2006/07/29--30 ピーク地方ブリークロウ山登山記録/感想文 (by まさ)
[Japanese / English]
総括
- 山域
- Peak District/Dark Peak/Bleaklow周辺
- 参加者
- まさ
- 期間
- 2006/07/29--2006/07/30 (1泊2日)
- 2006/07/29 Leicester ...(車)... Torside ... 丘の上 (ビバーク)
- 2006/07/30 丘の上 ... Bleaklow ... Bleaklow Head ... Far Black Clough ... Torside ...(車)... Leicester
- 宿泊
- ビバーク(Bleaklow 近辺の丘の上)
- 天候
-
- 2006/07/29 曇後雨時々曇
- 2006/07/30 曇
登山編
この日(土曜)の午前中から昼にかけて、自宅近辺で友人とサイクリングに行った。 自宅に帰ってきてみて……、うーん、ちょっと物足りない気がする。 ちょっと登山に出かけてみるのもいいかな? というわけで、(自家用)車がある、という自由度を生かしてふらりと ピーク地方に出かけることにした。
どこに? 2カ月前にキンダーに行った時、 地図を眺めていて、ピーク地方の北の方(Dark Peak北部)には全然足を踏み入れた ことがないことに気づいたので、そちらの方はどうかな? キンダー行は楽しかったし、 こちらもそんな感じかと期待できそう? 中でも、最高点ブリークロウ (Bleaklow)は、ピーク地方の中でほぼ最高の高度もある(最高点キンダースカウトより ごくわずか低い; なお、ブリークロウの三角柱がある場所は、それよりもさらに低い)。
時間も遅いから、当然、泊まりになる。ビバーク山行だな。独りを満喫できよう。
07/29
かくして出かけたのはいいが、急なことで、日が長いこの時期とはいえ、 さすがにちょっと時間がおしている。駐車場を発ったのはなんと 20時55分! しかも、一般登山道から登るはずなのに、駐車場からの登山道の入口が 見つからない。一番それらしきものに進むも、最初はいいけど、すぐに全然逆方向 に向かうではないか(下山した時に分かったことだが、結局この道でよく、100(?)m あとに急ターンして正しい方向になる。地図がもっと正確だったらよかったのに……)。 結局、駐車場に戻ってきて、再出発 21:07。こちらの方向に違いない、 という方向に向かって、途中、柵を無理矢理越えたりしながら(つまり、道を 外れている)も、方向だけ合わせて進むことで、ようやく明らかな 登山道(Pennine Way)にたどり着いた。もう薄暗くなっている時間に……、 とちょっと焦り気味。
その後は、川沿いの登山道をゆるやかに登っていく。当然、人っ子ひとり会わない。 だんだん本気で暗くなってくる。ちょっと傾斜がなだらなかになったところに 着いたので、そろそろビバーク地選定か。急ぐべし。道から外れて、山(丘)の 只中へ。(羊避けの)柵沿いに 100複歩進んだところで、割と平らな地、周りから も見えないところ、この辺りかな?
柵にツェルトの片側を結びつけられるのがありがたい(だから柵沿いを選んだ)。 そそくさとビバークの用意。シュラフカバーにもぐり込んだ頃には、雨が降り出した。 間に合ってよかった!
