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マット

睡眠時、体温を最も奪われやすいのは、地面からです[23]。だから、 状況が厳しければ厳しいほど、地面からの断熱をどうするかが、快適さを決定的に 左右します。マットはそれほど重いものでもないですし、テントや避難小屋(あるいは ビバーク!)での泊まりがあるなら、是非、持参したいものです32

マットは 3種類に大きく分類できます。風呂マットに似たような素材で大きさ不 変のもの(仮に一型と呼ぶことにします)、風船のように息を吹き込んで膨らませ るもの(二型)、栓を開けることで自己膨張するもの(三型)、です。結局、空気が 軽量(0 g!)かつ有用のほぼ最高の断熱材なので、マットの性質は、どれほど空気 を中に保持できるかで決まると言っても過言ではないでしょう。そういう意味で、 空気を必要に応じて出し入れできるものは、(断熱性能が同じでも)持ち運びにか さばらなくて済みます。

もっとも安価なのは、厚手の銀マットでしょうか33。一型では、最近は、表面が格子 状になっているものも売られています。これは、実質上、使用時に空気を(寝袋 との間に)閉じ込めることができるので、断熱性能が高まるすぐれものだとか [29]。

自己膨張するもの(三型)は、どうしても若干重くなること、また空気を抜いた後 でも相当量の空気が残ってしまう(つまりかさばる)のは難点です。一方、息を吹 き込む型(二型)は、なかなか大変で、結局それが考慮されて、設計上の厚みも大 して大きくないかも知れません。また、冬期は、吹き入れた呼気の中の水分が、 中で凍ることになるでしょう。今までに筆者が出会った中で気に入ったものは、 小さな足踏みポンプが内部に内蔵されているものでした。なお、この類のものは、 いずれも穴が開くと致命的なので、補修材も持参するようにしましょう(もしく は一型のマットも同時に持参する手もあります -- 何もなければマットを二重 にして使えるという贅沢!)。

サイズは、基本的に、首から腰までをカバーできれば多くの場合十分でしょう。 形として、縦に筋が入っていると、寝ている間にずり落ちることがなくてさらに 快適です -- 必須では全然ありませんが。

購入前には、できるだけ実際に広げて寝転がって試してみたらいいでしょう。 もし返品が可能なら(友人から中古を譲り受けるなら話は簡単ですが……)、でき たら自宅の固い床の上で一晩過ごして、具合いを見ることができたら最高ですね。

またテント泊の時、特に人数がいる場合、あるいは冬山の場合は、加えて薄手の 銀マット(テントマット)を持参すると、さらに快適に過ごせるでしょう。

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坂野正明 2005年 10月 8日