△第59号: 250m の垂壁登攀 (トレバン山東壁)
- 発行日
- 2007/10/01
- 発行者・筆者
- まさ (坂野正明)
まさです。
今回は、北ウェールズのトレバン山の 250m の垂壁ルートを登った 時の記録から始めます。難易度(前回に引続き解説しています)的には
易しい登攀でしたが、大いに楽しめました。併せて、 同山を含む北ウェールズのスノウドニア地域の紹介もしています。
お楽しみ下さい。
目次
- 登山記録編 〜〜 250m の垂壁登攀 (トレバン山東壁) 〜〜
- 英国の山紹介編 〜〜 北ウェールズ/スノウドニア概観 〜〜
- 登山ミニ知識編 〜〜 フリークライミングの難易度 (その四) 〜〜
- Webページ更新情報
登山記録編 〜〜 250m の垂壁登攀 (トレバン山東壁) 〜〜
トレバン山は、その東壁(East Face)が(比較的低難度の)クライミングで有名だ。 山の中腹を横断するテラス(Heather Terrace)から上まで直登する。 選んだルートは、おそらく最も有名でポピュラーな Grooved Arete。 250m 近い長大なルートで、北ウェールズならでは。 イングランドにはこのスケールのルートは存在しない。 難易度 HVD。
第一ピッチ、第二ピッチは僕がリード。 眼下に(取付の)テラスが遠ざかっていく。遠くの眺めもなかなかのものだ。 第三、四ピッチはグレアムがリード。 この第四ピッチは特に高度感が楽しめる。僕はフォローだから 怖くもなく。終了点のテラスも下まで覗けて悪くない。
次が核心。僕のリード。 垂直に 4メートルほど登った後、チェス盤のような岩面を斜めに登っていく。 Knight's Move と名付けられているスラブだ。チェスのナイト(騎士)の ような動きで登るという次第。ホールドは大きくはないが豊富で、 確実に登っていける。楽しい。 そしてこの後は 2ピッチで終了し、トレバン山の山頂まで登り抜けた。
今回、登攀中、 ほとんど限界までぬんちゃくを伸ばす必要があったのは、さすが (単なる岩場でなく)山のルート、ということだろう。30cm どころか 60cm まで伸ばしたことも少なくなかった。こうして、山の岩壁を登っている という雰囲気は格別なものだった。登山登攀かくあるべし!
△以上、記録の一部。全文は、以下に載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/record/uk/20070421_tryfan.jis.html
英国の山紹介編 〜〜 北ウェールズ/スノウドニア概観 〜〜
紀元一世紀にローマ人がブリテン島(イギリス本土)に攻め入って来た時、 現イングランドはほぼ全域征服されましたが、ウェールズは難を 逃れました。 あまりに山がちなので、魅力がなかったのだろう、と 言われています。
これは、現在では、ウェールズは山好きにはこたえられない場所である、 ということでもあります。中でも最も山深いのが北部で、13世紀に イングランドに征服されるまで、(ウェールズの中で)最後まで独立を 保っていた地域です。ウェールズ(とイングランドと)の最高峰が (英語読みで)スノウドン山 (Snowdon; ウェールズ語: Yr Wyddfa)、標高 1085m で、 それを盟主とした地域が Snowdonia (ウ語: Eryri)(英語読みでスノウドニア)と 呼ばれます。スノウドニアの境界はかなり曖昧ですが、スノウドニア国立公園は ざっと南北 70km、東西 30km にわたる地域を指します。
スノウドニアの中で、高い山は北部に集中していて、中でもスノウドン山群、 トレバン(Tryfan; 英語読みなら「トリファン」が普通)山を 含む Glyderau(英語: Glyders (グリデールズ))山群、 Carneddau(カルネザイ)山群が有名です。中部は相対的にマイナーですが、南部には (南部)最高峰 Aran Fawddwy (アラン・ファウズゥィ)山(905m)と険しい Cadair Idris (カデール・イドリス)山とがそびえます。
歩・登・攀・漕、よりどりみどりのスノウドニアに一度どうぞ!
△この記事の全文は、以下に載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/info/wales.html#snowdonia
登山ミニ知識編 〜〜 フリークライミングの難易度 (その四) 〜〜
(第58号「フリークライミングの難易度 (その三)」からのつづき。)
第53号で、英国の岩登りでは、難易度が 二つの値、形容難易度と技術難易度 (technical grade)で表される、と書きました。 前号で形容難易度 を述べたので、今回は技術難易度について解説します。
技術難易度は、易しい方から
3c, 4a〜4c, 5a〜5c, 6a〜6c, 7a〜7b (7b が現在の最高難度)
となります。これが、そのルート(正確にはピッチ)中で技術的に最高難度の ムーブ(一動作)の(オンサイトでの)難易度を表します。
これは見かけ上、フランス方式とそっくりですが、意味は 異なります! 区別する場合は、フランス方式を F6a などと表します(英国では)。なお、フォンテンブロー(地名)の ボルダリング難易度は、「(Font) 6a」などと書き表し、これまた意味が 違います。実に紛らわしいですね。
これら「英国式」は、一般に、「伝統的」クライミング (trad(itional) climbing; 「トラッド」とも言う)のルートでのみ用いられます。 スポーツクライミング(ボルトが打たれたルート)のルートや屋内クライミング では、英国では、フランス式が用いられるのが一般的です。その場合、 支点の取り方による危険度が存在しないので、確かにフランス式が 妥当でしょう。
今回のルートでは、HVD (Hard Very Difficult) という形容難易度だけで 表され、技術難易度が出てきませんでした。これは、技術難易度をつける 必要があるほど難しい場所がなかったからです。僕は一番難しいムーブは 3c 程度だったと思いました。ですが、3c (ほどの易しい難易度)なら 技術難易度は省略されることが珍しくありません。そして、HVD (という易しい難易度)なら技術難易度を伴わないことの方がむしろ普通です。 次回は、この点について堀下げます。つまり、 この二つの指標(形容難易度と技術難易度)の標準的組合せについて解説します。 (……つづく)
Webページ更新情報
- この記事は、以下にも載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/magazine/backnumber/eu059.html - この翌日に行った Ramshaw の岩登りの記録を以下に載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/record/uk/20070422_ramshaw.jis.html
次回予告
次回は… 「岩登りならここ! (ボジグラン)」
See you later!
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