2002/11/10 Mauna Loa (Hawaii) 登山記録/感想文 (by まさ)



総括

山域
Mt. Mauna Loa / Hawaii island
参加者
まさ (単独行)
期間
2002/11/10 (日帰り)
天候
快晴後晴

本編

ハワイ島で最も高い山は Mauna Kea 山であるが、ここは、山頂に天文台が多数 あるため、山頂まで車で登れる。一方、それと向かい合う Mauna Loa 山は、???? m 地点まで車で登れると聞く。特に難しいところもないと聞くので、単独行で登 ることにし、レンタカーを借りて、コナから山に向かう。一日前に、隣の Mauna Kea 山までガイドの車で行った経験があったので、それが随分役に立った。

車を下りて、4WD用ダートの道を500m、分かれを告げて、熔岩の地へ踏み出す。 ケルンの道標にしたがって、ごくなだらかな道(らしき道はなくてどこでも登れ てしまうのだが)をゆっくりと登っていく。比較的歩きやすい道だ。確かに空気 が若干薄い気がするが、幸い特に差し支えはなさそうだ。1時間?????行って、休 憩に最適な洞穴を見つけて腰を下ろす。誰かのデポした水が置かれてあった。こ こまで誰一人出会わない。晴れ渡った空に涼しい風、荒涼の地を独り一歩一歩行 く --- 気持ちいい。因みに草木一本生えていないこの状態はかなり異常に思え る。途中、蜥蜴一匹、蝿一匹が出会った生物のすべてだろうか。

しかし、半袖で歩いて快適ながら、汗ばむ感覚がほとんどない。水は(意識して) がぶがぶ飲んでいるのに。これが4000mなのか。別種の熔岩帯を横切った頃から 少しだけ起伏が出てくるが、勾配は相変わらずごくゆるやかで、平地を歩いてい るのとたいして変わらない。熔岩の表面がガラス化しているのか、日光をきらき ら反射してきれいだ。二人の下山者にすれ違った後、ほどなくカルデラに着く。

時間的にちょっと迷ったが…、せっかくなので、急ぎ足で頂上まで行くことにす る。あまりにもなだらかなため、頂上をそれと気づかず一旦通り過ぎるハプニン グもあったが、????時????分、たどり着く。頂上からの高度感あるカルデラの眺 めがすばらしい。スリングで確保しつつ縁まで行ってのぞき込んだり愉しむ。

4.5 リットル用意した水が、この時点で 4リットル使い切ってしまった。意識し てがぶがぶ飲んだのも事実だが…それにしても多い。残り0.5リットルは非常用 として残すことにし、長袖にして汗の発散を抑えることにした。さぁ、お陽様と の競争だ。急ぎ降りることにする。

????時?????分、何とか陽のあるうちに下山できた。車で観測所を後にするとほ どなく陽が暮れた。この初めての4000m山行、あの人一人いない荒野を独り行く 感覚はなかなかいいものだった。それと隠れるところもない荒野で、未来の植物 のための栄養を与えてあげる気分もちょっと開放的だったかも。


情報編

アクセス

ハワイ島へは、ホノルル経由でのアクセスが一般的。日本からは、(ハワイ島の) コナやヒロへの直行便もあるそうだ。ハワイの場合、入局管理の係員が片言なが ら日本語をしゃべったりする。空港のアナウンスでも日本語も流れる。街やホテ ルにも日本語が溢れている。日本から最も気軽に行ける外国の一つかも知れない。

Mauna Loa は島のほぼ中央に位置する。ハワイ島の有名な街はヒロかコナなので、 どちらかに拠点を置くのが一般的だろうか。ヒロの方がずっと大きな街だ。ただ し、ヒロとコナとでは晴天率や降雨量が極端に違う(ヒロは別名雨の街、らしい)。 それもあって、コナはリゾートの街、ヒロは生活の街、という感じらしい。海も 楽しむならコナ、熔岩で有名なキラウエア山に行くならヒロ、という感じだろう か。島南方の熔岩台地やカヌーツアーなどは、どちらからでもアクセスはそう変 わらない。

Mauna Loa 山への登頂ルートは主に二つある。北側からのルート(Mauna Kea側) の方がずっと楽なので、普通、そちらを取るようだ。以下の記述は、すべてこの 北側からルートに関するものである。

Mauna Loa 山に行くための公共交通機関はないので、どこかのガイド会社に申し 込むか、レンタカーを借りるかの二者択一になると思われる。レンタカーは空港 で借りるのが一般的。ホテルから空港までの送迎サービスはあるとは限らない (あまりなさそうだった)。レンタカーの受付では、保険などの説明はおそらく日 本語のものもあると期待できる(が、当然、交渉は英語)。なお、保険は、あえて 申し出ないとつけてくれない可能性があるので、要注意。一方、日本から直接日 本語で(?)レンタカー予約する手もあるらしい。こうしておくと、予約が一杯と いう不幸を避けられる。また、ハワイの場合、日本の運転免許証がそのまま通用 する可能性が高い (レンタカー会社による。Avis と Hertz とは通用した)。

登山口に行くためには、Saddle Road を経由しなくてはならない。ところが、多 くのレンタカー会社の保険では、Saddle Road はカバーしていないらしい。私が 行ったところでは(2002年11月現在) Avis と Hertz とは、Saddle Road もカバー していた。要注意である (余談: Avis の方がかなり安かった)。

Saddle Road は、コナ側とヒロ側とで、道の整備度が全然違う。ヒロ側は道も整 備されて完全な片側一車線かつ路側帯にもかなり余裕がある。一方、コナ側は、 一応、片側一車線ながら、道の中央部のみまずまず舗装がいいという状態なので、 対抗車が来ていない時は、堂々と中央車線を跨って走る、という暗黙のローカル ルールがあるらしい。

