[Japanese / English]
- 総括
- 登山編
- 12/16 (移動)
- 12/17 (Sharp Edge, Blencathra)
- 12/18 (Castle Rock of Triermain)
- South Crag/Yew Tree Climb (38m, VD); Leader ジョン
- South Crag/Via Media (38m, S); Leader まさ
- 観光編
- タイム・テーブル
Summary
- 山域
- Lake District/Sharp Edge, Blencathra, etc.
- 参加者
- ジョン・M、まさ
- 期間
- 2005/12/16--2005/12/18 (2泊3日)
- 2005/12/16 Leicester ...(車)... Bridge End Farm (幕営)
- 2005/12/17 天場 ... (車) ... Scales Farm ... Sharp Edge ... Blencathra (868m) ... Scales Farm ... (車) ... 天場 (幕営)
- 2005/12/18 天場 ... (車) ... Castle Rock ... (車) ... Leicester
- 宿泊
- 幕営 (Bridge End Farm)
- 天候
-
- 2005/12/16 晴
- 2005/12/17 晴
- 2005/12/18 曇後雨
登山編
月初めの湖水地方への旅を風邪で逃してしまった僕、ジョンに声を かけて、湖水地方に来ることに。天気予報では、週末は寒そうだが、 それまでが暖かかったので、残念ながら冬山というわけにはいき そうにない。11月末は猛烈に寒く、20年来の寒い冬という天気予報 が当たっているか、と期待したのに……、その後は、随分と暖かい 日がずっと続いた今年だ。
12/16
晩に湖水地方に到着するも、お目当ての天場が営業していない! 第二候補も閉まっていた。ちゃんとチェックしておくべきだった……。 地図で調べた次の天場に行くと、そこも営業していない、とのこと。 ただ、ありがたいことに場所は(もちろんただで)使わせてもらえる、 と許可を頂いたので、そこに泊まることにする。これはつまり、 便所は使えず、また水道も(あるにはあるが)保証されない、ということだ。
23時半就寝。零下 3℃。
12/17
今日の目標は、Sharp Edge (シャープ・エッジ)。歩登攀グレード 1 の 稜線歩きだ。湖水地方で最も有名な(厳しい)稜線歩きのルート。 ただし、ウェールズのクリブ・ゴッホには遠く及ばない、という噂は 聞いているが……。でも、一度は自分で行かないとね! それに、この湖水地方北部山系には僕は一度も来たことがない。 それだけでも訪れる価値はある。
日が短いこの時期、ジョンは昨晩の 4時間のドライブで疲れているし、 遅立ちにする。10時に歩き始める。 緩やかに高度を上げて登っていくと、やがて、Sharp Edge が見えてくる。 なかなか素晴らしい顔つきではないか!
Sharp Edge 前の湖を通り過ぎる。陽が当たらないため、湖水地方でも 最も水が冷たいことで有名だそうだ……まぁ夏の話でこの時期は関係 なかろうが。まれに雪も見えるが、積もっている、という感じではない。
そして、稜線の歩登攀部へ取り付く。稜線自体は確かに岩の歩登攀なのだが……、 そのすぐ右下側に並行して普通の登山道が走っている。つまり、 危険を感じたらすぐいつでも登山道に降りられる。だから、稜線を 歩登攀するのは、ある意味で、「無理している」感じが否めなくて、少し興ざめ。 そして、そんな切り立った稜線もたった 20分で終わりを迎えたのだった。
確かに Sharp Edge は、高度感溢れてかつ長いクリブ・ゴッホとは比較にならない、 という印象を受けた。まぁ、1日の山歩きとして悪くはないのだが。 見晴らしはいいし。 特に、厳しい稜線歩きに慣れていない人がくる入門コースとしては、 最適かも知れない。短く、かついつでも逃げられ、そして難度もたいした ことがないから。
その後は、Blencathra (ブレンカスラ)山へと登っていった。高度 868m は、 湖水地方としては 14番目に高いそうな。特に、この北部山系では、 少し西の Skiddaw に次ぐ目立つ山だ。Sharp Edge では人に出会わなかったが (冬でかつ寒い(山頂で零下5℃)日だから?)、山頂ではいくつかのグループに 出会った。と言っても、5分に 1グループ来るか来ないかだから、 静寂と言っていいが。
山頂では、風もあり、結構寒い。ジョンと二人、ツェルトの中に入り込んで、 昼食とした。ジョンは、ツェルトを使うのは初めてだったそうだが、 その暖かさに感動していた。そう、薄いビニル一枚とはいえ、風の日は、 内と外では天国と地獄だから。
昼食後は、逆側の緩やかな稜線経由で下降、14時過ぎには下山完了。 寒かったとは言え、よく晴れた気持ちのいい一日だった。
12/18
昨夜、寝る前の気温は -6℃。海抜 200m でこれは寒い。 僕は 2シーズンシュラフしか持参していなかったので、 ひたすら着込んで寝ることになった。十分着込めば、 これくらいの気温ならば 2シーズンシュラフでも暖かく眠れた。
(両親他への)クリスマスプレゼントを買いたいというジョンにつきあって、 アンブルサイドで過ごした後、ジョンの希望で Castle Rock of Triermain の岩場に行く。初めての岩場だ。
時おり小雨が散らつく中、まず、ジョンからリード。South Crag 中の VDiff の Yew Tree Climb (38m)。 悪くないが……、中間支点が取りづらそうで、それなりにランアウトしていた。 フォローする分には全然問題ないけれど。
次いで僕のリード。小雨とは言え雨がそれなりに持続的になってきたので、 合羽を着込む(リードに時間がかかったので、これは大正解だった)。 昨日ほどではないまでも寒く、そして昨日と違って雨がちのこの日、 難しいルートは登る気がしない、というわけで、Severe の Via Media (38m) に。
最初、登山靴で登り出したのだが……、登山靴では最初の部分からして どうもいけない。自信が持てない。というわけで、降りて、クライミング シューズにはき替えて登る。違いは絶大。
中間のレッジまでは問題なく達する。 その上のクラックの入口が核心だと言う。確かに。 ここでピッチを切るのがガイド本お奨めだと思ったが、今日は、一気に登ることにする。 一つ、時間がおしている、二つ、レッジで中間支点を取ると、ロープの 流れの関係上(確保するレッジは、4メートル左側)、最初の数メートルは、 中間支点を取るべきでなくなる、そこが核心なのに!
