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ハーネス (安全ベルト)

落下した時に自分の体重を支える安全ベルトです。 自分の命に直結するものですので、できるだけ自ら購入、管理するべきでしょう。 どの型であれ、購入は、実際に装着してぶら下がって試せる店が最善です 41。以下、いくつかポイントを述べてはいますが、最大の ポイントは、体重を自然に支えられるかどうか、ですから。

レッグループハーネス(シットハーネス)42、 ウィランス型シットハーネス43、 フルボディハーネス、チェストハーネス、 ベルト型ハーネス(安全ベルト)などがあります。

まず、ベルト型ハーネスの場合、落下すると大きな衝撃がかかるので、 落ちないことを前提にできる場所でしか用いるべきではありません。 ただし、安価で軽く、かさばらず、装着していてもほとんど気にならないので、 夏山縦走で万一に備える時などは、「簡単でいい」[5] かも知れません。 スリングを組み合わせて、簡易レッグループを作る方法もあります。

最近は、(通常の山行なら)大抵レッグループハーネス が用いられます。自然な形で楽に体重を支えてくれますので。

レッグループハーネスの場合、 レッグループの部分の長さが固定のものならば、実際にハーネスを装着 する時のウエアを着用してサイズを合わせて購入する必要があります。 「レッグループの内側に指が 4本楽に入る」[37]くらいで、かつ、 快適にフィットするように。 落ちるのが前提のフリークライミングを考えれば、ベルトが広くパッドが 入っているものがいいです44(ただし、動くのに支障が出るほ どベルトが広いものは避けるべし)。 中でも、レッグループ部にもパッドがあるものがお薦めです45。ただし、「やたらにパッドが入っているハーネスには要注意」 [37]です。「衝撃を支える(最大の)ポイントは全体の作りであり、 パッドではない」[37]ので、パッドの量で判断を誤まらないよう に、ということです。

安全性という点では、バックルが大切なポイントです。折り返すタイプのものと、 二重バックルのもの(必然的にズボンを履くように装着することになる)とがあり ます。一般には、後者の方が装着間違いが起きにくい46ので優れています47。ただし、冬場の装着には問題がある場合が出てくるでしょう。

いずれリードすることを考えれば、ギア ループ(ギアを吊すための輪)もそれなりの数(3〜5個)あるものの方がいいでしょう。ギアループ の数が左右非対称の場合、自分の利き腕側に多くのギアループがある方が 便利です。 「(フリークライミングと)アルパインと共用は考えないこと」[11] という話もありますが…、筆者は長く共用していました -- 但し、フリークライミン グ用をアルパインに持っていくのであり、逆ではありません。

「積雪期にはウエアの量が増えますので、基本的に別サイズのハーネスが必要」[12]。 サイズ調節の幅は各々のハーネスで大きく異なるので、サイズ的に夏冬兼用可能 な(かも知れない)ものもあれば、そうでないものもあります -- ベルト部、 レッグループ部とも十分にサイズ調節できなくてはなりません。 冬期用ハーネスを別に購入する場合については、 5.10章でさらに詳しく述べています。

日本では、未だに旧来のウィランス型シットハーネスがそれなりに売られている ようです。レッグループ部がない分、(大きな登山靴や特にアイゼン装着時に) 装着が楽だと感じるかも知れません。しかし、ウィランス型シットハーネスは、

と欠点が多いので、筆者はお薦めしません50。 なお、問題とされる(?)着脱にしても、現在はさらに優れたハーネスがあります -- 5.10章参照)。

独断と偏見で選ぶ筆者の2005年現在の一推しは、メトリアス(Metolius)社のセイ フ・テク(Safe Tech)です51。クライミング中、ハーネスの(不注意 による)誤使用の結果、重大な結果を招く事故が後を絶ちません。筆者も、目の 前で、クライミング中に(垂壁の真ん中で!) ハーネスが外れかけるのを見たこ とがあります。セイフ・テクは、色々な不注意(や理解不足)による誤使用を徹底 的に考慮に入れた、最高の安全予防策を取っています。パッドがそれほど厚いわ けでもありません52が、すばらしく快適なのは作りのよさがなせる技 でしょう。ただ、サイズ調節の幅はそれほどには大きくないので、夏冬兼用には 少し辛いかも知れません。

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坂野正明 2005年 10月 8日