▲欧州的登山生活▲

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第15号: あこがれのアルプス登山 (その四)

発行日
2006/03/27
発行者・筆者
まさ (坂野正明)

まさです。
「めろんぱん」の方で、無事、本登録となりました! もし 配信元を変更したい方がいらっしゃいましたら、御自由にどうぞ。

講習会は卒業、今回から自分たちだけでのアルプス登山の 始まりです。講習終了の翌日、英国から登山仲間のドムが到着 しました。この後、一週間、彼と二人であちこちに登りに 行くことになります。以下、二人の紀行文をお楽しみ下さい! アルプスシリーズ第四回です。

目次


登山記録編 〜〜 あこがれのアルプス登山 (その四) 〜〜

  • 山域: 欧州アルプス/フランス・シャモニー
  • 期間: 2005/07/18--08/02 (15泊16日)
  • 参加者: ドム、まさ

(つづき)

07/24 (雪上訓練)

英国から登山仲間のドムが到着。 ドムとは、以前、湖水地方の冬山 で少しだけ一緒したことがあるが、クライミングはともかく、冬山の基本はなっ てない、と感じた。だから、今回は、まず雪上訓練から入った。 Grands Montets駅へと出向く。天気 はさほどよくなく、雨雪の中の訓練開始となったが、駅の隣だから、迷うおそれ もない。雨雪がいつか降るものなら、今日みたいな日に降ってほしい、というも のだ。

ドムは非常に熱心で、それは嬉しい限りだった。翌日には、今ま での冬の経験すべて合わせたよりずっと多くのことを二日間で学んだ、と述懐し ていた。訓練を主導したものの冥利に尽きる。

07/25 (Mer de Glace)

幸い今日の天気予報は文句無い。Chamonix から登山列車に。モンタ ンベール駅に降り立ってから、氷河に向けて、径 を下っていく。普通の観光客でも通れそうな径が、枝分かれした途中から、垂壁 の梯子の連続となる。そしてすぐメール・ド・グラス(Mer de Glace: 直訳 「氷の海」)氷河上へ降り立つ。200m弱の下降だった。

クランポン装着、アンザイレンして、いざ出陣。 Mer de Glace は、巨大な氷の塊、といった感じだ。アンザイレンした段階では周りにたくさん 見かけた登山者が、そのうち誰もいなくなった。 氷河上の歩行自体を目的にしていた人が多かったのだろうか?

やがて、レショウ氷河との分岐点に着き、右手のタキュル氷河の方に向かう。実 は、この直前まで地図を読み違いしていた。周りのスケールが、自分の感覚より もあまりに巨大なので、あの○○が、△△のはずがない、と思っていたわけだ。 しかし、歩いても歩いてもなかなか着かない……。さすがアルプス!

タキュル氷河に入ってから、クレバスが目立ち出した。本来のルートは右 手の方だが、それよりも少し内側にルートを取ってみる。背丈よりはるかに 高くそびえ立つ巨大なクレバス(ルートに雪はないので、すべて見たまま、 氷のまま)の合間を縫って歩く。 氷の回廊を歩く雰囲気だ。この世の ものならぬ氷の世界。壮観であった。やがて、ドムが岩に書かれた小屋への矢印 を発見し、それに向かうにつれ、スノボーの残骸などで氷河上に作られた標識に出会う。

ロープを外して、最後の急な岩場へ。梯子や鉄のステップの連続の急斜面。不安 はないが、何しろ急なので、一日の最後としては、体力的には結構、消耗する。 ひーひー言いながら、ルカン(Requin:鮫)小屋到着 13:55。僕らが、今日到着 する、最初のパーティーだったようだ。

荷を解き、ゆるりと小屋で休む。じきに雨が降り出し、小屋の中へ。
やがて、小屋の女主人が何か叫んで僕らの注意を惹こうとしている。指さす方を 見れば……、実に見事な完全な虹!! 中空にかかるというより、山の手前にかか る虹だが、両端が地面に突き刺さるような半円形だ。感動であった。

Requin 小屋の生活

ルカン(Requin)小屋が、今回の山行で僕が自分で予約他こなした唯一の小屋だっ た。2日前に電話予約する。

  • 「Bonjour. Vous parlez anglais?」 (こんにちは。英語しゃべります?)
  • 「Non.」

というわけで、仏語で悪戦苦闘する羽目になった。予約だけでなく、ルートの状 況も聞く必要があって……。電話で仏語だけでこなしたのは初めてかも。度胸つ いたってものだ(苦笑)。山小屋なら大抵英語がOKだと思っていたのだが……(ア ルベルト・プルミエ小屋では、ずっと英語だった)、そうでもないようで。まぁ、 フランスですものね、仏語喋れない方が間違ってますわな。

この小屋はかなりマイナーなようで、今回の宿泊客は全員で10人ちょっと、 僕ら二人以外、全員、仏語で会話していた。見事なまでにフランス。 虹が出ていると教えてくれ た女主人に、「仏語ではなんて言うんですか? ()」 と尋ねると、実に嬉しそうに教えてくれた。あはは。
※ arc-en-ciel (空の弧)

夕食は、18時半から。スープ、メイン、デザートと三コース。デザートは、2種類 から選べる。山小屋なのに夕食がうまいのは、さすがフランスの宿だと感心した。 すばらしい! 一方、朝食は、5時から。フランスらしく非常に簡素。

ところで、小屋の寝室には張り紙があった。
「あなたは自分をクライマーと思っているかも知れないし、アルプス登山家かも 知れない。でも、もしベッドを出るときに寝床の整理ひとつできないようなら、 単なる人間の屑だ!」

心しませう。

(つづく)


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次回予告

次回は… 「あこがれのアルプス登山 (その五) 〜〜 エギーユ・デュ・ミディ」

See you later!


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