総括
- 山域
- North Wales/Snowdonia/Crib Goch, Clogwyn Gafr
他の人の撮った Crib Goch の写真は、たとえば以下。
http://www10.brinkster.com/alexford/Gallery%202%20Crib%20Goch.htm
http://uk.geocities.com/mountainlists/wal/scrambling.jpg
http://www.hbwatg.co.uk/images/Al%20Cox%20on%20Crib%20Goch_big.jpg - 参加者 (レスター大学山岳部)
- ニック・R、ジョン・S、スティーブ・E、リッチ・S、ベン・H、ライナス、キーナ、ジョー、ローラ、ジェマー、キャサリン、ベン・W、クレア、デイブ、クリス、サイモン、ガレス、まさ
- 期間
- 2005/03/11 -- 2005/03/13 (2泊3日)
- 2005/03/11 Leicester ... Climbing Centre (@Llanberis)
- 2005/03/12 Hut ... Pen Y Pass ... Crib Goch ... Miner's track ... Pen Y Pass ... Hut
- 2005/03/13 Hut ... Pen Y Pass ... Clogwyn Gafr ... Llanberis pass ... (車) Leicester
- 宿泊
- Climbing Centre (@Llanberis)
- 天候
-
- 2005/03/11 雨一時雪
- 2005/03/12 曇
- 2005/03/13 曇時々雪
登山編
このところ寒い日が続いている。実際、先週末のウェールズは、すばらしい冬山 の様相だったようだ。今週末はどうか…。例の 「Snowdonia Snow report」 は、管理者がScotlandにでかけてしまって休業状態で、はっきり しない。でも、抜かりなく冬山装備を持参する。雪があればいいな。
3/11
小屋に着くまでの間、残念ながら雪の気配はない。ただ、晩には小雪が舞ってい た。山の上なら、多少はあるか。明日の予定を議論。マルチピッチの岩のルート とスクランブリングとに分かれることになる。今回、総勢18名で、マルチピッチ をリードできるのは7名、というわけで、必然的に比較的易しいルートを選ぶこ とになった。
私は、リッチ、ローラ、ベン・W と共にスクランブリングの方に行くこと にする。Snowdonia のスクランブリングと言えば、Crib Goch (クリブ・ゴッホ)! 私以外、誰も行ったことがない、ということで、迷わず Crib Goch を提案、決 定した。一年前の1月下旬に Crib Goch に行った時には、およそ雪がなかった。今回はどうか。多少、雪があるかも 知れないが、Grade 1 のスクランブリングで、登攀用具一式も担いで行くから何 とかなるだろう。ローラとベンとは、クランポンもピッケルも持っていないのが ちょっと気になるところではある。でも、Crib Goch は、ナイフ・リッジの岩場、 クランポンやピッケルはあってもあまり関係ないかも知れない。いざとなればザ イルで確保するし、そう問題にならない、と期待する。リッチは、今季、湖水地 方で2回一緒して、それなりの経験があることが分かっているのは頼もしいとこ ろだ。
明日の予定が決まったところで、山岳部としては珍しく出発時刻を設定した。8時半。
3/12
まずは Pen Y Pass までミニバスで。ここで、Ogwen のマルチピッチに行くとい う他の皆と、別れる。一年前と同じ ルートで、Bwlch y Moch まで歩いて、小休憩。ここで、ウォーキン グの一般道と分かれる。
まだ雪はないが、結構寒い。実際、風が相当強くなっていて、まっすぐ歩くのに もちょっと苦労する感じだ。平坦な道から岩場に入ったあたりで、雪が出てくる。 思ったより雪の出現が早い。いざアンザイレン。私、ローラ、ベン、リッチの順 でコンテで進む。
主に岩角を利用してのダイレクトビレイでそれなりに確保しつつ、登っていく。 確保点にはこと欠かず、結構、楽しい。何パーティーか降りてくるパーティーも いる。つまり、雪の上の足跡を辿れるわけだ。とは言え、決まったルートのない この Crib Goch だから、あまり盲目的に信じると、難しい箇所に行き当たりか ねない。もっとも、誰かが降りてきたルートなら、登るのはそう難しくはあるま い。
やがて、Crib Goch の山頂に到着。雲っていて、特に左手(湖側)の見晴らしに限 りはあるが、右は問題ないし、悪くない! 手早く昼食とする。
