2008/07/23 ダブデイル登山記録/感想文 (by まさ)

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総括

山域
Peak District/Dovedale
参加者
クローディア、まさ
期間
2008/07/23 (日帰り) Dovedale (以下、リンクは特記しない限り rockfax.com へのもの)
  1. Ravens Tor/Southern Rib (49m HVS (17m 5b, 18m 5a, 14m 4b)); AL, まさ 1-2 pitches (1-pitchで) (OF), クローディア 3-pitch (OF)
様式: O(s) = オンサイト, F = フラッシュ, (A) = (助言少々), G = グラウンド・アップ, Hp = ヘッド・ポイント, D(og) = ザイルぶら下がり, AL = 交替リード
天候
晴 (21℃@19:00, 18℃@22:00)

登山編

今日はクローディアが Ashbourne で仕事、ということで、 僕が仕事後に合流して夕方の岩登りとすることにした。 場所は、Ashbourne からすぐの ダブデイル (Dovedale)。 僕はちょうど 1カ月前に (初めて)岩登りに来たばかりのところ。 クローディアは、ダブデイルではまだ一度も岩登りをしたことがない、 というから丁度いいかも。

ダブデイルは、谷部全体のことだが、今回は 1カ月前と逆に 北側の Milldale からアクセスして、 Ravens Tor に行くことにする。 この 3月に丘歩きで訪れた時に 見かけた垂壁が印象的だったものだ。 なお、ハードなスポーツルートの数々(ほとんど F7 以上、最難は F9a(!))で有名な Raven Tor は、別ものなので、要注意。いずれも石灰岩ではあるが。

ダブデイルは、川の左岸沿いに遊歩道が整備されている (3月に丘歩きで訪れた時の記録参照)。 一方、 Ravens Tor は、川の右岸にあるから、どこかで川を渡らないといけない。 橋の数はごく限られるため、ガイド本には、長靴があると(渡渉に)重宝、 と書いてあることに気付いた……。Milldale から直接、右岸沿いの不明瞭な 悪路があるにはあるらしいが、帰りは日が暮れた後であること確実だし、 それはあまり気乗りがしない。長靴なんて当然、持ってないし……、ふむ、 どうしよう?

「だったら、裸足で川を渡ればいいんじゃないの?」
とクローディア。

そりゃそうだ! 浅い川なのだから、膝までズボンをたくし上げれば渡渉 場所さえ選べば十分だろう。言われるまで気付かなかった……。 涼しい英国とは言え、夏のこの季節。足が濡れるくらいどうってことない。 カヤックもするクローディアは、濡れることに抵抗がないのだろう、 そういう発想がすぐ出るんですね。さすが。

というわけで、遊歩道沿いにアクセス、岩場の正面で、川を渡渉。 さすが英国、思ったよりも冷たくて足がしびれそう。とは言え、 幅 10m もなくて、深いところでも膝まであるかどうか。難なく渡る。 これも一つのアドベンチャー!?

ルートは、HVS 3ピッチ 50m 弱の Southern Rib を選ぶ。クラックが遠くからでも目立つ人気ルート。 僕が最初の 2ピッチを一気に(ピッチを切らずに)リードする。 前半が 5b、後半が 5a。 (後で調べたところでは、またもや伝説の Joe Brown のルートだと判明した! RockFax のピーク地方の岩登りルート 100選のひとつに選ばれていた)

クラックだけあって、中間支点は申し分無い。クラックが消えるところで 左に高度感あるトラバース。確実なムーブが見えないが、指の力で切り抜ける。 少し登って第一ピッチの終了点。中間支点を取って、少し休憩を入れてから、 その上に斜上するクラックへ取付く。最初の取付きのムーブがはっきりしない。 ホールドが幾らでもありそうで、ぴったりのものがない。難しくても 5a の はずだが……、第1ピッチ(5b)のどのムーブよりも難しい気もしないでもない。 とはいえ、所詮その程度。バランスを取りながら取付いて、登っていく。

ルーフに出たところで、1m 左に寄ってから乗越える。乗越え自体はいいのだが、 その直後がちょっと難しい。足はまだオーバーハングの下に載っているから ぐずぐずはしていられないのだが。こちらも十分、5a か。

ここまでずっと綺麗な岩だったが、最後は植物をかきわける必要が あった。(ちょっと怖い)トラバース、テラスにたどり着く。 難しさが持続して、HVS としては、なかなかハードなルートであった。 テラスからの眺めも申し分無い。よかよか!

クローディアも、なんとか落ちずにフォローしてきた。 スタミナのルートねぇ、途中、落ちることを覚悟したことも、と 言っていた。

次のピッチはクローディアがリード。 植物が覆う岩を慎重に登っていく。岩が脆いようで、中間支点がちょっと 頼りない様子。とはいえ、技術的には難しくはないはず。じきに 越えて、上部の平坦な牧草地へと登り消えていった。

この時点で声が届かなくなったが……、クローディアと僕とでは慣れたもの。 ザイルの引き具合で判断して、僕もフォロー開始。脆い岩と覆う植物とに 怖い思いをしながら、上まで登り抜けた。牧草地のずっと向こうに一本生えている 木を支点に確保するクローディアのところにたどり着く。
いいクライミングでした!


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Masa