登山に関するゲール語豆知識

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ゲール語とは?

スコットランドは、元々はケルト人が住んでいた土地、そこに まずローマ帝国が一部、征服しました。中世では、イングランドと 激しい勢力争いを繰り返し、エリザベス女王の時代に、スコットランド 女王メアリが処刑され、イングランドに統一されたのでした。

そんなスコットランドで現在使われている最も主要な言葉は、圧倒的に英語です。 しかし、元々のケルトの言葉が一部、残っています。 (スコットランド・)ゲール語(ゲール語表記なら Gàidhlig (na h-Alba)、 英語なら (Scottish-)Gaelic) (ウィキペディアの項はこちら(日本語 / 英語)と言います。 今では、ゲール語を母語とする人はスコットランド人の 1パーセント程度とか。 しかし、特に、地名には、今でも多くのゲール語が残っています。 北海道の地名とアイヌ語の関係に似たような感じでしょうか。

ゲール語はアルファベットで表記されます。「'」や「`」などの 符合が母音の上につく場合があるのが、英語と若干異なる点です(仏語の ような感じ?)。地名も、ゲール語表記と英語表記とは若干異なるので、 スコットランドに行くと、たとえば道路標識や駅名の看板などが両言語併記になって いるのをよく見かけます。 一方、発音はかなり異なります。 文法はそれ以上に大きく異なるそうですが……、よく存じません。


登山関係のゲール語

まずは 2つだけ、これだけは知っておかないと、というのを挙げましょう。 特に最初の語は、実質上、英語として使われています。 英語の登山ガイド本にもそのまま登場する語です。

loch
湖 (例: Loch Ness 「ネス湖」)
lochan
池 (loch よりはずっと小さいもの)

地名の例

Sgurr Dubh
「黒き岩の尖峰」
"Sgurr" は「岩の尖峰」、"Dubh" は「黒い」という意味。
Sgorr Ruadh
「茶けた尖峰」
"Sgorr" は「岩の尖峰」("Sgurr" の別表記)、 "Ruadh" は「赤い」「褐色の」という意味。
Ruadh-stac Mòr
「赤き大山」
"staca" は「絶壁」「高い山」、 "Mòr" は「大きな」「立派な」という意味。
Leathad Buidhe
「黄色い斜面」
"Leathad" は「坂」「(丘の)斜面」、"Buidhe" は「黄色い」という意味。

外部リンク

Ordnance Survey (OS)社の ページに有用なリンク(幸い(?)英語で書かれています)があります。


ゲール語の発音

まずは最も有名な一点、"loch" の "ch" は、息を 激しく吐き出す破裂音です。日本語にも英語にも対応する音はありませんが、 敢えて日本語表記すれば、"loch" は、「ロッホ」と聞こえます。 独語の "ch" の音に近いんだと思います。

また、"h" が含まれていると、発音がかなり(英語などからの)類推と 異なってくるので要注意です。たとえば、"mh" は、 英語の [v] のように発音するようです。


ゲール語の文法

ウェールズ語と同じく、VSO 形式、つまり、動詞、主語、述語の 順が標準だそうです。かなり変わった形式ですね。

名詞には性があって、また単数と複数とがあります。面白いのは、 複数形は、2以上ではなく、3(!)以上の場合に用いられるのだとか。


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