07/30
4時半起床。一晩中、雨が降ったりやんだりだったようだったが、今朝は なかなかの天気。素晴らしい! (もっとも出立する頃には雲ってしまったが)
今日の目的は、まずはブリークロウ(Bleaklow)の三角柱(621m)、次いで最高点(633m)へ。 昨日登ってきた登山道まで下り返して、そこから道沿いに。しかし、やがて 登山道がおぼろげになる — 登山道が消えたとも言えるし、周り一面 登山道だらけみたい、とも言える。これぞピーク地方・ダークピークの醍醐味。 登山道に沿うことにはほとんど意味がなく、地図と相談しつつ、自分で行く 道を決めて行くべし。もちろん、こんな早朝、周りに人影は一切無い。 ナビゲーションの真価が問われる。
「登山道」が意味無いとは言え、この登山道はペニン道、ピーク地方の 最主要(?)登山道、時に目立たない道標が立っている。高さ 50cm くらいの石柱。 辺り一帯に広がる畝の高さは3メートルくらいだから、意味がどれくらいあるかは 別問題。 結局、「登山道」とつかず離れずのルート取りの後、最後に右(西)に大きく ターンして、「登山道」にきっぱりとおさらば。なだらかな丘陵地帯、 まだ見えぬ三角柱はこの方向のはずとコンパスのセットを西に変更して。 ふと、人造物が見えてくる。飛行機の残骸みたいに見えるなぁ……残骸だった! そこにあった碑によれば、半世紀前の事故らしい。それは存じませんでした。
そして、僕の設定した方向はおおむね正しかったようで、すぐに三角柱に 着いたのだった。当然、周りに誰もいない。キンダー方面の眺めなど、なかなかの もの。素晴らしい!
さて、ここからはどう行こうか。気の向くままに歩けるのが、単独行の そしてダーク・ピークのいいところ。とりあえず最高点は踏まないとね、 とは思うけど。それと、最後は駐車場まで帰らないと いけないから、それが制限ではあるけれど。北の方に、ボルダー(巨石)があって その向こうが最高点なので、そちらの方に行くことに。 ただ直進して、まっすぐに突き進むのみ。畝を時に越え、 時に迂回しつつも、方向を見失わないように。十分な視界がある今日、じきに Hern Stones巨石群、次いで Wain Stones巨石群が見えてきて、たどり着く。 いいねぇ。ひと休み。
そのすぐ近くで、無事、最高点(Bleaklow Head: 633m)に達した。 ここからは、東に向かうことにしよう。この丘陵地帯の東の端に Bleaklow Stones があって、その後、北へ向かうと川沿いに登山道が走る。一応、径があることに なっているとはいえ、まぁ、今までと同じようなものか。ただ、途中からは幾つか 多少は目立つケルンがあったりはした。
1時間の山歩きの後、Bleaklow Stones に無事、着く。未だもって 人影ひとつなし。すばらしきかな。
そこからの下山道探索もまた楽しみの一つ。確立した登山道に出たあたりで、 初めて人に会った。登ってくるグループに。
あとは迷いようがない。下山した後は、平坦な乗馬道(Pennine Bridleway)を
1時間ほど歩いて駐車場へ戻ったのだった。
今回のビバークも悪くなかった。自然を感じるには一番の方法かも。 「The Book of Bivvy」(=ビバークの本)という本では、人が下山する頃(時間)に 登り、山でひと晩過ごして、他の人が登ってくる頃に下山するのが いかに素晴らしいか綴られていたが、まさにおっしゃる通り。 ふと思い立って出かけて、存分にダーク・ピークを楽しんだ週末だった。
情報編
ブリークロウ(Bleaklow)山とその周辺の情報
ブリークロウ(Bleaklow)山の意味
Bleak
とは、「荒涼とした」という意味。また、low
は「低地」 だから、Bleaklow
という山名の直訳は「荒涼とした低地」。 ピーク地方ほぼ最高度の高度を誇りつつ、「低地」とはこれ如何に?
