきてくれたおかげで、僕は その後、懸垂してスリングを回収して、もう一度(一般道で)登り直して 上の確保支点を回収して、と面倒なことになってしまった。初心者には 任せられないから仕方ない。

この頃になると、雨足がかなり強くなってきていて、ボルダリング組も 引き上げにかかっていた。実は、ボルダリングもとうに諦めて、バスで 寝転がっていた人も相当数いたそうな。まぁ、この天気ではそんなものかも。 英国ですな。


生活編

今回泊まった小屋は、 Yorkshire Ramblers Club Lowstern Hut。 名前の通り、「丘歩き」の人々のクラブかと思いきや、実はかなり 活発で、ケイビング(洞窟探検)やクライミングでも知られている クラブのようだ。実際、小屋には、ケイビングから帰ってきた人が (濡れて泥で汚れたまま)入るための専用部屋まで備わっている。 小屋の真ん前まで車で乗り付けられるので、 駐車場から徒歩ゼロ分。

台所、暖炉のある広い居間など近代的な設備がしっかり整っていて、 心地よい小屋だった。僕が今まで泊まった中で最高の小屋は、 ボジグラン(Bosigran)の The Count House hut、次点が フロガット・エッジ(Froggatt Edge)の脇にある小屋だが (奇しくも、いずれも 2002年の 2月に訪れている (ボジグランフロガット))、 この小屋はフロガットの小屋に匹敵する快適さだった。 今回のようなどんよりとした天気の後では、快適な小屋はありがたいものだった。


タイム・テーブル

2006/02/11-13 Yorkshiredale 山行タイム・テーブル
時刻 行動 高度(m) (計器|地図) 温度(℃) 歩数(複歩)
2006/02/11
(Leicester → Yorkshire Ramblers Club Lowstern Hut)
18:00 Leicester発
24:40 就寝
2006/02/12
(Hut → Hutton Roof Crags → Hut)
07:30 起床
08:15 4
08:30
09:10 駐車場
09:15 Crag 2
11:30 0
15:30 Crag発
23:00 就寝 106
2006/02/13
(Hut → Almscliff → Leicester)
07:20 起床
08:30 10
09:05
10:30 Almscliff 8
15:00過 Almscliff発
Pub に寄る
16:30 Pub発
M1で大渋滞
19:30 Leicester

表注:
高度の表記で (s) は高度計をその高度にセット。 なお、高度計は、腕時計(Silva/Alta)を使用。歩数は、その前の 項目からの歩数(複歩)。


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まさ