2007/08/18 Stanage Edge (ピーク地方) 登山記録/感想文 (by まさ)

[Japanese / English]



総括

山域
Peak District/Stanage Edge
参加者
松ちゃん、まさ
期間
2007/08/18 (日帰り)
Stanage Edge/Popular
  1. Inverted V (Area)/Bishop's Route (26m S 4a); Leader 松ちゃん, 2nd まさ
  2. Inverted V (Area)/Inverted V (22m VS 4b); Leader 松ちゃん, 2nd まさ
天候
曇後雨

登山編

金曜日、松ちゃんからメイルが入った。 曰く、今マンチェスターにいて、週末時間があるんだけど会えないか、と。 それはそれはまた突然な話で (^^;

松ちゃんは、僕が日本にいた時の山岳会にほぼ入れ違いに入った方で、 その関係で面識はあるし屋内で一緒に登った記憶もあるが、外に登山に 行ったことはなかったはず。でも、岩登りはもちろんヨセミテから冬山まで ばりばりこなす、松ちゃんの噂はよく聞いている。そこで提案。
では、せっかくだからピーク地方に岩登りに行きますか?

えっ、そんな予定では……何も道具持ってきてないし。
道具ならなんでもお貸しできますがな。靴のサイズだけが心配ながら 僕の靴で何とかなりそう。……それなら喜んで! 土曜日に Hathersage の 駅で待ち合わせて、岩登りの聖地イングランドと言えばここ、 スタニッジ・エッジ(Stanage Edge)に出かける。

聞けば、松ちゃん、意外にもナッツなどのナチュラル・プロテクションの経験は 限られる、という。人口登攀では使ったけど、と。ふむ、確かに、人口登攀用途と 中間支点用途では、必要な信頼度が桁違いですからね。でもせっかく ここまで来たんだからリードして頂きますか。易しいルートから。 というわけで僕がお勧めしたのが、 Bishop's Route。 26m とスタニッジほぼ最長の Severe の三つ星ルート。 僕も昔登って、楽しかった記憶がある(後で調べたら 3年前の話だった)。

お好きなものをどうぞ、と登攀用具の店開き。松ちゃんはナッツとフレンズとを 取るものの、ヘックスは置き去りに。僕がリードを始めた時のことを 思い出すと気持ちは分かる、つまりヘックスは使いにくい気がするのは 確か。でも一度慣れたら、ヘックスこそ最高、というのもまた割と衆目の 一致するところのような気もしますが。でも所詮 Severe だし御自由に。

というわけで、松ちゃん、リード開始。もちろんダブルロープ。 クライミング自体はさすが。中間支点のセットはちょっと手間取ってますか。 でもそれも楽しみのひとつ! もちろん無事上まで登り抜ける。

僕のフォロー。7番ヘックスが最高に合いそうなクラックを見つけて、 ちょっと笑ってしまった。残念なことをしたかな? (笑) 他にもすばらしい中間支点の機会を見逃していたり。なるほど、 それが見えてくるのが、僕がこの 6年余りで学んだこと、ということかも — 時に怖い思いをしながら (笑)

松ちゃんにとっても、ウォーミング・アップとしてはちょうどよかった 感じの様子。では次はレベル・アップしましょう。ただ、まだあまり中間支点の 取り方が信頼できる感じではないから、絶対に落ちない程度の難易度、 VS でいかが? と、22m の三つ星 VS Inverted V にしましょう。僕は登ったことがないが、技術難易度 4b なので、 技術的には VS としてさえ易しい方に入る。 下から見るに、立派な縦クラックが走っていて、中間支点も不足しそうにない。

というわけで松ちゃんリード開始。縦クラックを登り切ったところで、 中間支点を探すもどうも今一つのよう。いや、申し訳ない、ここは 登る前にヘックスを勧めておくべきだった。クラックの大きさから 見て、ヘックスが重宝するのは下から見ても明らかだったから。 でも後の祭。今、できることは……
さらに登る! ちょっとランアウト だから落ちないでね……。そこで待望の支点を極められて、いざ核心へ。 核心自体はごく簡単そうに登ってくれた。さすが。

この時点で、遠くにあった雨雲が移動してきているのが見えたので、 ここでスタニッジをお開きとする。駐車場に着く頃にはそれなりの 雨足になっていた。グッド・タイミング!

今日、松ちゃんは思いがけず英国で岩登りをすることができて、 随分と嬉しそうだった。僕も嬉しうございます。 ナチュラル・プロテクションのルートはちょっと怖かったかも知れないけれど、 それもまた楽しみのひとつ、ということで。

実は僕は最早ナチュラルにしていることながら、それはやっぱり 経験の結果ということだと僕は今日認識した次第。英国で初心者を 引率したり教えたりすることはよくあるけど、その場合、それこそ ザイルの結び方から始めるので、その時に彼らができないのは当たり前。 そして彼らの場合、ロープワークがまずまずできるようになった 頃には、プロテクションの取り方もそれなりになっている。 その前に、リーダーをフォローしながら、どうやって中間支点を 取るか、意識してかせずか見ているはずだし。 一方、松ちゃんの場合、ロープワークとかはもちろんすでに当たり前に こなしていて、プロテクションを取る所で初心者のように手間取っている ので、そのギャップが印象的でありました(失礼!)。是非、日本の岩場ででも 鍛えてみて下さい。敢えてボルトを使わずに登ったり、と。 ある程度の水準までならすぐ到達できますから。冬山でも重宝します。 ナッツは必携!

最後、駐車場を離れる時、結構な雨足の中、それでもスタニッジの 岩場ではまだ登っている人々がいるのを見て、松ちゃんは感銘を 受けた様子。丸一日登れなかったのは残念ではあるものの、 ある意味、非常に英国的な一日、ということでよかったのでは ないでしょうか (笑)


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まさ