2008/06/28 ダブデイル登山記録/感想文 (by まさ)

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総括

山域
Peak District/Dovedale
参加者
ブライアン、アンディ・Ra、ダグ (Bowline)、まさ、他2名
期間
2008/06/28 (日帰り) Dovedale (以下、リンクは特記しない限り rockfax.com へのもの)
  1. Tissington Spires/Silicon (24m HS 4b); Leader ブライアン (OF), 2nd まさ
  2. Tissington Spires/Manna Machine (24m VS 4c); Leader まさ (OF), 2nd ブライアン
  3. Tissington Spires/Ten Craters of Wisdom (30m VS; 10m 4b, 20m 5a); Leader ブライアン (OF; 1-pitchで), 2nd まさ
  4. Tissington Spires/John Peel (40m HVS 5a); Leader まさ (OF), 2nd ブライアン
様式: O(s) = オンサイト, F = フラッシュ, (A) = (助言少々), G = グラウンド・アップ, Hp = ヘッド・ポイント
天候
曇後晴 (18℃@11:00, 14℃@15:00頃, 17℃@18:30頃)

登山編

初めて、Bowline Climbing Club の山行に参加してみることにした。 今回はピーク地方まで日帰りの岩登りで、場所は ダブデイル (Dovedale)。 僕は、この 3月に丘歩きで訪れた ことがあるきりだ。当時、「そそられた」のをよく覚えている。 石灰岩の尖峰が印象的だった。今日は、北に行けば行くほど雨に 降られる可能性が高い、ということで、ピーク地方の中で最南部に あるこのダブデイルを選んだ、という。

僕は、ブライアンと組んで登ることに。ブライアンとは、人工壁で すでに顔見知りだ。ザイルを組むのは今回が初めてになる。 気持ちいいとは言い難いがれ場を登ったところにある傾斜のきつい場所から 登り始める。まずはブライアンのリードで HS のルート Silicon を。 すぐ隣では、ダグが別のルートをリードしている。

岩場の下部は草が結構生えていて、ブライアンもダグも時折 草をむしりながらのクライミングとなっていた。 問題ないリードの後、僕がフォロー。格段難しいわけではないが……、 滑りやすいので気をつけて、慎重に登っていった。上部にたどり 着いたところで、ロワーダウンしてもらった。 ブライアンとダグとは懸垂で降りてくる。

次いで、今しがたダグが登ったルート Manna Machine を僕がリード。 Silicon よりももっと草がついている感じ。 石灰岩なので、(僕の慣れた)グリット石より滑りやすく、また岩が 取れそうで完全に信用できない。うーん、石灰岩か。 ホールドは豊富なので難しくはないが、要注意なリードだった。

登り抜けてみて、なぜロワーダウン/懸垂で下ったか理解できた! 逆側もすぱっと切れ落ちているではないか。実はこの岩は全体が鋭く 切り立った崖だった。高度感がいい。登ってきたブライアンを ロワーダウンした後、残置のスリング、カラビナに一つカラビナを足して、 万全の態勢で懸垂で降りた。

続いて場所を少し移して、ブライアンのリードで VS 2-pitch の Ten Craters of Wisdom を。 まっすぐなルートなので、1ピッチで登り抜けることに。 ブライアンはリードを楽しんでいるようだったが、自分がフォローの 段になって納得! ちょっとした「驚き」のあるホールドが何と豊富に あることか。かぶっているとはいえ、手を伸ばしてホールドを取ると、 下から見た予想よりはるかにかかりがいい素晴らしいホールドの数々! 核心のムーブがまたちょっとトリッキー。逃げられるのが少し残念か。 これは素晴らしいルートだといたく感心したのだった。 自然がクライマーのために用意したかのようなルートです!

ここからの下りはがれ場を滑りながら下っていくような感じになって 非常に嫌らしかった。でも、 Ten Craters of Wisdom を登るためならその価値あり!

続いて僕のリード。 一旦、ハイキング道まで降りて、隣の岩に登り返す。三つ星 HVS 5a の John Peel をリードする。 2カ月前に登った Curbar Edge の Green Crack を彷彿とさせる目立つライン。オーバーハングの直下を、おそらくアンダーカットを 頼りに、右上に登っていく。最初はかなり右から左へ斜上していくから、 ザイルワークには注意が必要だろう。ガイド本によれば、中間支点は 十分。指の力と持久力が要求される、という。登らいでか。

最初の 3m の草がちょっといやらしいが、後はきれいなもの。 摩擦に欠けて脆い石灰岩のこと、慎重に登っていく。 核心のラインの手前に着く。中間支点を極めて登り方を見極める。 スタンスは細かいとは言え、十分な程度ある。 アンダーカットは必ずしもよくないが、ジャミングも使えそうだ。 ところどころにガバ(に近い)があって、休む場所は十分ありそう。 石灰岩なので、足のスリップにさえ気をつければ、大丈夫そうだ。

……そしてその通りだった。 指の力? 持久力? どちらもそう必要ではなかったと思う。 悪くないルートだとは認めるが、三つ星はちょっと評価し過ぎかな? 僕としては、(二つ星の) Ten Craters of Wisdom の方が質が高く、かつ技術的にも難しいように感じたものだった。 実際、HVS としては易しい方か?

一方、フォローしてきたブライアンにとっては、そうではなかったようで、 こちらの方が間違いなく難しかった、と。リードだと集中力が違うからでは、 と言う。「いや、羨ましい、リードしたかったよ、このルート。 次に来た時は是非リードしたいね。」とのこと。そうですか。 何はともあれ、楽しんだようでそれはなにより。

そして今日の岩登りはここまででお開き。 ダブデイル、 悪くなかった。庭仕事が必要なのが少し興覚めだが、目立つ岩々が実にそそる。 近いのもいい(ただ、駐車場からは少し距離がある。20分?)。 岩がもう少ししっかりしていたらもっといいのだが、石灰岩だから それはやむを得まい。幾つか是非登りたいルートもある。 また再訪したいものだ。


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