2009/04/23 チャーンウッド・クォーリー登山記録/感想文 (by まさ)

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総括

山域
Leicestershire/Charnwood Quarry
参加者
トニー、ゾーイ・A、ドーン、ロビン、ルー、ブライアン、ゾーイ・P、まさ、他 (Bowline CC)
期間
2009/04/23 (日帰り) Millstone Edge (以下、リンクは特記しない限り rockfax.com へのもの)
  1. E1 4b; Leader まさ (OF), 2nd トニー
  2. Slip Central (E1 6a); Leader まさ (OF), 2nd トニー;
  3. (2nd) VS; ゾーイ・A、ドーン
  4. HS 4b; Leader まさ (HpF), ゾーイ・A、ドーン
様式: AL = 交互リード, MT = コンテ, O(s) = オンサイト, F = フラッシュ, (A) = (助言少々), G = グラウンド・アップ, Hp = ヘッド・ポイント, D(og) = ザイルぶら下がり, E(s) = 諦める/エスケープ, C(d) = クライム・ダウン
天候

登山編

3週間前5日前とにも 来た Shepshed の Charnwood Quarry に夕方の岩登りに来る。 日が長くなってきたこの時期、県内なら夕方でも十分岩登りを楽しめる! 今回は、 Bowline Climbing Club でアナウンスがあって、結構な数の人が揃うことになった。

現地集合の今日、最初に到着したのはトニーとロビン。 トニーは初めてだから、やはり主スラブを登りますか。 ロビンがこのルートがいいよ、と指さしてくれたのは、 E1 4b(!) のルート。 三分の一くらいの高さのところに頼り無さそうな小さい木があって、 それが最後の支点という。その後は、ぼんやりとしたアレットの 簡単なクライミングだとか。要するに、最上部で落ちたら 40メートルの 墜落、命がない……だからこその E1 4b という滅多に見かけない難易度な次第。

前回来た時、 これより難しいルートを登って、全く落ちる気がしなかったもので、 では、と半分ソロのつもりでその E1 4b のルートをリードすることにする。

その小さな木(15m?)までの間も、支点は一つだけ。 木も頼りない。一方、クライミング自体は易しく、全く問題を感じない。 さていよいよ本番……おっと、木の 3メートル上部に細いクラックが あるではないか。Metolius の黄色トライカムをねじこむ。下向きなら 大丈夫ではないかな?

途中、スカイフックなら支点が取れなくはない — 信用できるか どうかはまったく別問題として。クライミング自体は易しいので 慎重に登っていく。例によって最上部が少し脆くて砂もあって滑りやすいので ことに慎重に。ここが 4b か。
こうして、特に緊張することもなく上まで登り抜けた。実際、 その間、ロビンは隣のもっと難しいフェイスを平気の面持ちで フリーソロしている次第で……。

フォローのトニーは上までほとんど駆け上がってきた。 フォローにとっては易し過ぎるルートかも。

この頃になると、他の人も到着している。 ブライアンに主スラブの HVS 4c を薦めて、僕は、僕の初めての初登 ルート Avalanche Valley (HVS 5b) の隣のフェイスの直登(Slip Central)に挑戦する。 ロビンによれば、(英国技術難易度にして) 6a 程度という (これは 三〜四級、Font 6、V3 くらいに対応)。スラブの角度はそう急では ない(70度くらい?)ので、もし落ちても滑り落ちる感じになるそうだ。 ただし、中間支点は一見あまり取れそうにない。

鏡のようなスタートが難しい。目を凝らして極小の窪みを見つけては 足を置き、手を置いてじりじりと登っていく。ふぅ、これは確かに 6a。 少し登るとちょっと易しくなったか。中間点の斜めに走るエッジに ついてひと安心。

中間支点は……まともなものはやはり取れない。 最小マイクロナッツ(BlackDiamond MicroStopper No.1)と スカイフック二つを使って、それらすべてに流動分散をかける。 これだけやれば、何とかなるか? 原理的には、岩さえもてば 5kN くらいまで大丈夫なはずだから、このスラブのルートでの 墜落なら耐えられるかもと甘い期待をする。

その 3メートル上に別の縦クラックが走るので、そこで小さな支点が 取れなくはなさそう。しかし足場が不安定なのでそれは無視して 登り切ることにする。慎重に。慎重に。5b/5c か?
そして上まで登り切った!

立派なスレート石のフェイスのルートだった。ムーブがなかなか楽しい。 二つ星かな? もう少し独立性が高くて、中間支点があれば、三つ星かな。 このルートの難易度は確定していないが、E3/E4 だろう。もし、E4 なら 僕にとって初めての E4 ということになるか。もっとも、そういう意味での 感動はなぜかあまりない。ルートが楽しかったからそれでいいのだ。

2010年に出版されるガイド本によれば、最終的難易度は E1 6a に なっている様子。核心(6a)が最初の部分で落ちても滑り落ちるだけなので安全、 また、上部は 5bで支点が取れなくはない、ということを考えれば、 E1 6a はそんなものだろうと納得できる。(2010年8月追記)

フォローのトニー、最下部で滑り落ちるものの後は何とか登ってくる。 ゾーイ・A とドーンとが続いてフォロー。もっとも経験の浅い彼女らに 僕の登ったルートは難し過ぎるので、隣の VS のルートを。 「何も(ホールド)ないじゃない! こんなの無理よぉ」 と叫ぶのを、「大丈夫。スタンスを信じるんだ!」と励ます。 二人とも苦労はするも上まで登り切ってきた。「無理だと思ったのに 思いの他大丈夫だった!」と二人とも満足そうだった。 スレート石は他と岩の質が違うから、それも楽しみということですね!

この後、上部で 前回前々回も 登った定番スラブに行く。 毎回登っている三つ星 HS 4b と平行に走るラインを初登しようとしたが……、 十分な登攀用具が無いことに気付いて、クライムダウン。 三つ星 HS 4b を普通に登って、今日はお開きとする。 夕方の岩登りとしては十分な質と量。満足だった!


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