しかも、絶対の確信が持てる中間支点がなかなかセットできない。 何とか大丈夫だろう、というセットを終えた後、登りを開始。 なかなかハードだ! 苦労して核心を越えた後も実は結構ハード、 そして、悪いことに、信頼できる中間支点がやっぱりなかなかセットできない。
やがて腕が疲れてくる……。不満ながら中間支点の改善をやめ、 上に登っていく決断を下す。落ちないことを条件に。 すると……その上でも同じではないか! 登るしかない。
そして、ようやく比較的安心できる場所にたどりつき、完璧な中間支点をセットでき てひと息ついた。最後の数メートルを登って、ジョンを確保。ジョンは、 手が完全に凍えてしまって、全然だめ、怖かったよ、ということだった。 冷え症の僕はどうってことなかったのに。アドレナリンのなせる業かも……。
日がほぼ落ちてしまった。ここで終了、湖水地方を後にした僕らだった。
今回の湖水地方の旅、最高とは言い難いが、まぁ悪くなかったと思う。 それなりには楽しめた。
観光編
2日目、Blencathra から下山後、車で Stone Circle (ストーン・サークル) に行った(GR291236)。ジョンによると、国で最も古いものの一つだという。 全然知らなかった!
羊が放牧されている(いいのか?!)土地の真ん中に、直径 50m くらいで石が 円形に配置されている。一箇所だけ、石が集中的に配置されていて、何らかの 宗教的儀式に使われたのだろう、ということだ。誰でも自由に入れるし、 石に触ることさえできる。実際、10人あまり人がぶらついていた。僕らも 含めて。いいのか?!
控え目な看板によれば、紀元前2500年から1000年くらいと推測されているそうだ。 場所としては、開けていて、周りの山々が一望できる眺めのいい平地だ。 逆に言えば、人の背丈よりも高いこの重い石の数々を、遠い山からえっちらおっちら 運んできたというわけだ。現代の僕らには窺い知れぬそれだけの動機があったの だろうか。少し過去に思いを巡らせてみる僕だった。
思いがけない訪問で、意外に楽しめた。ジョン、ありがとう。
タイム・テーブル
時刻 | 行動 | 高度(m) (計器|地図) | 温度(℃) | 歩数(複歩) | |
2005/12/16 (Leicester → Bridge End Farm (天場)) |
|||||
---|---|---|---|---|---|
Bridge End Farm 着 | |||||
22:00 | -1 | ||||
23:30 | 就寝 | 172(s)←誤 | -3 | ||
2005/12/17 (Bridge End Farm → Scales Farm → Sharp Edge → Blencathra → Scales Farm) |
|||||
08:00 | 起床 | ||||
10:05 | Scales Farm発 | 225(s) | 4 | ||
分岐 | 100 | ||||
10:24 | 四つ辻 | 500 | |||
10:54 | Ford | 549 | 1082 | ||
11:08 | Sharp Edge取付 | 692 | 365 | ||
11:29 | Sharp Edge終 | 845 | |||
11:40 | Blencathara山頂 (休) |
909 | 868 | ||
12:10 | 発 | -5 | |||
12:23 | 889 851(s) |
||||
13:00 | 左折 | 481 | |||
14:12 | Scales Farm | 180 | 225 | 2 | |
Stone Circle | |||||
19:00 | 天場 | ||||
20:30 | -2 | ||||
22:15 | 就寝 | 190(s) | -6 | ||
2005/12/18 (Bridge End Farm → Castle Rock → Leicester) |
|||||
08:00 | 起床 | 224 | -1 | ||
(以下、記録なし) |
表注:
高度の表記で (s) は高度計をその高度にセット。 なお、高度計は、腕時計(Silva/Alta)を使用。歩数は、その前の
項目からの歩数(複歩)。
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