▲欧州的登山生活▲
△第10号: 大和撫子、英国式岩登りに挑戦
- 発行日
- 2006/02/24
- 発行者・筆者
- まさ (坂野正明)
まさです。
5月末、日本からゲスト(♀)が二人遊びにきました。 僕のクライミングの師匠(日本人)は、英国(とフランスと)がフリーク
ライミングの聖地だとおっしゃってました。そう、その聖地まで来て フリークライミングをしない手はない……と喜んで(←無理矢理、と
振り仮名をふるところ?)、英国人友人と共にピーク地方まで連れ出し たのでした。ちなみに二人とも初岩登りです。
今回はその記録です。
目次
登山記録編 〜〜 大和撫子、英国式岩登りに挑戦 〜〜
- 山域: (南東部)ピーク地方/Lawrence Field, Stanage Edge
- 期間: 2005/05/30 (日帰り)
- 参加者: ゆき、ゆか、マーク、まさ
朝、発つ頃には小雨が降っているも、ピーク地方に着く頃にはすっか り上がり、青空が広がるようになった。雨がまた降る可能性もあるこ とも見込んで、雨に強そうな場所ということで、まずは、 Lawrencefield (ローレンスフィールド) に行くことにする。開けて いる Gingerbread Slab で VDiff と HVD とが隣り合っている場所が あるので、そこにボトムロープ(トップロープ)を張ることにする。
ゆきから登る。マークが確保。僕が岩場の真下につきそってアドバイ ス。特に問題なく登る。随分、楽しんでいる様子だ。登るのよりも、 ロワーダウンの方がちょっと怖かったみたいだ。続いてゆかの番。 「高所恐怖症なんですけど…。もう、私にこんなことさせるなんて、 まさ君くらいよね! いい土産話やわ。」……(申し訳ない、と言えば いいのでしょうか…)。苦労しながらも、何とか上まで達する。おつ かれさま! 初めての岩登りで VDiff を登るとは大したものです!
マークの後、最後、僕が隣の HVD で登る --- ゆきに確保してもらう。 確保の仕方を教えた時、しばしば確保の方の右手が一瞬ロープから離 れている瞬間があった。恐ろしや…。絶対それだけはするな、と念を 押して登り始める。マークが後ろでバックアップの確保をしているの で、問題はないが。
上までたどり着いたところで、セットを解除、ローレンスフィールド はここまでとする。
さて、お茶休憩の後、今度はスタニッジ・エッジ(Stanage Edge)へ。 英国で岩登りなら、ここに来なくては! スタニッジ最南東部の最もポ ピュラーと言われる場所へ行く。Mod の Zip Crack にボトムロープ を張る。ゆきは難なく登る。続いてゆかもちょっと止まりながらも問 題なくクリア。
ゆかにそのまま上まで登り抜けてもらって、今度は、ゆきが同ルート を懸垂下降することにする。下降器はエイト環、(環付)ぬんちゃくで 伸ばして、手元でフレンチ・プルージックでバックアップを取る方法 で。摩擦が大きかったようで、なかなか降りーん、と文句を言いなが らも初めての懸垂下降を無事終了。
まだまだ陽が落ちるには間があるが、今日はここで終了とすることに した。ゆかはおっかなびっくりながらも初めての経験を楽しんでもら えただろうか? 少なくともイングランドらしくない好天の中でピーク 地方を楽しんでもらえてたら嬉しいのだが。ゆきの方は、予想通り非 常に嬉しそうな様子でなによりだ。
ピーク地方に来る前に説明する時に、僕は「岩登り」に行こうかと思 うんだけどどうかな、と訊いた。子供の頃そんなことをやったことも あるし、楽しみ、というのが、ゆかの答だった。今日、当日、こんな 本格的なものだとは思いもしなかった、とのたまっていた。誤解して そうだなぁ、と感じつつ、「岩登り」とは「ロック・クライミング」 の訳語ということにはあえて触れなかった僕は、ずるだったかな? (笑)
△以上、記録の一部。全文は、以下に載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/record/uk/20050530_peakd.jis.html
議論提起編 〜〜 懸垂下降のバックアップ 〜〜
ゆきの懸垂下降の時、フレンチ・プルージックでバックアップを取っ たが、マークは、初心者にプルージックでバックアップを取らせるの は好きでない様子。というのも、注意が 2カ所に分散してうまく懸垂 下降ができないことが多く、かつ、プルージックがもつれたり、最悪、 下降器に絡まることがしばしばある、と。
後者は、(フレンチ・プルージックでなく)普通のプルージックを使う ことが問題なのでは、と反論した(下降器に絡まったりするのは、セッ ト自体がお話になってない)。一方、前者は確かに一理ある。特に、 11mm ロープ 2本で懸垂する時など、摩擦は確かに非常に大きいと言っ ていいので、うまく体重をかけたり、あるいは、ロープを下降器に出 してやるくらいのことが必要になる。
死者の数(割合?)で言えば、クライミングの最中よりも、懸垂下降の 方がずっと危ない、と聞く。実際、一般にバックアップが少なくない クライミングよりも、一つの間違いが命取りにつながる懸垂下降の方 が危険なのは納得できる。だから、バックアップがない状態での懸垂 は僕は避けるべきだと思う。一方、下に人がついて上を見ていられる 状態ならば、万一懸垂下降中の人が落ちても、下からロープを引くこ とで、止めることができる。だから、初心者に最初に教える場合は、 それ(下に人がついてい ること)を保険として、プルージックなしで始 めた方が「教育的で」いいかも知れない、と僕は考え直したところ だ。--- 懸垂下降に慣れたところで、バックアップを教える、という ことで。
△この文章は、以下にも載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/doc/abseil.html
Webページ更新情報
- この記事は、以下にも載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/magazine/backnumber/eu010.html - 「登山に関する拙文」のページを新設しました。今後、議論他を載せていく予定。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/doc/
See you later!
あとがき
日本人の登場で親近感をもって頂けたらいいのですが (^_^)
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