▲欧州的登山生活▲

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第27号: 美しのトリドン三たび (その一)

発行日
2006/07/20
発行者・筆者
まさ (坂野正明)

まさです。
英国は、「暑い」日々が続いています。といっても、最高気温 30℃を超えるか どうか、というところなので、日本から見たら「暑い」には入らないでしょうけど、 不平屋の英国人はぶうたら文句を垂れています。 ただし、クーラーはないところが多いので、じかに自然の温度を感じ取ることが できます。空気の出入りの悪い僕の職場に至っては、日中の室内気温が 40℃近く になり、日本人の僕もさすがにちょっと辛いものがあります……。

さて、涼を求めて、というわけではありませんが、 今回から、先の冬山正月山行を 3(?)回にわたってお届けします。 向かったのは、1年前の正月山行と同じく、スコットランドはトリドン山地。 連れも、去年のメンバーの一人、ジョンでした。

スコットランドで最も美しいと言われる場所である
http://square.umin.ac.jp/~massie-tmd/site.html#Torridon
とまで言われるトリドン山地紀行。お楽しみ下さい。

(なお、スコットランドとトリドン山地については、本メルマガ 第2号第3号で 簡潔に紹介したものを、
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/info/scotland.html
に拡充してまとめています。)

目次


登山記録編 〜〜 美しのトリドン三たび (その一) 〜〜

この冬は、長期予報によれば、20〜30年来の寒さだと言う。実際、 11月末には強烈に冷え込み、イングランドでも雪が見られ、期待が高まった。 ところが、12月に入って、一転、暖かい日が続いた。今回、来る直前まで 天気予報を期待と願望とをもって眺めるも、その傾向に変わりはない様子で、 あまり雪が期待できそうな状況ではないようだった……。12月、経済的に 余裕がない、というジョンのため、僕は、2つ目の雪崩ビーコンまで購入して この山行に備えたのだが、はてさて、出番はあるのだろうか??

12/29

僕は 5時半起床、BBC4 の船舶海上予報を聞いた後、 ひとりで外に偵察行に出る。 朝の陽の光の中、あらためて確認するに、確かに山の上にもおよそ雪が 見当たらない……。谷筋に若干残っているくらいか? しかし、Liathach の 北面なら何かあるのではないか、というのが僕の微かな希望で、偵察行の 目的だった。実際、今朝の気温は小屋(標高85m)で -2℃と十分に低い。 降るものさえ降っていれば、気温的には申し分ないはずだ。

一般道に沿って、一年前に登った Access Gully の方に向かう。近付くにつれ、失望が大きくなる。 去年は、少なくとも谷筋の取付の周りには雪があったのに、今年はそれすらない。 谷筋の中でさえ雪はおよそ全然ないかも知れない、という雰囲気だ。 周りで、時に、水が染み出している場所が凍ってつららのようになっている場所もあるが、 登れるという感じでは全然ない — 少なくとも僕らの技量では。
結局、高度差にして 400メートルあまり登った後、失望とともに小屋に帰った。

僕が小屋に帰った頃になると、ジョンも用意ができていて、小屋の裏の Sgurr Dubh (782m) に登ろう、と話がまとまった。11:17 発。 実は、この Sgurr Dubh、 4年前に来た時、 一旦は目指しながらも諦めた山だった(途中で雪合戦大会になった……)。 Ling小屋からの眺めの中で非常に目立つ山で、而来、一度は登ってみたいと願って いたもの。今日登れたら言うことない。

そして、特に問題なく、13時半前には、念願の頂上に立った。頂上が 少し平たい分、眺めは最高とは言い難いが、でも悪くない。 トリドン山地というマイナーな山系のさらにマイナーなこの山、当然、 小屋を出て以来、誰一人見かけることさえ無かった。すばらしい!

頂上の気温は -7℃。かなり冷え込んでいる。僕は、一層の薄手の防水手袋 をしていた。トリドン山地の救助隊御用達という売り文句で売られていたもの。 実際、ロープを扱ったり、登ったりするのには、最高のものだった。しかし、 この気温で風の中では、この手袋では手が凍えるのを防げなかった……。 運悪く、替えを小屋に置いてきてしまっていたので、ジョンに手袋を借りて、 ひと心地ついたものだった。反省!

Ling Hut の電気のある(?)生活

泊まったリング小屋は4年前1年前に記録したのと 少し異なっていた。最大の違いは、何と言っても、電化されていたこと! 電化されたおかげで、毎朝のポンプによる水汲み上げの義務もなくなった — 電動ポンプが導入されていたので。もちろんガスランプも 電灯(蛍光灯)に取って代わられていた。あと、ガスと言えば、 コンロとストーブくらいになっている。

大変便利になった。少し、風情が無くなって寂しい気もするが、 まぁ、そういうものだろう。宿泊費が 4割上がったのは、痛いが。

さて、ガス設備は、無くなっているわけではない。ここの電気は、 ガスによる自家発電で、それがたまに止まることがある、と小屋の 注意書きにあった。そういった際には、どうすべきか、という説明まで ある — ようは、僕らが昔来た時のようにガスの生活に戻れ、 というだけだから、僕らとしては慣れたもの、心配するに及ばない。

そして……、この自家発電、本当に、僕らが 1泊した後の翌朝に 止まってくれた! お約束? その後、回復することなく、結局、最初の夜を除いて 1週間、今までと同じく電気無しの生活を送ったのであった。あはは。 (宿泊費 4割返せ〜)

(つづく)


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次回予告

次回は… 「美しのトリドン三たび (その二) 〜〜 思いがけない出会い」

See you later!


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