▲欧州的登山生活▲

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第56号: 復活祭のスコットランド春山紀行 (中編)

発行日
2007/08/30
発行者・筆者
まさ (坂野正明)

まさです。
御無沙汰しました! この夏は、肘の調子が悪くて、加えて冷夏で 雨ばかりだったため、不本意ではありましたが、それでも、 アルプスやスコットランドに行って楽しんだものでした。

さて、復活祭の休暇のスコットランド紀行の中編、山頂ビバークの 後の岩尾根縦走の記録です。 併せて、ハイランドのハイライトと言うべき ロッホアーバー県について紹介します。また、英国で登山(山歩きから 冬山まで)のガイド本を読む時に必須の知識となるグリッド・レファレンス (という概念)について解説します。お楽しみ下さい。

目次


登山記録編 〜〜 復活祭のスコットランド春山紀行 (中編) 〜〜

6時起床。昨夜は何度か目が覚めたが、まぁ、ビバークならそんなもの。 2シーズンの寝袋で少々の風の中でも特に寒くもなくひと晩過ごせてよかった。 7:50 の時点で気温零度だったから夜間は氷点下だったろうか。 ちゃんと装備さえあれば、これくらいの天候条件でも 2シーズンの寝袋で 十分快適だと分かったのは収穫。

そして、当然、周りには誰もいない。山頂を独占できるのはビバークならでは。 今日は、北側の Carn Mór Dearg へ向けて稜線沿いにトラバースして、 CIC hut の方に下山することにする。ちょっとした 歩登攀(あとで調べるとグレード 1 だということ)。9:05 発。0℃。

雪稜を降りた後、岩場歩きが始まる。クランポンは外して。 特に難しいところはない。どこでも逃げられるし。 易しいグレード 1 というところ。ただし、岩が濡れていて、時折雪も かぶっているので、慎重に歩を進める。 Carn Mór Dearg の山頂着 11:30、2℃。

山頂は濃いガスの中。今から降りる ルートも見えない。方向は分かっているし、明らかに切れ落ちている ような場所も地図にはないので、適当に見定めて降りることにする。 ただ……ザレ場と濡れた草つきの斜面。どちらも嫌らしい。ちょっとした谷部に 雪が残っているところを選んで、クランポンをつけてそこを下ることにする。 一直線の直下降 — おぉっ、なんて速くて安全で快適なんだ!

残念ながら下部では雪は消えているので、クランポンは外すことに。 でも一番急なところは幸いすでに過ぎた。CIC hut を経由して のんびり歩いて登山口着 15時半。11℃。春うらら。

(つづく)


英国の山紹介編 〜〜 ロッホアーバー (Lochaber) 〜〜

ロッホアーバー(Lochaber)は、 スコットランドのハイランド(Highland)の 8県のうちの一つで、 ハイランド南西部に位置します。

(スコットランド・)ゲール語では、 lochは「湖」aber(abar)は「川の合流点」「河口」を意味しますから (参考: Wikipediaの頁:
 http://en.wikipedia.org/wiki/Aber_and_Inver_as_place-name_elements )、 ロッホアーバー Lochaber は、「湖口」という意味になりますね。

英国の最高峰 ベン・ネビス(Ben Nevis; 1344m)が、このロッホアーバー県にあります。 そして、同じく「高」山が林立するグレン・コー(Glen Coe)もこのロッホアーバー県 にあります。また、南西部にある、ということは、ハイランドの中では、 イングランドに最も近い県でもあります。 そのため、ハイランドで最も有名な県と言えましょう。

参考リンク

△この記事は、以下にも載せました。
 http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/info/scotland.html#lochaber


登山ミニ知識編 〜〜 英国グリッド・レファレンス 〜〜

英国のグリッド・レファレンス(British national grid reference system)に ついて、解説します。ウェブ上で日本語の解説を探したのですが 見当たらないので、ならば僕が書きましょう、という次第。

グリッド・レファレンス(Grid Reference)とは、英国(とその周りの海域)で の位置を表すための座標システムです。(英国専用の)緯度・経度の代わりの ものです。たとえば、山で救助を呼ぶ時、今、 グリッド・レファレンス・ナンバーで○○にいる、と言えば、救助隊は、 ただちにその場所を特定できます。 英国の山のガイド本などでも、目印の場所(たとえば公衆電話)がこれを使って 記されています。だから、英国の山を旅するなら、是非、知っておきたい 知識です。 個人的には、非常に便利なシステムだと思います。日本も似たような システムを導入すればいいのに、と。

グリッド・レファレンス・ナンバーは、通常、たとえば 「HU 396753」のように書き表されます。最初の 2つのアルファベットが 100km四方でのおおよその位置を表します。HUなら、スコットランド北部の オークニー諸島付近です (参考: http://en.wikipedia.org/wiki/British_national_grid_reference_system )。 次の 3桁の数字が、その中で、東西のどこに位置するかを 100m の精度で 表します。最後の 3桁が、南北でどこに位置するかを表します。

英国の地形図には、ほぼ必ずこのグリッド・レファレンスの枡目が 書かれています(地図にもよるが、多分、水色の線)。それぞれの枡目に 2桁の数字が印刷されていて、これが 1km 四方の枡目を表します。 最後の 100m の精度は、自分で地図から読み取るのが普通です。

なお、(携帯)GPS を使っていると、(英国座標を設定しておくことで)現在地が このグリッド・レファレンスで示されます。6桁ではなく、10桁(つまり 精度 1m)で表されるでしょう。

△この記事は、以下にも載せました。
 http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/trivia/britishculture.html#gridreference


Webページ更新情報


次回予告

次回は… 「復活祭のスコットランド春山紀行(後) 〜〜 グレン・コー」

See you later!


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