そして、ここからが Crib Goch の真骨頂。高度感あるナイフ・リッジのトラバー スだ。稜線の岩角をそのまま確保に使えるので、コンテのためにあるようなルー トと言える。高度感を楽しみつつ、慎重にトラバースしてゆく。
トラバース自体はいいのだが、途中、岩場を登るところのうち二カ所(数メート ル)では、僕のリードを二番手のローラに確保してもらった。Mod くらいか? 中 間支点は取らなかったから、万一落ちれば墜落係数 2の落下。慎重に登って、後 続を確保する。これは、Crib Goch としてはちょっと難しすぎるから、最も易し い場所から微妙に外れていたかも知れない。
ガスがかかる時間が長くなった頃、Crib y Ddysgl (別名 Carnedd Ugain; ウェー ルズ(とイングランド)で 2番目に高い)山頂を通りすぎ、Snowdon(Wyddfa)の主稜 線に達した。人の数が急に増える。元々は、ここから Snowdon山の山頂を踏む予 定だったが、時間も押しているので、諦めて、(一般道の) Miner's track 経由 で Pen Y Pass まで降りたのだった。もちろん、ザイルは外して。
今日、結局、ピッケルもクランポンも使わなかった。ただ……、正直言って、ク
ランポンはあった方がよかったと思う。岩場とは言え、ところどころ雪の斜面も
あるので。幸い今日は軟雪だったから、キックステップで問題なかったとは言え。
下る途中、ローラは、初めての冬の山だったと明かした。えぇーー! 冬山初め
ての人が来るような場所ではないよ、ここは……。夏に来ても、肝冷えるような
ルートなのだから……。知っていたら、別のルートを選んでいたところだった。
ひょいひょいと登るその様子は、とても初めてには見えなかったが。まぁ、なに ごともなくてよかったってものだ。
3/13
今日は、昨日と違って、皆、起きるのも遅い。Llanberis Pass の南側の岩場、 Clogwyn Gafr (Craig Fach) (英訳はそれぞれ Goat Crag, Little Crag) に行く ことになった。マルチピッチの岩場が多い中、この岩場はシングルピッチが主だ。 Pen Y Pass までジョンがミニバスで送ってくれた後、20分くらい歩いて岩場へ。 じきにあられが降り始める。
スティーブが最初に Ruddy Groove (Diff, 45 feet) をリードに向かう。ニック がその横にトップロープをセットする。僕は、その横の Mur y Fester (S, 60 feet) をリードへ (ひょっとすると Preliminary Groove (S, 45 feet) だった かも…)。最初、極薄手袋をしたまま登りかけたが、2m 登ったところで、手袋は 外す羽目になった。冷たいけれど…、ホールド感には替えがたい。今日は、難し いというより、寒いのが一番の問題だった。登っている時間より、手を温めてい る時間の方が長かった気がする…。
確保してくれていたジョーが続き、最後、キーナが登ってきたところで、今日は お開きになった。雨あられが降る中、ちょっと寒すぎる、ということだ。
タイム・テーブル
時刻 | 行動 | 高度(m) (計器|地図) | 温度(℃) | 歩数(複歩) | |
2005/03/12 (Pen Y Pass → Crib Goch → Garnedd Ugain → Miners' Track → Bwlch y Moch → Pen Y Pass) |
|||||
---|---|---|---|---|---|
09:25 | Pen Y Pass発 | 359(s) | 2 | ||
09:37 | Foot Bridge | 406 | 400 | ||
09:55 | Bwlch y Moch 15分休 |
562 | 569 | 0 | 450 |
10:20 | ザイル出す 20分休 |
641 | |||
11:40 | Crib Goch 山頂(休) | 937 | 921 | -1 | |
12:05 | 同発 | ||||
13:20 | コル(Bwlch Coch) 5分休 |
866 | 858 | ||
14:25 | Garnedd Ugain 山頂 | 1089 | 1065 | -5 | |
15:48 | Bwlch y Moch | 578 | 569 | 4 | |
16:20 | Pen Y Pass着 | 359 |
表注:
高度の表記で (s) は高度計をその高度にセット。 なお、高度計は、腕時計(Silva/Alta)を使用。歩数は、その前の
項目からの歩数(複歩)。
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