コーンウォール(Cornwall)@イングランドの山情報

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コーンウォール概観

コーンウォール (Cornwall) は、英国最南西に位置し、西方に細長く伸びる半島です。 四国に行くなら佐田岬の突端に行かねば気が済まない、という向きには、 外せない場所でしょう。 独自の言葉(コーンウォール語 (Cornish))を持ち、 地名はしばしば英語と併記されます。 交通の便はよくなく、結局、好むと 好まざるとにかかわらず、車で下道を走ることになりそうです。

コーンウォールは、まず moorland (天然の荒野)の原野で有名で、 DartmoorExmoor の 2つの国立公園を有します。Dartmoor の最高点は海抜 621m で、 南部イングランドの最高点になります。ちなみにこの標高は、 (中部イングランドの)ピーク地方(Peak District)の最高点とほぼ同じです。 また、半島の南北共に海岸沿いの絶壁が連なることでも名高く、 シー・クリフ (sea cliff) 登攀や海岸沿いのウォーキングに訪れる人が多くいます。 最南ということは、それだけ相対的に暖かい(日が多い)ということでもあります。 それもあって、 Deep Water Solo (DWS) や あるいはサーフィン、シーカヤック、ダイビングなども盛んです。

登攀のための岩場としては、 最も有名なのが、最西端(ペンウィズ半島(Penwith peninsula)と呼ばれる地域)の 景勝地ランズ・エンド(Land's End)に近い地域で、特に 北海岸のボジグラン(Bosigran)、 ランズ・エンドに隣接する(=西海岸の)セネン(Sennen)、 南海岸のチェア・ラダー(Chair Ladder)が有名。 これら 3箇所は、地質学的にはイングランドには珍しい花崗岩(granite)質で それも またクライマーを惹きつける一つの理由になっています。 難点は、Land's End (=さい果ての地) の名の通り、どこから行くにも遠い ことでしょうか。


ランズ・エンド(Land's End)近辺

ガイド本

West Cornwall
by Climbers' Club (2000年)
決定版
Cornish Rock
by Rowland Edwards & Tim Dennell (Cicerone社; 1997年)
ダイジェスト

ボジグラン (Bosigran)

コーンウォール半島内のペンウィズ半島の北海岸に位置し、 主フェイスは西向き、300m にわたり、それから少し南西に離れたところに Bosigran Ridge がある。 主フェイスと Bosigran Ridge との間、数10m 沖合に浮かぶ島には、 過去に登攀の記録はあるが、2007年現在は鳥天国としてアクセス禁止されている。

主フェイスでは潮汐に注意が必要なルートはほぼ無し。 シングル・ピッチのルートもあるが、 多くは 2〜4ピッチ。(難易度的に)易しいルートが少なからずある。

などは、英国中のクライマーに名を知られるくらい有名。

セネン (Sennen (Pedu-Mên-Du))

シングル・ピッチが主。2ピッチとされるルートもあるが、せいぜい 25m 前後 なので、60m のザイルなら 1ピッチで登り切って問題無いことが多かろう。 特に Central Area には易しいルートが集中してあり、(山岳部などの)グループ 活動で使われることも少なくない。ただ、 Central Area へのアプローチは ちょっと面倒。小さな石小屋の横を抜けて谷部を南側に 下りて(scrambling Grade 1 程度)から 左にトラバースしていくか(scrambling Grade 1/2 程度)、 懸垂下降で直接降りるか (ただし、懸垂下降用の特別な支点があるわけでは ないので、自分で下降支点を作る必要あり)。あるいは、 Griptight Gully (Diff) をダウン・クライムするか。

一部のルートでは、潮汐に要注意。そうでなくても、稀に高波にさらわれる 事故があるという。 岩場上の小さな石小屋(coastguard lookout)の近くに公衆便所があったはず。

余談だが、セネンでは岩場に隣接して 砂浜があり、海のスポーツも盛ん。 観光名所ランズ・エンド(Land's End)までは歩いて行ける距離。 アウトドアには無縁の観光客も少なからず見かけられる。

チェア・ラダー (Chair Ladder)

ペンウィズ半島(Penwith peninsula)の南海岸、 Gwennap Head (Tol-Pedn-Penwith)内に 位置する海岸沿いの花崗岩の岩場です。

伝説に曰く、魔女マジー・フィギー(Madgy Figgy)がこの岩場の上に腰かけ、 時折、大気の精を呼び寄せて嵐を起こしては船を難破させ、 宝を奪い取っていた、ということです。この岩場はそんな椅子(のような構造)が 連なっていることに名(Chair Ladder; 直訳「椅子の梯子」)の由来があると聞きます。

ボジグランセネンと異なり、 チェア・ラダーは、陸からその全景を見渡すことは 不可能で、また潮汐の関係で満潮時は取付に達することができない場所も 少なくありません(干潮時の 6時間が目安)。岩は、セネンに似て、 石英が散らばる粗い花崗岩です。主にシングルピッチの Ash Can Gully Area を 除けば、高さおおむね 40〜70m、2〜5ピッチのマルチピッチのルートが主です。

チェア・ラダーへのアプローチは、まず B3315 から狭い支道に入り、その終点に(有料の)駐車場(Porthgwarra car park)が あります(トイレと喫茶店もある)。そこから 400m くらい歩道を歩くと、 崖の上部に着きます。 干潮時であれば、取付まで歩登攀で降りられます。どのルートを登るかによって 降りる場所が違いますし、またその径も必ずしもはっきりしないので 要注意です。

チェア・ラダー (Chair Ladder) 関係リンク

Madgy Figgy's Chair
http://www.sacred-texts.com/neu/eng/prwe/prwe181.htm
Climb誌 41号 (2008/07)の特集記事
http://www.climbmagazine.com/Search.aspx?s=ChairLadder

参考リンク


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この文書について

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