▲欧州的登山生活▲

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第40号: 雷鳴轟く尖峰登攀(ガードムズ)

発行日
2006/12/31
発行者・筆者
まさ (坂野正明)

まさです。
2006年最後のメルマガ配信です。今回は、 7月に行った岩登りで、自然の畏怖を感じた経験、それを綴って みました。一緒に行った初心者はどうだったか、と言えば……? お楽しみ下さい。

僕は、明日、元旦からスコットランドに 1週間ほど登山に行きます。 今年こそまっとうな雪山が経験できそうな気配です。ついでに、英 国最高峰にも初めて登って来られるかも知れません。楽しみ!
皆様の中には、年末年始山行に行かれている方もいらっしゃると思います。 また、楽しい経験など、よかったらお便り下さいね。

では皆様、よいお年をお迎え下さい。

目次


登山記録編 〜〜 雷鳴轟く尖峰登攀(ガードムズ) 〜〜

地元の人工壁登り仲間のアンディと初めて外に登りに来る。アンディは 人工壁は週に 2度ほど通っているが、外での岩登りの経験はほとんどないらしい。 珍しく晴れ渡っている今日の空の下、楽しい岩登りの一日になればいいな。 そして、特にアンディには、いい思い出を持ち帰ってもらえたら。

午後も半ばを過ぎた頃、二つ目の岩場、ガードムズに向かう。 30分ほどてくてく歩いて着いた頃には、少し空が暗くなってきている。 遠くに黒雲が。あんなに天気がよかったのに。

でも、せっかく来たんだから、一つくらいは登りましょう。 速攻で三ツ星ルートの Apple Arete を登る事にする。VS 4b だから、速攻のはず。ちょっとした塔を登る 感じで、これは気持ち良さそう。

ギア・アップして僕が登り始めるとすぐに小雨が散らつき始めた。これは本当に 速攻で登らなくては! 急ぐ、急ぐ。実際、難しくない。高度感が素晴らしい。 確かにいいルートではある。

塔の頂上まで登り切った頃には、雨足がちょっと強くなってきている。 ハーネスに合羽をぶらさげていてよかった。すぐアンディの確保へ。 遠くに雷も聞こえている。アンディ、これはやばいかも、速く登ってくれ!

アンディが登るにつれ、雨足はさらに強まる。おまけに雷も近付いてきている! げげげ。こんな塔の天辺で、金属製品に囲まれて、導火線ならぬ濡れたロープに 結ばれて……でもアンディを確保している以上、逃げるわけにもいかない……アンディ、 頼むから一刻も速く登ってくれ!

塔の上部まで 3メートルのところで(実はその上が核心)、アンディは右横にトラバース することに決める。そこに細いレッジがあるので、確保されていれば、トラバース して、樹林帯に逃げられる。 アンディが安全地帯に行くやいなや、僕はロープを下に落とし、金属製品も身から 外して、アンディに合流する。今や雨は叩きつけるように降り、 空には稲光、地面も雷が落ちるたびに揺れている。

ガードムズは、樹林帯の中、丘の頂上付近にある。そそり立つ岩場の近くにいても ろくなことはない。多少でも下って、低い所に行こう。しかし、この雨、7月とは 言え、ここはイングランド、冷える。僕はまだ上半身合羽があるからいいが、 Tシャツのアンディは寒かろう……。

樹林帯の中、多少なりとも雨から避けられ、高い木も避けた場所をそれぞれ 見つけ、アンディと僕とは別々に避難する。僕の避難した場所からアンディの 姿は直接は見えないが、いい場所を見つけられただろうか……。

雷雨はやむことを知らない。ただひたすら雨と雷鳴、地響き。時にアンディと お互いに声をかけあって、お互いの無事を確認、大笑しながら励ましあう。 今はただ、雷雨が過ぎ去るのをじっと待つのみ。

30分ほども経っただろうか。ようやく雷は去っていった。雨もようやく小降りに なってきた。アンディと落ち合う。お互い元気に生き延びて重畳だ。 「自然の畏怖」というものを感じたね、と笑顔のアンディ。全くだ。

結局、アンディは、最初に避難した場所では、上から雨がこぼれ落ちてきて、 途中で寒さに耐えられなくなって、外に走りに出たのだとか。体を温めるために。 その最中、ちょうどいい洞窟を見つけて、後は快適に過ごした、という。 今日に限って合羽を忘れてきたのが痛恨だったよ、と。いや、僕も、今日、 合羽を使うとは全く予想していなかった。単にいつものものをザックに 放り込んできただけだったのだが、合羽があってよかった、本当に。

後で時間を計算してみると、実は、雷雨の中、2時間くらい 耐え忍んでいたことが分かった。げっ、そんなに長かったのか……。 陽が長い時期でよかった。おつかれさま、だ。

というわけで、とんだ一日になったのだが、アンディはなかなかポジティブで、 得難い経験だった、と満更でもなさそうだった。 確かに人工壁では経験できないことではあるなぁ。 よかった……かな? (笑)

△以上、記録の一部。全文は、以下に載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/record/uk/20060702_peakd.jis.html


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次回予告

次回は…「湖水地方最奥の塔で星空ビバーク」

Have a Happy New Year!


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