▲欧州的登山生活▲

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第42号: ピーク地方荒野を独り彷徨(ブリークロウ)

発行日
2007/02/12
発行者・筆者
まさ (坂野正明)

まさです。
今日は、先の 7月末のある日、ピーク地方第二の高(?)峰ブリー クロウ(Bleaklow)山に行ってきた時の記録です。Bleak は「荒涼とした」とい う意味なので、Bleaklow は文字通りには「荒涼とした低地」になりま す。ピーク地方屈指の高峰にして「低地」とはこれ如何に??
何はともあれ、先に行ったピーク地方の最高点キンダー・スカウト(メ ルマガ第39号)よりさえも、楽しんだ週末でした。

あわせて、ピーク地方の紹介文(の第一回)を書きました。 ピーク地方は、本メルマガに最も頻繁に登場しているにも関わらず、 今までちゃんと全容を紹介したことがありません。総括するのは容易 ではありませんが……、頑張ってみます。 お楽しみ下さい。

目次


登山記録編 〜〜 ピーク地方荒野を独り彷徨(ブリークロウ) 〜〜

土曜午後、ふと思い立ってピーク地方に登山に行くことにする。
どこに? 今まで全然足を踏み入れたことのないピーク地方の北の方(Dark Peak北部)は 如何? 中でも、最高点ブリークロウ (Bleaklow)は、ピーク地方の中で第二の高度もある。 時間も遅いから、当然、泊まりになる。ビバーク山行だな。独りを満喫できよう。

かくして出かけたのはいいが、急なことで、日が長いこの時期とはいえ、 さすがにちょっと時間がおしている。駐車場を発ったのはなんと 21時! しかも、登山道をいきなりはずしてしまったり。 ちょっと焦る。

だんだん本気で暗くなってきて、ちょっと傾斜がなだら なかになった頃、そろそろビバーク地選定。急ぐ べし。道からちょっと外れて、山(丘)の只中へ。割と平らな地、 この辺りかな? 隣接した(羊避けの)柵にツェルトの片側を結びつけられるのがありがたい。 そそくさとビバークの用意。シュラフカバーにもぐり込んだ頃には、雨が降り出した。 間に合ってよかった!

翌朝は 4時半起床。一晩中、雨が降ったりやんだりだったようだったが、今朝は 悪くない。 今日の目的は、まずはブリークロウの三角柱(621m)、次いで最高点(633m)へ。 昨日登ってきた登山道まで下り返して、そこから道沿いに。しかし、やがて 登山道がおぼろげになる — 登山道が消えたとも言えるし、周り一面 登山道だらけみたい、とも言える。これぞピーク地方・ダークピークの醍醐味。 登山道に沿うことにはほとんど意味がなく、地図と相談しつつ、自分で行く 道を決めて行くべし。 ナビゲーションの真価が問われる。

「登山道」が意味無いとは言え、この登山道はペニン道、ピーク地方の 最主要(?)登山道、時に目立たない道標が立っている。高さ 50cm くらいの石柱。 辺り一帯に広がる畝の高さは3メートルくらいだから、意味がどれくらいあるかは 別問題。加えて、三角柱は登山道からは大きく離れているので、この 「登山道」ともやがてはおさらば。 なだらかな丘陵地帯、 まだ見えぬ三角柱はこの方向のはず……歩く、ただ歩く。あった! 三角柱だ。 当然、周りに誰もいない。キンダー方面の眺めなど、なかなかの もの。素晴らしい!

……かようにその後、2時間ほど高(low?)地の荒野を独り思うままに歩き回って、 最後、目標の(行きとは違う)下山道に無事にたどり着いた あたりで、初めて人に会ったのだった。登ってくるグループに。

1泊2日過ごしてみて、 このブリークロウ近辺、僕は、キンダー・スカウトよりも むしろ気に入った。マイナーでさらに広い。キンダー・スカウトの場合、西に出ても 南に出ても比較的すぐに確立した登山道にぶつかるが、ブリークロウは広く、 さらにちゃんとした地図読みが求められる。そして、無人の荒野は存分に楽しめる。 僕の好みだ。

今回のビバークも悪くなかった。自然を感じるには一番の方法かも。 「The Book of Bivvy」(=ビバークの本)という本では、人が下山する頃に 登り、山でひと晩過ごして、他の人が登ってくる頃に下山するのが いかに素晴らしいか綴られていたが、まさにおっしゃる通り。 ふと思い立って出かけて、存分にダーク・ピークを楽しんだ週末だった。

△以上、記録の一部。全文は、以下に載せました。
 http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/record/uk/20060729_bleaklow.jis.html


英国の山紹介編 〜〜 ピーク地方 (Peak District) (その一) 〜〜

英国をクライミングの聖地と見なすあなたなら、Peak District/ピーク地方の 名は聞いたことはありますね。英国ロック・クライミングの核心地域と言って 異論が出ない地域です。スタニッジ・エッジ(Stanage Edge)をはじめ、名高い 岩壁の数々がここに集中します。 湖水地方と並び、 イングランドで最も有名な国立公園です。

場所としては、 ピーク地方は、イングランド中央部北寄りに位置する、ペニン山地丘陵地帯 の南端付近一帯を指します。 ハダーズフィールド(Huddersfield)町の南くらいに(国立公園の)北端の境界が あります。

ペニン山地は非常に古い山地なので、丘陵という表現がぴったりで、 山地全域が牧畜に使えます。実際、保護されている領域も小さくないとはいえ、 それ以外の地域ではほぼどこでも羊が草を食んでいるのが見かけられます。 いずれにせよ、産業革命の頃からか、森林は現在までにほぼすべて切り倒されて いるため、たまに林を見かけると目立つ状態です — これはイングランド全域 どこも似たようなもので、ピーク地方もその例外ではない、という話です。

だから、ピーク地方は、(その名に反して!)たとえば剣岳のような険しい登山を 楽しめる場所ではありません。しかし、ロック・クライミングを楽しむのに 100メートルの絶壁は必ずしも必要無くて、10メートルあれば十分 — と思えば、 ピーク地方は天国です。たとえば、有名なスタニッジ・エッジは、高さ数メートルから 20メートルの垂壁が 4km 以上にわたって横に連なる岩場で、 ルートの数は 1000を超えますし、そのスタニッジ・エッジ から歩いて行ける距離に別のそれも複数の岩場があり……と岩場が文字通り集中 しています。多くの岩場は駐車場から徒歩 10〜15分以内で着ける気安さ、 また、英国内にしては天候が比較的穏やかというのも、 売りのひとつでしょう。

(つづく)


Webページ更新情報


次回予告

次回は… 「雨中の歩荷訓練ビバーク山行(ホープ森林)」

See you later!


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