2009/04/04 チャーンウッド石切場登山記録/感想文 (by まさ)

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総括

山域
Leicestershire/Charnwood Quarry
参加者
ロビン、スコット、アンディ・Ri、リチャード・L、マット、まさ
期間
2009/04/04 (日帰り) Millstone Edge (以下、リンクは特記しない限り rockfax.com へのもの)
  1. Lower Tier/??? VS 4c; Leader まさ (OF), 2nd スコット、アンディ
  2. Upper Tier/??? S 4a; Leader まさ (OF), 2nd スコット、アンディ
  3. Lower Tier/??? HS 4b; Leader まさ (OF), 2nd アンディ
  4. Upper Tier/Not Too Bad (HVS 5a); Leader まさ (OF), 2nd アンディ
  5. Lower Tier/Avalanche Valley (HVS 5b); Leader まさ (OF, 1st), 2nd アンディ
  6. Upper Tier/??? S 4a; Leader まさ (GF), 2nd アンディ
様式: AL = 交互リード, MT = コンテ, O(s) = オンサイト, F = フラッシュ, (A) = (助言少々), G = グラウンド・アップ, Hp = ヘッド・ポイント, D(og) = ザイルぶら下がり, E(s) = 諦める/エスケープ, C(d) = クライム・ダウン
天候

登山編

Charnwood Quarry Middle Tier

Middle Tier の VSクラックのルートを登るまさ。Robin撮影。

ロビンらと共にレスター県内部で岩登りする。 今年、レスター県の岩登りガイド本が 30年(?)ぶりかに一新される こともあり、レスター県のクライマーの何人かは活動している。 具体的にはクリーニングしたり、ルートを確認したり、 新ルートを初登したり、という次第。 中でもロビンはその主力で、レスター県の最高難度(E8!)を 打ち立てている。 僕も 2年近く前に Cademan Woods でその活動に参加したものの……それ以降、御無沙汰だった。 今回は、久々にその活動に参加した次第だ。

今日は Charnwood Quarry に。初めてだ。写真で見たことはあって、 また噂にも聞いていて、一度訪れてみたいと思っていたものだ。 40メートル(!)のルートがいくつも並ぶ。うち一つは、E2 4c(!)。 技術的に難しくはないが、万一落ちれば命がない、という代物。 スレートのような岩で、支点がほとんどないか、あっても岩が 結構脆いので、いずれのルートも要注意だ。

ルートの上部に着いて、懸垂ロープを張って下降。 ロビン初登で、同お薦めの HVS/VS 4c/5a のルートをまず登る。 きれいなクラックが核心。このルートは立派な中間支点が取れて、 核心も立派に支点が取れる。素晴らしいハンドジャム! 核心後も 相対的に易しくまた支点も十分取れるスラブ。これはなかなかの ルートだ。一つ星か二つ星かな。VS 4c?

登り切った中間のレッジから上は、これもロビンお薦めの 三つ星の HS/S 4a/4b のルートを登る。ロビンと(僕のフォローの)スコット が一緒に掃除したルートだという。斜めに走ったクラックの 見事なライン。難しくはないもののバランスが要求され、 かつそれが持続する。これは確かに三つ星! 楽しめた。

最初の地点から再び懸垂で下まで降りる。 最初の隣のスラブの HS 4b を登る。支点も十分取れる 立派なスラブのルート。さらに上部で、今度は先ほどのスラブの 横のアレットを登ることにする。このルートはまだ誰も登ったことが ないはず — つまり初登!? せっかくの機会だから挑戦して みたい。それもオンサイトで! このルート、難易度は不明だが、登れそうに思える。 また支点も隣のスラブのクラックから十分な程度取れそうだ。

アレット自体は支点が取りにくく、岩が少し脆いように思うので、 結局、主に隣のスラブを登ることになる。慎重に慎重に。 大丈夫だ。登れる。最上部は岩が少し脆そうなので、 隣のスラブでフィニッシュ。やった、登れた! 初登の怖さを差し引いて、VS 4c というところかな?

ところが……ロビンに既存のルートを確認すると、同スラブを 登るルートは、すでにロビンが初登していたという(Not Too Bad)。HVS 5a。 あら、それはちょっと残念。それでは新ルートとは言えないね。

再度懸垂下降して次のルートを。 先のルートが初登で無いことが分かったので、 今度は初登への意欲が本気でわいてきた! ロビンと確認すると、今日の最初のルートのスラブの左端の コーナーはまだ誰も登っていないという。 これはそう難しくはなさそうだ。 途中に茂み的な木があるのがちょっとうざったいが。 登るべし!

最初はスラブのスタート。鏡面のようなスラブでハード。5b。 そこから V字型のコーナー。左手で壁を押えつつ登るのが ちょっと独特で面白い。4b? 例の薮がうざったかったが、 そこを越えて上に登っていく。上部はかなり脆いようだ。 上から見守るロビンから注意を促される。実際、スリップしかけた! とはいえ、問題なく上まで登り抜ける。僕にとって初めての岩登り初登!

難易度? 難しい……。なにしろ岩が脆いから、技術難易度が どれくらいかあまり意識していない。ただ慎重に登っているわけで。 僕は HS 5b かなぁ、と言ったが、ロビンは、上部は脆いし、 HVS 5b では? と提案。そうね、中間支点もそんなによくないし、 その方が適切か。 フォローのアンディと相談して、名前は Avalanche Valley (HVS 5b) と名付ける。記念すべき僕の初ルート!

この後、上部では、最初の三つ星 S 4a の左のヘアライン・クラックの オンサイト初登を試みようとしたが……、登っているうちに、 掃除が必要なことが分かった。つまり、クラックにごく脆い岩や 泥が詰まっているため、それを最初に取り除かないと、登る自信が ない……いや、それを取り除いてさえ、登れるかどうかは分からない、 僕の限界に近いルートだから。今日は安全を見て、取り止めて、 最初のルートに沿って登り、最後、直登フィニッシュをしてみた。 5b かな。バリエーションということで。

こうして、初登攀の日を終えた。天候にも恵まれ(途中まで Tシャツで 登っていたくらい)、素晴らしい一日だった。岩登りの新たな可能性を 感じたものだ。初登攀とは、実に楽しいではないか! 未知への挑戦こそ 登山の原点。伝統登攀はそれを追求したスタイルなのだから、 初登攀とはまさに原点に返る楽しみと言えよう。今年、もっと レスター県の岩登りに時間をかけてみたい!


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