△第73号: ケアンゴーム北圏谷のクリスマス山行
- 発行日
- 2008/06/25
- 発行者・筆者
- まさ (坂野正明)
まさです。
6月初中旬に帰国して青森、京都と登山にも行っていました。登山が目的だった
わけではありませんが、日本に帰国したならやはり山に入らないと、と。 木のない英国から久々に帰国すると、山の緑がまぶしかったものでした。
日本は杜の国ですね。
今回は、先の 12月中旬の冬山山行の記録を中心とします。 それほど寒くなく、雪も少ない英国では、12月のそれも中旬に冬山の条件が整う、 つまり冬山として登れるところは限られます。最悪、英国全土どこもだめ、 という可能性すらあります。この時は 12月初旬はむしろなかなかの様子だったそうですが、行く前の 1週間でかなり雪が融けている、と聞いていました。 ただ、天気予報によると、その週は冷え込みそうだということだったので、 英国中、ここがだめならどこもだめ、という場所に行きました。 ハイランド中央部のケアンゴームです。結果、薄いコンディションながら、 すばらしい快晴のもとの登攀となりました。 お楽しみ下さい。
目次
登山記録編 〜〜 ケアンゴーム北圏谷のクリスマス山行 〜〜
1年前にも冬山を一緒したグレアムと共に、5日間の冬山の旅へ。 場所も、1年前と 同じく、ケアンゴーム(Cairngorms)の北圏谷(Northern Coires)に。 1年前は日帰りだったが、今回は天幕を張ってじっくりと登り込むことに。
1日目、駐車場から北圏谷の方に 1時間あまり歩いたところの平原に孤独に天幕を張って、 さっそくクライミングに。 135m の(スコットランド冬期登攀)難易度 II の The Runnel を選び、4ピッチで登る。 コンディションはかなり「薄い(thin)」。 最後のピッチのチムニーでは、ドライツーリングに近い感じだったが、 ピッケルのトルクなどまで使えてしまって、それはそれで楽しかった。 また、ここの第 2ピッチは、グレアムにとって初めての冬季登攀の リードだったし、シーズン最初のルートとしてなかなかのものだった!
翌日は、難易度 II としてはこの圏谷中で最高という 120m の Red Gully へ。 2ピッチ目が核心。素晴らしい氷壁のピッチ! 傾斜 70°くらいか? ダブルアックスをきっちりと効かせないといけない。 スクリューもまともに活躍。しっかり効いていそうだ。 リードしたグレアムは大満足の様子だった。僕も大いに楽しめた。
この日は、圏谷までもう一度降りて、ルート(難易度 I)をもう一本 コンテで 50分で登った。さらに翌日には、 北圏谷のうちのもう一つ、 Coire an Lochain に行き、2本プラスα(1本は退却)縦横無尽に楽しんで登って、山行の 締めとした。
今回、僕のスコットランドの経験としては初めて、見事なまでに 快晴続きだった!
何も見えーん、ということの多かった今までとは対照的に、 今回、昼間の青空も満点の星空も素晴らしかった。
というわけで初日の晩はグレアムは(天幕すぐ外での)ビバークを選び、 2日目は逆に僕がビバークを選んだ。つまり、天幕を張りながらも、
3日目の晩まで二人一緒に使うことはなかった。 仲がいいんだか悪いんだか。そして最後の晩は、(場所を
移動したので)天幕を張り直すのも面倒だと、二人仲良く駐車場でビバークとした のだった。
♪テントぉの中でぇは月見ぃはできぬぅ〜
△以上、記録の一部。全文は、以下に載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/record/uk/20071216_cairngorms.jis.html
登山ミニ英語編 〜〜 山岳地形用語 (その一) 〜〜
山岳/登山関係では、何語であれ、しばしばその筋の用語(専門用語)が使われます。
日本語の訳語があるものもありますが……、むしろ原語がそのまま 使われることが多いため、訳語の方が分からなかったりします。
しかも外来語の場合、英語だけでなく、独語や仏語から きていたりしますし、最悪和製外国語になっていたり
するので、混乱に拍車をかけているように思います。 今回から、折に触れて、山岳地形関係の英単語を紹介していきます。 なお、末尾に
(s)
をつけたものは、複数形として使える名詞、 という意味とします。
- corrie(s): 英語というよりゲール語。coire と綴られる
こともあるが、発音は同じ。日本語の訳語は
圏谷
[けんこく]。 実際には、独語(Kar)由来のカール
が使われることが多いか。 氷河の侵食(氷食作用)によって山地の(山頂近くの)斜面に生じた 半円形の窪地を指す。日本なら、たとえば穂高連峰の涸沢カールなどが一例。 - cwm: corrie と同義のウェールズ語。ウェールズの地名なら、 この語を見る。
- cirque(s): corrie と同義の英語。英国の登山の現場で corrie や cwm を見ることの方が多いのは、英国でそういう地形があるのは、 ほとんどスコットランド(かウェールズ)に限られる、という 単純な理由と推測する。
- gully(ies): 急峻な岩溝。谷部のこと。水が流れているとは限らない
(冬季登攀の場合、雪や氷で埋まっているのが普通)。 日本語では
ガリー
ということもあるが、むしろ独語(Runse)のルンゼ
、仏語(couloir)のクーロワール
が使われることの 方が多いか。 - scree(s): がれ(場)、薙[なぎ]。地面一面が不安定な石塊で
覆われた急斜面。富士山の下降路の
砂走り
がもっと急斜面なら、 これに相当するでしょう。
△以上、以下の「登山ミニ英語編」にも載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/lang/english.html#topo
Webページ更新情報
- この記事は、以下にも載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/magazine/backnumber/eu073.html - 「登山(技術など)に関する文書(議論他)」のページに、
「懸垂下降の方法論」
の項を加えました。僕の知る中で代表的な方法を比べて、2008年現在、 僕が(多くの場合で)最良と思う方法も書いています。
登山の多くの(古い)教科書をこきおろすことになっているかも。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/doc/abseil.html#abseilstyle
次回予告
次回は… 「ケアンゴームで冬山入門」
See you later!
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