Saddle Road から、??????m の○○観測所まで車で登れる。この別れ道には何も 目印がないので、非常に分かりにくい。Mauna Kea へ分かれる三叉路から 200-400mくらいヒロ側寄りに分かれ道がある、ということを覚えておくくらいだ。 ちなみに、Saddle Road の Mauna Loa 側に微妙に小高い丘があって、Mauna Loa への道は、その脇を抜けていく感じになる。

Saddle Road から、○○観測所までの道は、簡易舗装ではあるが、割としっかり している。途中からは、片側一車線になる。平均 40km/h で十分走れる。また、 普通のファミリーカーでも問題なかった。

観測所すぐ手前に駐車場っぽいところがある(無料)。観測所に上がる舗装道路と 分かれを告げて、北に向かうダートの道路が登山口への入口となる。一応、登山 者カードを入れるための箱らしきものがあった (何も案内がないので、確証なし)。 500mくらい入ったところで、ダートの道に分かれを告げて登山道、とあいなる。

地図、装備、天候

  • 地図は、?????のハワイ島全図が、道路地図および概観の地図としていい。 これはどこでも手に入るだろう。登山に使うにはかなり不十分。
  • ?????地図というものも(スーパーで)手に入れることができた。10万分の1の 地形図。ただし、あまりメジャーには見えなかったので、(手に入れられた のは)運がよかったかも知れない。
  • 地図もマイルやフィート単位で書かれているので、要注意。
  • 食糧は地元のスーパーで手に入る。実は、日本的なものがかなり幅を効か せているので、楽しいかも。
  • 高山病予防のため、とにかく水をたくさん持参することが必要。登山道中、 水場は全く見当たらなかった。私の場合、4リットルでは不足だった。因み に、私の場合、日本の夏山(アルプス)でも2リットル以上消費することは まずないのだが。
  • 必携品は日焼け止め。赤道近く4000mの高度の日射しは半端ではない。つば のある帽子、サングラスもあるといいだろう。
  • ガスボンベは飛行機で運ぶのが禁止されているので、現地調達の必要があ る。どんなボンベが手に入るかは不明。また、飛行機でナイフなどを持ち 運ぶなら、必ず、預ける方の荷物に入れるように注意。
  • もちろんまっとうな登山靴で登るにこしたことはないが、道は歩きやすい ので、軽登山靴でもなんとかなるだろう(山慣れている人ならば)。
  • 早い時には 10月に雪が積もることがあると聞く。最も積もった場合、1mく らい。一方、冬中ほとんど雪が降らないこともよくあるらしい。今回の場 合、11月中旬の段階で、一応、半袖でも登れるくらいの気温で(止まると寒 いが)、雪は全く見かけなかった。気温は、1年を通して、そう大きくは変 動しないらしい。夜は冷えるそうなので、日本の秋山くらいのつもりでは 装備した方がいいだろう。
  • 天候はおおむね良い(Mauna Kea に天文台が集中しているのは、そのずば抜 けた晴天率がひとつの理由)。
  • ハワイ島は、いろいろなガイドが発達していて、中には日本語をしゃべれ る人もいる、と聞く。ガイド登山を考えるのも一案かも知れない。

登山道

登山道は、50m置きくらいにあるケルンが道標となる。下山の時には、合わせて、 黄色のペンキ印も助けてくれる。一方、周り中同じような平坦な景色なので、道 を外しがちでもあった。実際、どこでも登れてしまうし、また、ケルンに似たよ うな地形も随所にあるので。道を見失っても、晴れていて明るければ、比較的容 易に本来の道に戻れるだろう。ただし、日が暮れると、特にケルンは(離れたと ころからは)当然非常に見にくいので、かなり注意が必要。道で、最も分かりに くかったのは、黒熔岩帯を横切るところだった。特に下山の時に注意。最悪、 4WD道が横に長く横切っているので、そこに出れば、何とか下山はできると思わ れる。軍隊の演習場が近くにあるので、間違ってもそちらには足を踏み入れない よう…。

周り中、実に平坦な景色なので、雉打ちに適切な場所を探すのはかなり難しい (人も少ないので気にしないことに…)。ビバークするポイントもかなり限られる。???? m付近にちょっとした洞穴があって、ビバークに最適。????m付近にも、4WD道脇 にちょっとした洞穴があった。登山道がカルデラに達して、????との分岐付近に も同様のものがあった。山頂にも何とかテントを張れそうなスペースがあった。 ただし、(国立公園なので?)テント泊は禁止されているらしい。途中、水場はな い。

ルート中、いわゆる難しいところは全くない。勾配もごくゆるい。街中の坂道を 登っている感覚に近い。

山頂には特に目立った印がない…(私は通り過ぎてしまった)。ひときわ大きいケ ルンとビバークサイトらしきものがあるのが、特徴。山頂を通り過ぎると、ケル ンがなくなるので、私はそれで気づいた。

カルデラまで達したところで満足してしまう人が多いらしい。しかし、山頂から 見るカルデラこそ絶景なので、是非、山頂まで足を延ばしたいところだ。日没時 刻には気をつけて…。

途中、公衆電話は全くない。頼み込めば、観測所で電話をさせてもらえるかも知 れない。おそらく最も近い公衆電話は、Mauna Kea の中腹にあるハルプハクのゲ ストハウスだろう。もしくは、コナ側に何km(何10km?)か走ったところの道端に、 緊急用の公衆電話があった。それ以外では、ヒロの街まで行くことになりそうだ。


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まさ (正)