2007/05/09 スペイン/エル・エスコリアール 登山記録/感想文 (by まさ)

[Japanese / English]



総括

山域
スペイン/El Escorial/Los Machotes
参加者
まさ
期間
2007/05/09 (日帰り)
天候

登山編

2回目のスペイン。 宿泊は、前回と同じくマドリードの(約50km)郊外の町、 エル・エスコリアール(El Escorial)。 仕事なのであまり暇はないが、前回来た時に「そそった」周囲の山々に 今回は行ってみたいものだ。

この時期(5月上旬)、スペインでは日は既に長い。スペインは緯度は そう高いわけではないが、夏時間なのと スペインの経度と時刻域(スペインの経度は英国とほぼ同じなのに、 時刻域はドイツと同じ、つまり実質的に 1時間遅い)の関係で、 夜は 21時過ぎても明るい。というわけで、仕事の終わった後の夕方、 山歩きに出る時間を見つけられた。靴はスニーカー、地図の入手に失敗し、 コンパスの持参も忘れるていたらくだったが……、当地在住の友人に聞きかじった 情報をもとに、宿から直行でひとり町の西方の山へと向かう。

王立エル・エスコリアル聖ロレンソ修道院の横を通り、 (友人の言っていた)フェリペ 2世の何とかの横を通って、 舗装道を行く。ホテル兼レストランで舗装道は突き当たり。 その奥から山へと径が通っているが……この径ではないような気もする。 とは言え、他に径も無いので、それを辿る。

林の中の径。右の眼下に貯水池が見え、その向こうに相当の高さの山が見える (Abantos だと後で確認)。頂上近くのごつごつした岩の感じがなかなかの 顔付で、頂上には展望台が見える。 大いにそそるが、この時間で行って帰れるとは思えない。 この時点で、これは友人が行っていた径ではないと確信した。
後から知ったことだが、エル・エスコリアルはフェリペ 2世ゆかりの町、 つまり(来る途中に目印にした)フェリペ 2世の「何とか」では 全然参考にならないようだ。「何とか」までちゃんと覚えておくべき だった。

帰ろうかとも思ったが……、まだ時間はあるし、右の山(Abantos)と貯水池を 目印にすれば迷ってどうしようも無くなることもない、として、進むことにする。 やがて林道を横切り、山道に入り、と林の中を行く。前方に別の山が見えている ので、そちらに向かうことにする。山頂直下は岩でごつごつしているが、 右側から行く道が無いか、というのが期待。

……残念ながら、山頂よりかなり右に行かないとだめなようで、結局、 林道が交差する峠に出た。はるか前方に池が見え、遠くに低い(?)山々が連なる。 ここはもう木もなく、数頭の牛がいた他は、 荒れ地という感じの場所。ごく背の低いいばらのような潅木がところ どころに生えているくらい。噂に聞く典型的な地中海の風景だろうか。

目指す頂上はここから左方。 林道から離れて数百メートル、見えている一番高いところに行く。 そこまで行くと、先まで見える。頂上はまだまだ先だ。そろそろ 時間が押してきているので、地図もコンパスもない僕は、今日は ここまでとするのが賢明だろう。

来た道を丁寧に引き返していく。覚えていた目印を忠実に辿って。 山道の始まったところにあるレストランで珈琲を頂き、今日の 夕方の山歩きを締めくくった。格別なことがあったわけでも ないが、晴れた夕方を山の中で過ごせたのは悪くない経験だった。


情報編

エル・エスコリアール(El Escorial)

エル・エスコリアール(El Escorial)は、スペインの首都マドリードの郊外 北西約50km にある町(人口 14000人@2007年)。高度 1000m。それに隣接するのが San Lorenzo de El Escorial 町(人口 16000人@2007年) (— 実はこの文章を書くために調べるまで、行政区的に二つの異なる町だとは 知りませんでした……)。 エル・エスコリアールは、世界遺産でもある 王立エル・エスコリアル聖ロレンソ修道院 (Monasterio de San Lorenzo El Real 又は Monasterio de El Escorial) で有名で、これは、スペインで最大の建築物だそうです (同修道院は、正確には San Lorenzo de El Escorial 町内にあります)。

交通機関としては、まず最寄りの飛行場はマドリードです。 マドリードからは、Nuevos Ministerios 駅発の電車 C-8a で、片道 3 EURO程度、 1時間弱(?)の旅。晩ならば 1時間に 1本程度。2007年春の時点で 23時半発の 電車もありました。バスもあると聞きました。

エル・エスコリアールは北部から西部にかけて、千数百m 程度の山に 囲まれています。山の頂上に喫茶店があったり、割と気軽に登れる雰囲気では あります。実際、町から直接歩いて行ける距離に山が数峰あります。 ごつごつした岩場も見え、行ってみたく思ったものでした。 ただし、道標がしっかりしているというわけではなく、 方向によっては人家らしい人家も見えずにただ荒野が広がっているだけ なので、もし道に迷えば、辛い思いをすることになりそうです。 加えて水場は限られる雰囲気なので、それなりの装備、技術と準備は必要でしょう。

参考リンク

El Escorial @wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/El_Escorial%2C_Madrid
http://en.wikipedia.org/wiki/San_Lorenzo_de_El_Escorial%2C_Madrid
http://es.wikipedia.org/wiki/El_Escorial
http://es.wikipedia.org/wiki/San_Lorenzo_de_El_Escorial
http://es.wikipedia.org/wiki/Monasterio_de_El_Escorial
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AB
周辺地図
http://gestiona.madrid.org/nomecalles_inter/Inicio.icm?munic=1317

この文書の先頭へ戻る
「英国での登山的生活」へ戻る
トップへ戻る


まさ