▲欧州的登山生活▲
△第74号: ケアンゴームで冬山入門 (前編)
- 発行日
- 2008/07/30
- 発行者・筆者
- まさ (坂野正明)
まさです。
暑中お見舞申し上げます。日本も梅雨が開けて夏本番ですね。 皆さんも、夏山を楽しんでらっしゃいますか?
僕の方は、今まで以上に岩登りにはまっています。夏で日が長いため、 週日でも午後遅くに発ってピーク地方までひとっ走りして 22時頃まで 岩登りということをしばしばしています。帰ってくると 24時くらいに なって翌朝はもちろん仕事なので楽ではありませんが……今の夏の 季節を満喫しないと、と気合い入れている次第です。先週は、勘定すると 1週間で 4日、外で岩登りしていました。というわけで、本来の登る方に忙しく、 メルマガの配信が遅れています。すいません!
さて今回は、夏に涼を送る感じで、2月のスコットランド雪山山行の 記録を主題にお送りします。場所は、前号と同じく、
ケアンゴーム北圏谷です。今回、当地では、 Poo Project
というものが実施されていました。
それに因んで(英国の)山での大事な営みについても解説しました。 「Poo Project
って何?」という方、どうぞ
以下をお読み下さい。 お楽しみあれ。
目次
登山記録編 〜〜 ケアンゴームで冬山入門 (前編) 〜〜
ニールと共に、スコットランドに 5日間の冬山の旅へ。 ニールは冬山は今回が初めて。 初心者向けの場所で、雪が一番ありそうなところ、 ということで、ケアンゴームを選ぶ。行ってみると……、 全く雪なく、夏のように苦労なく天幕を張れたのだった。
翌日は、まず雪上訓練から入る。幕営地の近くの尾根の斜面には 雪があるので、そこまで出かけて、雪訓。 雪質観察、歩き方、ピッケルとクランポンの使い方、滑落停止、 雪崩ビーコンとゾンデ棒の訓練まで。 ビーコン訓練は僕も久々で、確認できてよかったというものだ。
さて用意は整った。本番の丘歩きとして、Cairn Gorm山に向かって発つ。 登り道として選んだ Goat Track (=山羊の道) は(名に似ず?)結構急。 穴を掘ってハンドテスト。 予想通り、僕が思い切り引っ張っても雪の円柱は崩れない。 ほら大丈夫だね、とニールに語りかける。 ところが、ニールが全身の力をこめた結果、切り崩しに「成功」!? ニールは 190cm を超える巨体だからなぁ (苦笑)。
Goat Track を問題なく登り切って稜線に達する。 まず、右手の Cairn Lochain山の方に登った後、折り返して ケアンゴーム山の山頂を目指す。視界 20m。本気でナビゲーション した結果、無事、山頂到着。山頂のケルン横に立った時、 ニールが指摘するまで、20m脇にある天気観測用の鉄塔の存在に 気付かなかった。それくらい視界が無かった次第。 上出来のナビゲーションだった。これも雪山には必須の技術ですね。 予想以上に「濃い」なかなかの一日だった!
(つづく)
登山ミニ知識編 〜〜 雉撃ちとお花摘み 〜〜
尾籠な話ではありますが、やはりこれは人間にとって避けて通れない ものですから、英国に登山に来る方の便にと、以下、解説します。
まずトイレは、やはり山に入る前に、街で済ませておくのが基本です。 公衆トイレがあればそれを使えばいいし、もし見つからなければ 最寄りのパブ(どの村にも一軒はある)に入ってトイレを借りればいいでしょう。 パブ(Public House)は、原則としてトイレを貸すのを断りませんから。 もちろん、ひとこと店員に声をかけておくのがマナーです。 なお、(OS社の英国標準 1/25000)地形図には、代表的な公衆トイレの位置は 記されているので、事前にチェックしておくといいでしょう。 日本と違って木が無い(ことが多い)ので、特に女性にとっては問題に なることが少なくなさそうです。事前に注意しておきましょう。
問題は、一旦山に入った後、待てなくて、自然の中で済ませる場合ですね。 英国の場合、一般論としては、日本の山でのマナーとほぼ同じです。 たとえば、場所としては、水源や天場の上流側は避ける、 川や池からは 10m は離れる、登山道から 5m は離れる(道から 一歩も外に出てはいけないような登山道は、英国では稀)、などなど。
ひとつの違いは、英国の場合、山中にいわゆる営業小屋は基本的にありません。 小屋があっても、それは大抵、私設小屋だったりあるいは農家の羊小屋 だったりです。だから、小屋に入ってトイレを借りるのは普通しません。 そもそも日中だと、小屋に人もいないでしょう。
雉撃ち(お花摘み)の後、モノ自体は残していっても構いませんが、 ちり紙は持ち帰ります。冬期は、雪面から地面が見えるまで掘って、
仕事の後、土をかぶせておきましょう(日本と異なり、少し掘れば 地面が見える場合が大半です)。なお、2008年現在、Cairngorms
では、 モノ自体も登山口まで持帰ることが強く奨励されています。 Poo Project
「プロジェクトうんこ」 と銘打たれ、
(登山口の)コリー・カス駐車場で、排泄物(大の方)を入れるための容器が貸与(無料)されて、
駐車場まで帰ってきた時にそれを所定の場所に入れる、という単純なものです。
仕事の際には、(他の人から)見えない場所を選びたくなるのは 当然でしょう。ただしその際、巨石(や岩場)の陰を選ぶなら、その巨石が ボルダリング(巨石登り)やクライミングに使われていないかどうか、 よくよく確認して下さい! チョークの跡があるような巨石の陰を選ぶのは大顰蹙です(し、仕事中に 人が巨石目指してやってくる可能性も)。もしはっきりしなければ、 そこは諦めてもっと確実(に迷惑にならない)な場所を選びましょう。 また、洞穴も避けます。洞穴はビバーク地として使われることがありますから。
よく使われる場所は、(山中でもよくある)牧場の仕切りとなる石垣や 垣根の陰です。ゲートから最低 5m は離れた場所を選びましょう。
△この記事は、以下にも載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/trivia/britishculture.html#naturescall
Webページ更新情報
- この記事は、以下にも載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/magazine/backnumber/eu074.html - この前の 2週間内に行った Froggatt Edge の岩登りの記録、および
湖水地方での冬山登山の記録をそれぞれ以下に載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/record/uk/20080126_froggatt.jis.html
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/record/uk/20080201_laked.jis.html
次回予告
次回は… 「ケアンゴームで冬山入門 (後編) — 登攀『入門』!?」
See you later!
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