ブリークロウ(Bleaklow)関連リンク
- Dark Peak の地図他 (in T. Hutty's page)
- Wikipedia
- The Virtual Tour (in Dark Peak Fieldwork) (by Cassandra Worman and Julia McMorrow)
- National Trails
(公式ページ)
- Pennine Way (公式ページ)
- Pennine Bridleway (公式ページ)
グロソップ(Glossop)町
ピーク地方北部の(特に西側)拠点となる町。マンチェスターからの列車が 通じており、同路線の終着駅。生活に必要なものは、ほぼ全て揃う。 東部からのアクセスは不便で、シェフィールドからなら、マンチェスター線で ニュー・ミルズ(New Mills)村(町?)まで汽車で出て、そこからバスに乗り換えて グロソップ町まで北上するのが確実か。
グロソップ町にはピーク地方の情報センター(Information)があり、 2階は、ピーク地方の自然やひと昔前の同地の人々の生活などのミニ展示室 になっている(無料; 2006年7月現在)。
ピーク地方北部駐車場
以下、2006年7月現在の情報。
Torside Visitor Centre の駐車場が最も標準か。 ただし、時間外に着くと、トイレもない。 また、一晩中駐車してはいけない、と但し書きがある。 ここ以外でも、いくつか停められそうな場所はある。
Glossop 町では、日曜日なら生協にただで駐車できる。月曜日から土曜日までは、 2時間までは£0.5、3時間までは£5、5時間までは£10。つまり、原則として 同生協での買物客向け、ということだ。
タイム・テーブル
時刻 | 行動 | 高度(m) (計器|地図) | 温度(℃) | 歩数(複歩) | |
表注: 歩数は、その前の項目からの歩数[複歩]、 括弧「(...)」内は予測値。 GR は、Grid Reference Number で、省略時の頭文字は SK。 |
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2006/07/29 (Leicester → Torside Visitor Centre → 丘の上) |
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17:17 | Leicester発 | ||||
18:10 | Trowell Service着(10分休) | ||||
19:27 | Torside Visitor Centre着 (その後、近くの町まで往復して夕食) |
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20:55 | 発 (登山口見当たらず) |
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21:07 | 再出発 | ||||
21:20 | 川の上 | 450 | |||
21:30 | Pennine Way | 400 | |||
21:37 | Stile | 390 | |||
22:09 | Stile | 1546 | |||
22:24 | フェンス脇(ビバーク地) (GR076968) | 17 | 100 | ||
22:45 | 就寝 | ||||
2006/07/30 (丘の上 → Bleaklow → Bleaklow Head → Far Black Clough → Torside → 帰路) |
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04:30 | 起床 | ||||
05:22 | 発 | 10 | |||
05:35 | 登山道 | 108 | |||
05:44 | 川分岐 | 370 | |||
05:57 | 棒が立っている | 710 | |||
06:15 | (一里塚風の)棒が立っている | 681 | |||
06:24 | 引き返す(3分休) | 294 | |||
06:37 | (一里塚風の)棒が立っている(3分休) | 410 | |||
石柱道標(左折) | 85 | ||||
石柱道標(右折) | 170 | ||||
石柱道標 | 295 | ||||
西へずれる | 92 | ||||
07:07 | Hern Stones | 11 | 140 | ||
07:19 | 発 | ||||
07:36 | Pennine Way近辺 | 600? | 456 | ||
07:42 | 発 | ||||
07:57 | B29墜落跡 | 735 | |||
08:00 | Bleaklow三角柱 (GR089948) | 621 | 130 | ||
08:12 | 発 | ||||
08:28 | Hern Stones 100m西にずれた |
496(550/29°/650m) | |||
08:32 | 発 | ||||
08:40 | Wain Stones | 400(420/0.5°/550m) | |||
08:45 | 発 | ||||
08:49 | Bleaklow Head | 633 | 197(53°) | ||
08:55 | 発 | ||||
09:14 | 木の棒 | 717 | |||
09:19 | 発 | ||||
09:40 | Bleaklow Stones (GR112964) | 628 | 948(1500(→1665)/82°/2150m) | ||
09:47 | 発 | ||||
10:06 | 小さな木の棒(左折) | 890(800/57°/1km) | |||
10:20 | Far Black Clough道 | 638 | |||
10:45 | 林道 | 1160 | |||
10:52 | 駐車場前 | 316 | |||
11:29 | B6105交叉/駐車場 | 2045 | |||
11:47 | Torside VCへの道分岐 | 976 | |||
11:47 | Torside Visitor Centre | 20 | 175 | ||
12:30 | 発 | ||||
12:45 | The George Hotel@Glossop | ||||
17:15 | Tibshelf Service |
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