2003/10/18 イタリア/シチリア島/ペレグリーノ山 登山記録/感想文 (by まさ)



総括

山域
Italia/Sicilia/Palermo/Monte Pellegrino
参加者
まさ
期間
2003/10/18 (日帰り (前後パレルモ泊))
宿泊
ジョリー・ホテル
天候
  • 2003/10/18 嵐後曇

登山編

仕事で来た、シチリア島はパレルモ。この機会にイタリアでの初登山を楽しまな い手はない。シチリア島と言えば、エトナ火山だが、パレルモからは島の反対側 になる。天気予報もよくないようで(この一週間、ずっと天気が悪く…)、近場の 山に行くことにする。パレルモ市街、どこからでも北に見えるペレグリーノ山 (Monte Pellegrino)だ。標高606mながら、絶壁が美しい。中腹の絶壁の上に城の ような建物(Santuario di Santa Rosalia; 聖ロザリア礼拝堂)があって、それも また目を引く。願わくは、山頂と礼拝堂と両方を訪ねてみたいものだ。ただ…当 日まで暇がなく、シチリア島全体の薄い一般ガイド(←登山は想定されていない) と、市街地の地図以外に、山の情報を得ることが全くできなかった。

さて、当日。朝起きると…、外は稲光さえ時折走る嵐模様。天気予報は伊達じゃ ない…。朝食だけ簡単に済ませて(と言っても、昨日から腹痛と下痢とに悩まさ れていたので、シリアルと牛乳のみ)、部屋に戻って朝寝を決め込む。

昼過ぎに起きて、インフォメーション・センターに向かう。この日、土曜日、14 時閉店(知らなかったが)のところ、15分前に着いたのになぜか閉まっていた。月 曜に訪ねた時も、タッチの差。どうにも見放されているようだ。地図はもちろん、 麓に向かうバス情報さえ手に入らないとは…。

やむなし、歩いて麓に向かう。歩ける距離なのが幸いだ。山頂まで車道が通じて いるようだから、最悪、車道を辿れば上に着けるだろう。麓に着いたのが14:30。 交差点の近くで地図(パレルモの市街地図)を拡げて道を確認していると、老夫婦 が車を止めて乗っていくか、と手振りで示してくれた。なんて親切な!! 感動! ただ今回は歩くのが目的なので、丁重にお断りした。グラッチエ!

車止めを越えてマイナーな車道を行く。メジャーな方の(車の)ルートは大きく蛇行し ているようだから。そのうち、この道が登山道ということが分かった。中世の遍 路道という雰囲気を醸し出している石畳の道。ローマの水道橋のような登山道。 蛇行する石畳登山道をずっと辿るのももうひとつと思って、ショートカットを敢 行する --- 幸い、自然へのダメージがあるような場所ではないので。その折り、 左肩を低木にぶつけたと思ったら、鈍い痛みを感じる。木と思ったのは実はサボ テンで、左肩を見ると数本、刺がささっているではないか。やられた。出血する ほどの刺ではなかったのは幸い。以後、サボテンには気をつけよう。

今回、あろうことか、救急用具一式もライトも忘れるは、ナイフもホテルに置い てくるは(そげ抜きもあったのに…)、と段取り悪いことこのうえなし。最悪なの は、トイレットペーパーもティッシュも忘れたこと。下痢中なのに…。まぁ、幸 い1.5リットルのミネラルウォーターを担いでいるので、最悪、これで我慢する ことにする (尾篭な話で申し訳ない)。

2、3度ショートカットした後、ショートカットするルートが薮々してきた(サボ テンの密度がぐっと増した)ので、おとなしくお遍路さん登山とする。3度か4度 ほどメインの車道ルートを横切ると、道が平坦に近くなる。左に例の中腹の城が 見えている。分岐らしい分岐は無かったので、メインの車道ルートからしか行け ないのだろうか。山頂を踏んだ後、時間があれば、寄ってみよう。

最後の山頂までの道を登っている時、上からパトロールのような感じの二人組が 車で下りてきて、声をかけられた。幸いひとりがそれなりに英語を喋るようで…、 実は、山頂は軍事施設だから行けないよ、帰りなさい、と言われた。がーーん。 アンテナがたくさん立っていると思えば、そういう話でしたか…。登山家も軍事 施設には敵わないので、おとなしく下りることにする。かくして、606mの山を登 り切ることなく、550m付近で挫折と相成った。

さて、この行きの登山道では、鈴の音がしばしば聞こえていた。姿は見えねど。 四国のお遍路さんでもあるまいし、と思っていたら、帰りにその謎が解けた。そ れは羊の群れ。首輪に鈴がついている。全く牧草地には見えない普通の山なので、 びっくり。こんな狭い山で羊の放牧なぞしたらすぐ丸裸になってしまいそうでひ とごとながら心配してしまう。

帰り道、例の城の方への道を見つけた。予想通り、メインの車道でしか行けない。 しかし、ゲートが閉まっていた。ガイドブックにも載っているくらいだから、観 光で行けるはずだが…、土曜のこの時間では遅いということか。どうも今回、蹴 られまくりのけちつきまくり、だ。

17:05、麓に着いて、ミニ登山の終了。

ルート情報

ルートは迷うところはない。ルートの左側(西側、南側)は切り立った崖になって いる。そこには至るところに金属ロープや金網が張られている。落石防止なのだ ろう。つまり、崖は岩質が脆そうなので、クライミングができるとは思えない。 また、ショートカットを取ると、崖に近いところを行くことになるので、落石の 危険性という意味で、お薦めできない (岩壁の金網に気付いていたら、そんなルー トは取らなかった…)。

城へ行くには、途中で車道に入らなくてはならない。下から数えて3回目(?)に車 道を横切るところで左に行けばよい。交差するところから50mくらいでゲートが あるので、すぐ分かるはず。


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まさ