▲欧州的登山生活▲

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第30号: ラ・グラブの氷壁 (その一)

発行日
2006/08/24
発行者・筆者
まさ (坂野正明)

まさです。
御無沙汰しました! 今回、どうもうまく書けず、日にちだけが経って しまった感じです。完璧を目指す前に配信します。

今週、月曜日には、2002年の正月山行でトリドンに初めて行った時に 会った人に、地元でばったり会いました。出会ったのもさることながら、 今まで会ったのはトリドンが 最初で最後だったのに名前も顔も覚えていたというのも、我ながら驚きです。 伝説の地トリドンとは不思議な縁があるのかも知れませんね。

さて、前回、そのトリドンで「つらら」で遊びましたが、やはりそれだけ では満足とはいきません。というわけで(もありませんが)、スコット ランドから帰ってきて、3日後、南仏の La Grave (ラ・グラブ)まで 氷壁登攀、つまりアイスクライミングに行きました。

氷壁登攀は、比較的最近(1980(?)年代〜)に大きく発展しました。 道具が飛躍的に進化したからです。90年代、そして今も発展途上です。 つまり、現代では、いい道具を揃えれば、未熟な人でも比較的容易に、 かっては難しいとされていたルートも登れる、とも言えるかも。 実際、5年前に出た初心者講習会では、先生は、「いい道具を揃えて、 登攀を楽しんで下さい」と締めくくったものでした。

それが一因でしょう、現代最先端の(氷壁・ミックス)登攀「競技」では、F1では ないですが、使う道具に一定の制限を加えることが少なくありません。 腕を支える帯は不使用とか、(ピッケルの)柄の先の部分の突起は使用不可とか。

そんな道具頼りの登攀は面白くない、とする向きも時にあるようです。 逆に、アイスクライミングこそ最大の楽しみ、という人も。 人それぞれ、ということですね。

僕の過去のまっとうな氷壁登攀の経験はごく限られます。 今まで 3回あるかないか、つまり 素人に毛が生えているかいないか、という程度です。 というわけで、今回の旅はそれなりに楽しみではありました。

では、2回に分けてお送りする氷壁登攀紀行、お楽しみ下さい。

目次


登山記録編 〜〜 ラ・グラブの氷壁 (その一) 〜〜

1/7

南仏は La Grave (ラ・グラブ)。Ecrin Alps (エクレン・アルプス)に近い。 氷滝の氷壁登攀(アイス・クライミング)の舞台として(また、オフピスト のスキーで?)有名な場所のようだ。

かっては英国でも、氷壁登攀は盛んに行なわれていた。いや、今でも、 条件さえ整えば。しかし、近年の英国の場合、暖か過ぎて、 条件(コンディション)が整わないことが少なくない。1960年代には、 (イングランドの)湖水地方の海抜ゼロ近くの場所での氷壁登攀の 記録もあるが……、今やほとんど夢物語。スコットランドまで出かけても、 滝が凍っていないということが少なくなく、不確定要素が大きい。

そんな中、また近年の格安航空券の普及とあいまって、確実に登れる氷壁を求めて、 海外、具体的にはノルウェーやアルプスに出かける英国人が年々増加している。 ラ・グラブは、その中でも、比較的初級者向けの氷滝が、比較的短いアプローチ 距離の中に揃っている、ということで人気が高い。 実際、正月山行で小屋が一緒になったうちの一人は、 ラ・グラブの氷壁登攀は素晴らしいよ、と言っていた。

今回の僕の連れは 5人、いずれも氷壁登攀の経験は僕と大差ないが、 5日前にすでに乗り込んでいる。 僕の初日は、近場の易しい氷壁に向かう。70°くらいか? 氷壁登攀のいいのは、凍っているところなら、ほとんどどこでも登れるところ。 早速、2本ボトムロープで感触を確かめながら登る。

初日は、フォローだけのつもりだったのだが、「大丈夫だよ」という リッチの言葉に乗せられて、氷壁の真ん中をリードしてみる。10m 弱? スクリューをセットするのが疲れるが、まぁ、大丈夫だ。 「フックをもっと使ったら?」とドムから声がかかるが……、フックには まだ自信が持てない。フックしている時はいいが、体をせり上げた途端、 バランスが崩れがちだから。というわけで、ばんばんバイルを叩き込む次第。 氷の質は正直よく分からないが、少なくとも不安はない。

(つづく)


欧州の山紹介編 〜〜 ラ・グラブ (La Grave) 〜〜

ラ・グラブ (La Grave) は、モンブランから南東南に 200kmほど、 エクレン山脈(Des Ecrins; エクレン・アルプスとも?)の片隅(?)に ある、山間の村です。一番近くて有名なのは、南の La Meije山(3983m)でしょう。 岩と氷の厳しいルートが目白押しだと聞きます。

一方、近くの森(Bois des Fréaux)の中を流れる川が冬には凍って、 すばらしい氷壁登攀の舞台を提供します。標高にして 1500m くらいの地点で、 温度が高過ぎも低過ぎもしない、というところです。 La Grave から水平距離もたかだか 1〜3km (垂直距離 100m程度)の間に、 (多くはマルチピッチの)氷壁登攀に適する数多くの滝が集中する、 という素晴らしい条件です。

ラ・グラブ (La Grave) へは、グルノーブル(Grenoble)からバスで行くのが、 最も便利でしょう(約120km)。グルノーブルへは、欧州各都市から飛行機の直通便が あり、またフランス国内からは TGB(高速幹線鉄道)で乗りつけられます。 ラ・グラブへは、グルノーブル市の中心バスターミナルから 直通バスで 1時間半程度です。ラ・グラブの旅行情報案内所(Office de Tourisme)の 方で降りるようにしましょう。バスは一日に 3便程度ありますが、曜日や季節によって運行状況は変わるので、事前に チェックしておくことをお薦めします。

http://www.vfd.fr/HorairesLignesRegulieres/LER35.pdf
http://www.lagrave-lameije.com/

△この文章(プラスα)は、以下にも載せました。
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次回予告

次回は… 「ラ・グラブの氷壁 (後編)」

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