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登山靴

何がとりあえず兼用できるか、が焦点の本文書なのにのっけから申し訳ありませんが…、 山はやはり歩くのが基本、ですから、靴だけはやはりなかなか代用が 効かないものかと思います。つまり、基本的に山行形態に応じて別々の靴を 持つ必要があります。加えて ((一般登山靴の)品質は)「値段にほぼ比例するといわれている」[18] とのことですので、工夫する余地も少ないかも知れません。 但し、(言うまでもないことですが)いくら高品質でも足に合わないと 話にならないので、店で実際に履いてみて歩いてみて登ってみて11選びましょう。 登山用品店で、かつシューフィッターがいる店が安心でしょうか。 なお、靴を選ぶ時は、登山時に実際に履く靴下(普段履きよりはかなり厚手)を持参して 合わせた方がいいでしょう。また、買ってすぐ山に履いて行くのではなく、 ある程度、下界で足慣らしをしておかないと、山で痛い目に遭うかも知れません。

これから始める人に何か一つ、と言われれば、くるぶしまで靴が覆うような(ハイカット) 靴をお薦めします。 捻挫しにくく、岩角に少々ぶつけてもダメージが少なくて済みます。 素材としては布製の軽登山靴と 革靴とがありますが、個人の好みでもよろしいかと思います。 強いて言えば、体力に自信がない場合は、最初は布製の軽登山靴から 入ったほうが無難かも知れません。革靴は重厚 -- 重く、普段の運動靴とは かなり感じが異なりますから、負担に感じないとは限らないので。

但し、夏山でも北アルプスなどで長い雪渓を歩くとなれば、アイゼン装着が 必要になってきますので、そこまで考えるなら、やはりしっかりした 革靴がいいでしょう。 値は、革製の方が張ります。耐久製は、当然、革の方がずっと優れています。 また、雨に濡れた時、不快な思いをしたくなければ、革靴がいいです。 布製軽登山靴の場合、ゴアテックス生地を用いているものだと雨にも 強くなりますが、値は張るのに耐久性はぐっと劣るのが難です。

日帰り低山ハイキング用に革靴は重厚過ぎる、ということで、 トレッキングシューズ又はローカットの(布製)軽登山靴 を一足購入しておくのは、いい考えだと思います。岩登りや 沢登りのアプローチ及び下山にも使えますし、セカンドシューズにも 使えるかも知れません。前者の場合は、靴底がしっかりした(曲がらない)ものが、 (岩場では)楽です。

冬用の靴としては、シングルの革靴(一重; 普通の革靴のこと)、 プラスチックブーツ、ダブルの革靴(二重構造の革靴)が使われます。 Sirio の夏用革靴などは、ワンタッチアイゼン装着可能で、ちょっとした 冬山なら可能とされているものもあります。但し、冬は、一般に夏よりも 厚い靴下を履く必要があるので、夏用よりもハーフサイズからワンサイズ 大きいものを選ぶべきです[14]12。また、 アイゼン装着の都合上、特に靴底がしっかりした(曲がらない)もの、が 条件です。本格的な冬山登山を考えるなら、夏靴とは別に購入することに なるでしょう。 冬山用登山靴に関する私見を付録 Eにまとめておきましたので、参考までに。

沢登りには、普通、渓流シューズ、渓流足袋、ワラジ、などが使われます。 一般の登山靴では替えになりません。詳細は、専門書をどうぞ。

(無雪期の)岩登りおよびインドアクライミングでは、ラバーソール(ゴム底)の 靴(クライミングシューズ)が使われます13。 限界に挑戦する場合は用途によって使い分けます。しかし、この文書の 読者としては、特殊な用途のものよりも汎用のものを選びたくなるところでしょ う。 実際、モダンなクライミングシューズなら、その相互の差はそれほど大きくあり ません -- 結局、技術の方がはるかに重要な要素です。確かにその昔は、無理 して履いているうちに無理矢理慣らせる(不可能を可能にする!)のが普通だった ようですが、この10年で格段の進歩を遂げた現在、普段の靴よりは少し小さめの サイズを買うくらいで、汎用には十分のようです。特に、立っただけで足が痛い ようならばそれはきつ過ぎです。 痛いのが嫌で岩登りを嫌う人も 少なくないので、それは本末転倒、それくらいならば一足目はそれほどきつくない靴 を買う方がいいと筆者は考えます。「(最初の靴としては)最も快適に履ける靴に しましょう」[3]。 詳細は、専門書などをどうぞ(新しい文献を薦めます! 10年前の文献は、クライ ミングシューズの世界では、骨董品かも)。

一方、登山マラソンはスピード命ですから、 ランニングシューズを使う人も少なくないようです。 ただし、最近は登山マラソン用の専用靴も売られています。

オリエンテーリングも登山マラソンと同様です。 もっとも、オリエンテーリングの場合、どろどろに汚れるのが日常茶飯事なため、 ``汚れてもいいぼろ靴''を使用する人が多いみたいです (トップレベルの選手は もっと気を遣っているのでしょうけど)。いずれにせよ、ハイカットの靴は 使用しません。

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坂野正明 2005年 10月 8日